“青”が席巻する中国スマートフォン勢力図山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/2 ページ)

» 2012年12月28日 10時13分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

Apple Storeの「青」に続け

青いシャツを着る販売スタッフが目立つ中国電脳街のスマートフォン販売フロア

 中国の多くの都市では、「PC買うなら電脳街、ケータイ買うならケータイマーケット」というのが、わずか1〜2年前の常識だった。しかし、この1年で、中国各地の大規模な電脳街にもスマートフォン販売フロアが登場し、PC販売フロアよりも多くの人が訪れるようになった。特定メーカーの専門店と複数のメーカーをまとめて扱う総合ショップが入り混じって店を構えるスマートフォン販売フロアは、あふれんばかりの客でごった返すが、その中に青シャツを着る店員のグループを少なからず見ることができる、しかも、その“青”がグループごとに微妙に違う。

 “本家”青シャツといえばApple Storeだ。その正規店舗は北京と上海、深セン、そして、成都で一種のステータスとなっている。その雰囲気に似せようとしてスタッフに青シャツを着せている代理店が無数にある。中国ではiPhone5が12月14日にようやく出荷を開始したが、それ以前から香港経由の輸入品(中国では“水貨”と呼ぶ)が、iPhoneの“世代”に関係なく取り扱い店で購入できるほどに流通していた。また、内陸の地方都市でも“本物”のiPhoneを扱うiPhone専門の販売店をみかけるようになった。中国内陸部の地方都市における収入水準の経済規模でも、iPhoneは売れているというわけだ。

 こうして、中国全土で“Apple関連スタッフ”がまとう「青」は、iPhoneというハイセンスなスマートフォンというイメージとともに定着した。こうなると、SamsungやHTC、さらには、中国の地場ベンダーも関連スタッフは“青”をまとうようになる。この動きは、PC販売フロアにも及んでいて、ノートPCを販売するSamsungだけでなく、ASUSの代理店スタッフも、やや薄めの青を身に着けるようになった。

Appleに負けていないSamsung

 中国の店頭で実際に観察する限り、最も人気が高いのはiPhoneシリーズだが、出荷台数で互角に戦っているのがSamsungだ。2〜3年前までSamsungの専門店はほとんど存在しなかったが、最近は中国でよく見かけるようになり、Samsung製品の人気が高くなるにつれて専門店の客入りがよくなっている。いまや、Samsungの専門店は中国各地のショッピングセンターでも見かけるようになった。そのデザインは、やや濃い青をまとったスタッフとガラス張りの壁という、Apple Storeを模した雰囲気となっている。

 そんなSamsung専門店には、日本でも出荷しているGalaxy SシリーズやGalaxy Noteシリーズのほか、最近ではAndroid搭載のコンパクトデジカメ「Galaxy Camera」が主役だ。Androidコンデジというと、日本でもニコンのCoolpix S800cがあるが、Galaxy Cameraは「Android 4.1」「光学21倍ズーム」を訴求する(それだけに本体は重いが)。さらに、無線LANと3G(W-CDMA)によるデータ通信も可能だ。ワイヤレスWANの対応では、中国独自の3G方式「TD-SCDMA」に対応したGalaxy SIIIも中国で出荷している。中国独自規格ゆえに、海外メーカーでは開発が難しいTD-SCDMAに対応したモデルは、このGalaxyシリーズのほかに、Motorolaが「MT788」(Razr i)を出荷していて、Galaxyシリーズと人気を二分している。

 AppleとSamsung以外のメーカーは、HTCをはじめとして、販売代理店を用意するのが精一杯だ。HTCは、日本で未発売のハイエンドモデル「HTC One X」シリーズを中国で出荷するほか、中国限定のモデルとして「新渇望」シリーズを開発して投入している。とはいえ、中国に特化した独自機能があるわけではなく、TD-SCDMA方式の中国移動(China Mobile)、W-CDMA方式の中国聯通(China Unicom)、CDMA 2000方式の中国電信(China Telecom)といった大手通信事業者のそれぞれと提携したモデルを用意することで、ユーザーは各キャリアと契約する代わりに2万円を下回る価格で「Android 4.0搭載、動作クロック 1GHzのCPU、デュアルSIMスロット搭載、4型ディスプレイ採用」というハイスペックの「新渇望」を入手できる。

Samsungの専門店と(写真=左)、HTCの専門店(写真=右)。同じ青系色ながら、その色調はメーカーごとに異なる

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