以上、2回に渡って新型VAIO Zを詳細にチェックした。「入魂」の1台とはこのようなことを言うのだろう。この新しいVAIO Zは、伝統のハイエンドモバイル「Z」を今の技術で再現したにとどまらない。
Intelの最新プラットフォームが持つポテンシャルを極限のレベルまで引き出すとともに、液晶ディスプレイ、サウンド、キーボードなど、使い勝手の部分までこだわりが徹底されている。ソニー時代には、機種によってはやや甘さが見られた剛性や放熱に関してもきっちりと詰められており、文句のつけようがない。「やれることはすべてやった」「開発リソースのすべてを注ぎ込んだ」ということが、製品から実感として伝わってくる。
VAIO新会社の技術のすべてが、最大16.8ミリ厚、1.34キロのフォームファクタに注ぎ込まれている。ここまで出し惜しみを感じないPCは、近年に経験がなく、期待をはるかに上回る。VAIO Pro、Duo、Fit A、ソニー時代の末期に活躍した個性的なモデルの要素をすべて取り込み、さらに一段上のレベルで融合させたかのようでもある。まさしく、究極のモンスター、史上最高の仕上がりと言っても過言ではない。
ソニーストアの直販価格は18万9800円(税別/3年保証付き)からとなっている。一般的なノートPCに比べて高価ではあるが、この価格差ならば当然だ。むしろ、VAIO Zだけの価値を考えると安いとさえ言える。今回の評価機と同等に仕様のカスタマイズを行なえば、価格は30万円近くになるが、それに値する製品であることは間違いない。


今回入手したVAIO Zのデバイスマネージャ画面。SSDは「Samsung MZHPV512HDGL-00000」、無線LANモジュールは「Intel Dual Band Wireless-AC 7265」を搭載していた
CPU-Zの情報表示画面(画像=左)。Core i7-5557Uは、現時点で発表されている第5世代Coreプロセッサの中でも最高性能のモデルだ。2コア/4スレッド対応のCPUで、最大3.4GHzで駆動する。TDPは28ワットだ。GPU-Zの情報表示画面(画像=右)。Core i7-5557UはグラフィックスコアとしてIntel Iris Graphics 6100を統合している。描画処理エンジンはIntel HD Graphics 5500の2倍となる48基を内蔵しており、内蔵グラフィックスコアとしては性能が非常に高い| 今回試用したVAIO Z(VJZ13A1)の主な仕様 | |
|---|---|
| 製品名 | VAIO Z(VJZ13A1) |
| メーカー | VAIO |
| OS | 64ビット版Windows 8.1 Pro Update |
| 本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約324.2×215.3×15〜16.8ミリ |
| 重量(実測値) | 約1.34キロ(1.332キロ) |
| 画面サイズ(液晶方式) | 13.3型ワイド(IPS) |
| アスペクト比 | 16:9 |
| タッチパネル | 静電容量式(10点マルチタッチ) |
| デジタイザ(筆圧レベル) | 筆圧対応デジタイザスタイラス付属(ハードウェア256段階/ソフトウェア1024段階) |
| ディスプレイ解像度 | 2560×1440ピクセル(約221ppi) |
| CPU(コア数/スレッド数) | Core i7-5557U(2/4) |
| 動作周波数 | 3.1GHz/最大3.4GHz |
| チップセット | CPU内蔵 |
| vPro | − |
| GPU | Intel HD Graphics 6100 |
| メモリ | 16Gバイト(LPDDR3-1600) |
| メモリスロット(空きスロット数) | オンボード、デュアルチャンネル転送対応 |
| ストレージ(評価機実装) | 512GバイトSSD(Samsung「MZHPV512HDGL-00000)」 |
| ストレージフォームファクタ | M.2 |
| ストレージ接続インタフェース | PCI Express x4(20Gbps) |
| 光学ドライブ | − |
| 無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac(Dual Band Wireless-AC 7265) |
| Bluetooth | Bluetooth 4.0 |
| NFC | − |
| センサー | 加速度、ジャイロ、地磁気、照度 |
| 有線LAN | −(オプションでACアダプタ接続用の小型Wi-Fiルータを用意) |
| ワイヤレスWAN | − |
| キーボード | 日本語87キー、バックライト搭載 |
| キートップ仕様・形状 | アイソレーション |
| キーピッチ | 約19ミリ(縦実測18.5ミリ) |
| キーストローク | 約1.2ミリ |
| ポインティングデバイス | タッチパッド(左右ボタン統合) |
| 主なインタフェース | USB 3.0×2(1基は電源オフチャージ対応)、HDMI出力、ヘッドフォン/マイク兼用端子(3.5ミリ)、Webカメラ(イン92万画素"Exmor R for PC" CMOS/アウト799万画素"Exmor RS for PC" CMOS) |
| メモリカードスロット | SDメモリーカード(SDXC対応) |
| SIMカードスロット | − |
| その他カードスロット | − |
| スピーカー(音質補正ソフトウェア) | ステレオ |
| マイク | デュアル |
| 指紋センサー | − |
| セキュリティチップ | 搭載 |
| セキュリティロックポート | − |
| バッテリー動作時間 | 約15.2〜15.5時間(JEITA 2.0)、約19.3〜20.2時間(JEITA 1.0) |
| バッテリー仕様 | 58ワットアワー |
| ACアダプタ実測サイズ | 39×104.5×27ミリ(幅×奥行き×高さ) |
| ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み) | 166グラム/210グラム |
| ACアダプタ出力仕様 | 19.5ボルト/2.0アンペア、5ボルト/1.0アンペア(USB) |
| ACアダプタ対応電圧 | 100〜240ボルト(50/60Hz) |
| DC端子形状 | 丸形 |
| プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側) | 2ピンメガネ型 |
| 防水/防滴 | − |
| カラーバリエーション | シルバー |
| オフィススイート | −(Office Premium/Office 2013選択可能) |
| 価格 | オープン(評価機の構成で税別29万4800円) |
| 発売日 | 2015年2月16日 |
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