スマートフォンの第3極へ――勢力図を変えるWindows Phone “Mango”(2/2 ページ)

» 2011年06月22日 00時00分 公開
[園部修,ITmedia]
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Windows Phone “Mango”で日本語を正式サポート

 Windows Phone 7の最初の製品が登場してから約半年が経過した2011年5月24日、MicrosoftはWindows Phone 7のメジャーアップデートを発表した。それがWindows Phone “Mango”だ。正式なバージョン番号などはまだ発表されていないが、Mangoは日本語を含む19カ国語に対応予定で、500以上の新機能を搭載し、2011年秋以降にリリース予定だ。

 Windows Phone “Mango”の詳細はこちらの記事にあるとおりだが、簡単にまとめると、コミュニケーション、アプリケーション、そしてブラウザという3つの柱で機能強化が行われる。「人」とのコミュニケーションを行うツールとして、ソーシャル機能を強化するほか、マルチタスク対応、検索結果とアプリの連携、Live Tileの機能強化やブラウザの強化が主なトピックとなっている。

 6月8日にMicrosoftが開催した開発者向けのイベント、「Windows Phone Developer Day」では、実際にMangoの最新ビルドをインストールした端末を利用して、Mangoの詳細や開発手法の解説を行った。参加者には後日Windows Phone “Mango”の開発用端末を無償提供することを発表するなど、非常に力の入った内容で、対応アプリの開発を後押しする姿勢を示した。

 Windows Phone Developer Dayで基調講演を行った日本マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 大場章弘氏は、Windows Marketplace for Mobileには、現在約2万本のアプリケーションが登録されていること、1日約160本のペースでアプリがアップされていることなどを紹介。2010年秋以来、Windows Phone 7が200万ライセンス以上出荷されていること、アプリケーション開発ツールは150万以上ダウンロードされていること、すでにWindows Phone 7を利用している人の93%は満足しており、90%は他の人に勧めたいと回答していることなどを挙げ、Windows 8にもMetroのコンセプトが導入されることなどを引き合いに出し、Microsoftの新しいプラットフォームをアピールした。

日本語入力にも正式対応、濁点も入力できる「カーブフリック」搭載

 これまでなかなか詳細な情報が開示されなかった日本語対応についても、Windows Phone “Mango”ではしっかりサポートされる予定で、フリック入力に対応するIMEが搭載されること、濁点の付いた文字が1フリックで入力できる「カーブフリック」というユニークな入力方式をサポートすることなどもWindows Phone Developer Dayで明かされた。待受画面やメニューに縦書きの日本語を配したユニークなインタフェースが用意される可能性もあるようだ。


Photo WebブラウザはIE9ベースになり、レンダリングなどがより高速になる

 Webブラウザは、前述の通りIE9ベースになり、PCでWeb閲覧する環境と遜色ない動作を実現している。新しいWebブラウザはHTML5をサポートしており、一部機能はハードウェアによるアクセラレーションが利用できるため、レンダリングも速い。先日の発表会でもiOSやAndroidのWebKitよりも高速であることが示されたが、実際の動作も非常に軽快だ。

 Microsoftならではの、Windows Live SkyDriveを経由したOfficeドキュメントのシームレスな閲覧/編集といった機能もWindows Mobileから大きく進化している。



開発ツールを無償提供、高機能なエミュレーターも用意

 開発ツールは、最新版の「Windows Phone Developer Tools 7.1」がすでに開発者向けサイト「APP HUB」から無料でダウンロード可能になっている。500以上の機能拡張をサポートする、1500以上のAPI拡張が行われるWindows Phone “Mango”では、エミュレーターも強化された。GPSやジャイロセンサーなど、実機でないと確認しにくい機能を活用したアプリも、このエミュレーターを利用すれば動作を確認できる。端末を動かしたり、任意の位置情報を取得させたりできるため、動作検証の難易度が下がりそうだ。


 このように、Windows Phone “Mango”は着実に国内での製品投入へ向けて歩を進めている。ここまでiOSとAndroidが市場を席巻した今となっては、少々製品投入のタイミングが遅かったのではないか、という声もあるが、スマートフォンの本格普及はまだ緒に就いたばかり。Windows Phoneの新しいUIと操作感は、コンシューマー向けスマートフォンの第3極としてしっかりと地歩を築き、シェアを取っていけるだろう。

 ちなみにWindows Phoneの開発パートナーには、Dell、Garmin-Asus、HTC、Hewlett-Packard(HP)、LG Electronics、Samsung Electronics、Sony Ericsson、東芝、Qualcomm、Nokia、Acer、ZTE、富士通が名を連ねている。国内メーカー製の端末がリリースされる可能性も高い。

 iOSやAndroidに、“スマートフォン”の座を奪われてしまったWindows Phone。しかし、後発になった分、ライバルの持つ優位性や欠点を研究し、よりよいものを作れたという強みもある。人と人とのソーシャルなつながりを軸に設計された新しいWindows Phone “Mango”は、世界のスマートフォン市場で、今後プラットフォームとしての評価が高まるはずだ。日本国内での展開も含め、スマートフォン市場におけるMicrosoft(そして日本マイクロソフト)の「次の一手」には今から注目しておくべきだろう。

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