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» 2011年05月18日 21時58分 UPDATE

“極薄”と“タフネス”が武器:NECカシオが総力戦で挑むAndroid市場――LTEスマホも「タイムリーに投入」

NECカシオが事業戦略説明会を開催。極薄“MEDIAS”とタフネス“G'zOne”という人気ブランドを擁する同社は、今後もAndroid開発を強化。NECグループの持つ資産を活用した総力戦で、グローバルなAndroid市場の攻略に挑む。

[平賀洋一,ITmedia]

 NECカシオモバイルコミュニケーションズは5月18日、2011年度の事業戦略と、発表されたばかりの携帯電話夏モデルに関する製品説明会を行った。

photophoto 人気のMEDIAS N-04Cを防水対応にした「MEDIAS WP N-06C」には、ドコモスマートフォン初というamadanaとのコラボモデルも(左)。auのタフネスケータイ“G'zOne”シリーズがAndroidになった「G'zOne IS11CA」(右)

 同社は2011年夏、NTTドコモ向けに「MEDIAS WP N-06C」「CA-01C」「N-05C」の3機種と、KDDI向けに「G'zOne IS11CA」「CA007」の2機種を供給する。

 このうちAndroid端末のN-06Cは、春モデルの“世界最薄”スマートフォン「MEDIAS N-04C」を防水仕様にした製品。N-04Cはワンセグやおサイフケータイ、赤外線通信に対応しながら厚さがわずか7.7ミリというスリムさが人気だが、N-06Cは厚さ7.9ミリとわずか0.2ミリの増加で防水性を持たせている。

 もう1つのスマートフォンであるG'zOne IS11CAは、4月末に米Verizon Wirelessから発売された「CASIO G'zOne COMMANDO」をベースとするモデル。スマートフォン初のタフネスモデルとして防水防塵性と耐衝撃性のほか、おサイフケータイと赤外線通信という、日本市場で重視される機能を追加している。

photophotophoto ドコモ初のカシオブランド端末EXILIMケータイ「CA-01C」(左)。防水防塵仕様のタッチ操作対応スライドケータイ「N-05C」(中)、アデリーペンギンを復活させたau向けの「CA007」

photophoto 会場には米国向けの「CASIO G'zOne COMMANDO」も展示された(左)

総力戦で挑むAndroid市場 LTEスマートフォンの開発も予告

photophoto NECカシオモバイルコミュニケーションズ 代表取締役 執行役員社長の田村義晴氏(左)、取締役執行役員専務の大石健樹氏

 事業説明に登壇したNECカシオモバイルコミュニケーションズ 代表取締役 執行役員社長の田村義晴氏は、「NECの携帯電話事業体とカシオ日立モバイルコミュニケーションズが2010年度に1つになり、その結実として昨年末に『N-03C』を開発できた。この春にはNECの持つ薄型技術を生かしたMEDIAS N-04Cと、カシオの持つ“タフ”技術を際立たせたG'zOne COMMANDOを発表した。非常に両極端の特徴をもつ2機種だが、開発や生産の現場はNECとカシオの共通化を強めシナジーを生み、効率的に強力な製品を開発できた」と振り返った。

 2010年後半から急激に拡大した国内のスマートフォン市場は、2011年度には前年比約2.1倍に達し、携帯電話市場の約半数に成長するとみられる。グローバルでは2015年に6億台強まで普及する見込み。その牽引役となっているのがAndroidを搭載するスマートフォンなのは言うまでもない。田村氏は、NECカシオがAndroid端末の開発に注力すると同時に、より高速な通信を可能とするLTE対応スマートフォンの開発も示唆した。

 「スマートフォン(Android)市場の攻略がNECカシオ成長の鍵。フィーチャーフォンがなくなるとは思わないが、主戦場はAndroidだ。Androidはオープン性が高く、(基本機能など)非競争領域の開発がスピーディに行える。その余力で自らの競争力を伸ばすことが重要。またスマートフォンと相性が良いLTEの流れにも乗り遅れることなく、タイムリーにスマートフォンへ(LTEを)適用していきたい」(田村氏)

photophotophoto NECグループの総力を挙げた開発体制(左)、魅力的な製品づくりを表す「モノの価値」と製品を活用するサービスを提供する「コトの価値」(中)、モノの価値とコトの価値、さらにLTE対応を進めることで最高のユーザー体験を提供する(右)

photophoto モノの価値とコトの価値を高める具体的な領域

 NECカシオがAndroid市場で生き残るために取る戦略が、NECグループの資産を生かした「総力戦」だ。NECカシオが持つ薄型化やタフネス技術に加え、PCやタブレットなどのコンシューマー向け製品、BIGLOBEに代表されるWebサービス、クラウド・無線技術などのノウハウを生かすことで端末の競争力を強化。さらに海外展開を視野に入れたコンテンツパートナーとの連携も視野に入れることで、他社には負けない製品作りを目指す。

 「総力戦の具体的な中身は、“モノの価値”と“コトの価値”を追求すること。性能が良くても魅力的でなければモノの価値は低い。それには長い時間をかけたブランディングが重要だ。G'z oneはタフネスケータイのブランドとして認識して頂いており、MEDIASも薄型スマートフォンのブランドとしての成長が期待できる。また、世界最薄やタフネスという両極端な特徴のあいだに、新たな性質の商品が生まれる可能性がある。こうした魅力的な商品に充実したサービスによる“コトの価値”を組み合わせられると、最高のユーザー体験を提供できるだろう」(田村氏)

photo 事業戦略説明会では、CMキャラクターを務める長谷川潤さんからのビデオメッセージも上映

海外にも積極展開

 NECカシオが総力戦で挑むAndroid市場は国内だけではない。同社はすでにG'zOne COMMANDOを米国市場に展開しているが、このVerizon Wireless向け事業を基盤として北米市場への攻勢を強める方針だ。また、2011年度後半には欧州市場に、2012年度にかけてはアジア太平洋エリアへの攻略を開始するという。

photophoto 開発力、商品力を強化し、コスト競争力を高めることで、グローバルな競争に挑む

 「スマートフォンの普及によって外国メーカーの参入が相次いだが、我々は海外へ進出するチャンスでもあるとポジティブに捉えている。今後のAndroid端末はグローバルモデルとして共通開発し、ODMが進化したJDM(Joint Development Manufaturer)やオフショアを利用して負担の少ないスピーディな開発を行ないたい。また日本メーカーが苦労するコストダウンについては、物量を確保することで対応する。ラインアップを増やしユーザー層を広げることで、トータルなコスト競争力を付けたい」(田村氏)

 NECカシオの全世界出荷台数は、2010年度は下方修正のすえ440万台に甘んじたが、2011年度は740万台に達する見通しだ。事業統合の際に掲げた、2012年度に1200万台を売り上げる目標にも変更はない。田村氏は「1200万のうち国内は700万台、海外は500万台という内訳になるだろう」と予想し、「数年後には、グローバルベンダーの仲間入りを果たしたい」と意気込みを語った。

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