今春は高速通信に対応する機種が増加し、それに伴ってバッテリーの大容量化が進んだ。「AQUOS PHONE 104SH」は1520mAhのバッテリーを搭載しており、連続待受時間は約420時間、連続通話時間は約500分を実現。スペック値は今季モデルの中では優秀なほうだが、実際のバッテリー性能はどの程度のものなのだろうか。
今回は104SHの充電が100%の状態でYouTubeの長時間動画を再生し、何時間で残量が尽きるかをチェックした。バッテリーの残量は「Battery Mix」アプリを使って確認。その結果、1時間後に79%、2時間後に70%、3時間後に38%に減り、最終的には4時間42分後に残量が0%になった。通信環境やディスプレイの設定などによってバッテリーの減りは変わるが、解像度の高いHD液晶を搭載したモデルとしては十分な性能を備えているといえる。
104SHは下り最大21Mbps/上り最大5.7Mbpsの「ULTRA SPEED」に対応する。ここでは実際の通信速度を検証するため、「Speedtest.net」アプリを使用して速度を測定。テストは江東区屋内、JR錦糸町駅前、+D Mobile編集部の3カ所で実施した。その結果、+D Mobile編集部が下り1〜2Mbps台で他の2カ所よりも遅くなったが、下り2Mbps台後半〜4Mbps台前半の安定した速度を記録。江東区屋内では、最大で下り5.45Mbpsの好成績を残した。速度にバラつきは見られるが、おおむね安定的な速度で通信できた。
104SHに搭載されている標準ブラウザはAndroid 4.0に対応し、仕様が刷新された。ここでは、よりスピーディになったとされるWebサイトの読み出し速度をチェック。「ITmedia +D Mobile」トップページをブックマークに登録し、アクセスしてからサイトが完全に表示されるまでの速度を計測した。今回は比較対象として、Android 2.3を搭載した「GALAXY S II SC-02C」の標準ブラウザと、Android 4.0端末で利用できるブラウザ「Chrome Beta」の表示速度も合わせて計測している。なお、通信は無線LAN(光回線)で行った。
その結果、104SHの標準ブラウザが平均2.71秒で首位を獲得。SC-02Cは平均3.34秒、Chrome Betaは3.75秒を記録した。数値上でも差が出たが、104SHのブラウザは他の2つよりもワンテンポ表示が速い印象だ。やや重い+D Mobileのトップページをスムーズに表示できるパワフルな処理能力は頼もしく感じられた。
標準ブラウザ(104SH) | 標準ブラウザ(SC-02C) | Chrome Beta(104SH) | |
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1回目 | 2.81秒 | 3.56秒 | 3.68秒 |
2回目 | 2.47秒 | 3.60秒 | 3.84秒 |
3回目 | 2.71秒 | 3.21秒 | 3.90秒 |
4回目 | 2.68秒 | 3.04秒 | 3.68秒 |
5回目 | 2.91秒 | 3.30秒 | 3.69秒 |
平均 | 2.71秒 | 3.34秒 | 3.75秒 |
※テストは各ブラウザとも5回ずつ実施。上記は各回の結果と平均タイム |
標準搭載の「ブラウザ」も、機能が拡張されている。中でも注目は、複数のページを開ける「タブブラウザ」への対応だ。右上の「アクションバー」(詳細は第3回を参照)に配置されたタブボタンをタップするとページの一覧が表示され、サムネイル画像をタップするとそのページにアクセスできる。従来のブラウザのメニューボタンを押してからページを切り替える仕様よりも、こちらの新しい仕様のほうが複数ページ間の行き来がやや楽になったと感じた。
あらかじめサイトを保存しておくことでオフライン時に閲覧できる「ページ保存」機能にも対応する。ページを保存するには、保存したいページを表示した状態でメニューボタンを押し、「ページを保存」をタップする。オフライン時にページを確認するには、再度メニューボタンを押し、「ブックマーク一覧」をタップする。次画面で画面上部のタブ「保存したページ」をタップすると、保存したページの一覧が表示され、サイトを参照できる。読み終わったら、メニューボタンを押し、「保存したページを全削除」で削除する。複数のステップを経る必要はあるが、地下鉄に乗車する際など、通信環境が不安定な場所に行く前に、チェックしておきたいサイトを保存しておくと便利だ。
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