ソニーは2月25日(欧州時間)、現在スペインのバルセロナで開催されているMobile World Congress 2013(MWC 2013)において報道関係者向け説明会を開催し、同社「Xperia Tablet Z」の2013年第2四半期での世界市場への投入を発表した。またWi-Fi接続機能のみを搭載したバージョンの春以降の投入も予告しており、後日日本でも正式アナウンスが行われるとみられる。
プレスカンファレンスで壇上に登場したソニーモバイルコミュニケーションズ社長兼CEOの鈴木国正氏は、完全なソニーの子会社として新たなスタートを切った2012年の同社を振り返りつつ、2013年は「ブレイクスルーの年だ」とその目標を語った。これは経営や販売面での改善にとどまらず、実際に広く市場に受け入れられる強力な製品を提供していくことも意味している。こうした“攻め”に転じた同社の武器がXperiaシリーズであり、その先兵となるのがすでに日本でリリースされている「Xperia Z」とXperia Tablet Zとなる。
Xperia Zについては2013 International CESですでに世界デビューを果たしており、例えばドイツで同製品が発売された際には、ベルリン市内にあるポツダム広場近くのソニーストアで製品が2時間で完売したという。また、MWCの会場で行われた他メディアのインタビューで、KDDI 取締役 執行役員専務の石川雄三氏が、Xperia Zベースのスマートフォンを今夏にも発売予定であることを明らかにしている。
今回のカンファレンスでは、改めてXperia Tablet Zの2013年第2四半期での世界提供開始が発表された。また壇上では直接触れられなかったものの、Xperia Tablet ZはLTE対応の4G版とWi-Fi接続のみに対応したバージョンの2種類が用意され、第2四半期にあたる春以降に順次世界の各市場に投入されていくという。現在日本ではWi-Fi接続のみに対応したバージョンはアナウンスされていないが、今後正式発表が行われるとみられる。
MWC会場内のソニーブースでは大量のXperia ZとXperia Tablet Zが展示され、これが同社の主力製品であることを存分にアピールしていた。海外端末ではあまり見られない防水機能のアピールのほか、旧Sony Tabletとのディスプレイ技術の比較、NFCを使ったスピーカーとの連携など、Xperiaならではの特色を生かしたものになっている。
だが筆者が展示ブースで最も目を引かれたのが、入り口に置かれていた巨大なディスプレイだ。遠目から見るとただの格子状に区切られたディスプレイだが、近付いてよく見てみると、なんと14×14の計196台の大量のXperia Zを並べたディスプレイとなっている。この大量のXperia Zを組み合わせたディスプレイ全体で動画デモを流しているのだ。このパネルを製作したVisionmillのMatt Mapleston氏によれば、あらかじめ14×14の格子に分解した動画をそれぞれのXperia Zにインストールして、バックグラウンドで同期しながら同時再生を行って大画面ディスプレイにしているという。シンプルながら驚きの展示だといえる。
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