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» 2015年07月03日 10時00分 UPDATE

石川温のスマホ業界新聞:フリーテルが「Made by JAPAN」を全力でアピール━━「半濁点入力」の改良に苦戦して、リリースを半年以上も延期

プラスワン・マーケティングが「フリーテル」ブランドの刷新を行い、MVNOサービスと新端末の発表会を開催した。「Made by JAPAN」を掲げ、日本品質を訴求する新ブランドだが、本当にそれでいいのだろうか。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 6月22日、「フリーテル」ブランドを掲げるプラスワン・マーケティングが、新ブランド・新製品発表会を開催した。場所は東京・六本木のニコファーレ。MVNOとしては、かなり派手なイベントという印象であった。

 ただ、参加したメディア関係者の多くは、プレゼンを聞いたあとに「ビミョー」な表情をしていた感があった。実際、自分も首を傾げながら、発表会に参加していた。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年6月27日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。


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 ひとつには、オリジナルブランドの端末を台湾などで製造しているにもかかわらず「Made by JAPAN」をアピールしている点だ。

 確かに、製造は海外であっても、日本の品質基準で製造元を管理することで「日本品質」をアピールすることは間違っていない。

 しかし、それはメーカーとしての実力が伴ってこそではないだろうか。

 プラスワン・マーケティングは、2014年11月28日に「冬モデル発表のお知らせ」として、SIMフリー&コンパクトフィーチャーフォンとして「Simple」という端末を発表。2015年1月下旬に発売を予定しているとした。

 しかし、実際に1月に発売されることはなく、2月に延期。さらに延期となって、今回ようやく「この夏に発売する」(増田薫社長)というアナウンスになった。

 発売が延期させた原因について増田社長は「正直に言っちゃっていいのかな。ぱぴぷぺぽの丸(筆者注、半濁点)を入力する際に、時間がかかり、使い勝手が悪かったので、そこを改良していた」という。

 Simpleにはメール機能はなく、文字入力は主にSMSなどに使用するだけなのだが、文字入力におけるストレスを軽減するために、発売に時間がかかったというわけだ。

 「AndroidOSなら問題なかったが、Simpleは独自OSであったことも原因と言える」(増田社長)。

 この言い訳を聞いて「半濁音もまともに入力できない端末しか作れないのに、なぜ日本品質をアピールするのか」と憤るメディア関係者が多かったのだ。

 プラスワン・マーケティングでは、華々しくWindows10搭載端末となる「KATANA01」「KATANA02」を発表。「できるだけ最短で売りたい」(増田社長)と、Windows10搭載スマホとして、他社よりも先に販売することを約束した。

 また、フィーチャーフォンとしては「Galaho(仮称)も、「最速で今年の冬」(増田社長)に発売するとアナウンスしている。

 いずれも威勢がいいのだが、KANATA02やGalahoなどは会場内には展示すらされていない状態で、本当に年内に出るのか不安にさせられるほどだ。

 囲みでの「Made by JAPANはどういった意味があるのか」という質問に対し、増田社長は「戦後、日本でモノづくりが復興したのは日本人の心意気があってこそ。その思いを継承した。家電メーカーの技術者を採用し、品質管理を行っている」とした。

 プラスワン・マーケティングでは世界31カ国で、自社のスマホを販売していくという。

 ただ、スマホにおける日本品質が世界で売れるのであれば、ソニーやシャープ、富士通は、世界市場で苦戦を強いられていないだろう。

 スマホにおける品質の良さは「日本で管理している」というのはむしろ弱点であり「いかに世界で大量につくっているか」が重要だと言える。

 実はサムスン電子「Galaxy」の品質が高いのは、大量に生産され、世界各地に納入し、様々な気象条件や環境で使われているノウハウが蓄積されているから、と言われている。

 京セラのように「防水・耐衝撃」などの性能があれば「日本品質」をアピールしても良いだろうが、スタンダードなスマホであれば「日本品質」を訴求するのは、あまり意味がないのではないだろうか。

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