年明けから、いまだに話題の尽きないベッキー騒動。LINEのセキュリティ問題まで発展しているが、スマホ業界的には、ケイ・オプティコムがベッキーをCMに起用していたため、降板騒動が注目を浴びた。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2016年1月30日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。
週刊文春の報道後、ケイ・オプティコムはしばらく静観の構えを見せたが、1月21日になって、ベッキーとのCM契約を更新しないと明らかにした。
同社としても、今回の一件は苦渋の決断だったようだ。
同社、モバイル事業戦略グループ、津田和佳氏は「ベッキーさんと有吉さんを広告に起用していたが、1月で契約を切った。次のCMに向けて準備をしていたが、こういった状況になったので、社内で議論を重ね、見送りを決めた。準備していたものをやり直すようなこともあり、バタバタしているが、商戦期に向けていろいろなことをやっていきたい」と語った。
実際のところ、ケイ・オプティコムとしては、騒動が収まれば、そのまま、ベッキーを継続して起用するつもりだったようだ。もともと、昨年のCM開始時は、ベッキーと有吉弘行の二人体制であったが「二人とも人気者であり、同時にスケジュールを合わせてCM撮影するのが難しかった」(同社関係者)といい、契約更新時には世間的に好感度が高いベッキーに一本化する計画をしていたという。
すでに、CM撮影や配布物などの印刷を終えていたところに、年明けとなって週刊文春が報道。当初はベッキー本人が「友人関係」を貫いていたことから、ケイ・オプティコムとしても、本人の言葉を信じ、契約を継続するつもりであったが、度重なる報道で、ついに更新を見送ることになったという。ちなみに、契約は1年更新で、2016年1月23日が更新日になるはずだった。さすがにこの状況での契約更新は難しく、その直前となる1月21日に「更新しない」という報道が出たようだ。
週刊文春の報道直後に契約を打ち切れば、他の企業と一緒にされてしまい、目立たずに終わってしまっただろう。しかし、ケイ・オプティコムは、決断を引っ張りつつ、世間にインパクトを与えられる日付を狙っていた。
そこで、21日に世間に明らかにした途端に、メディアが食いつき、結果としてYahoo!のトップに掲載されることとなったのだ。
ケイ・オプティコムが全国区のメディアに掲載されたことを考えると、広報的には見事な立ち回りと言えるだろう。
ケイ・オプティコムとしては、すでに撮影済みのCMや印刷済みの販促物などで実害はあるものの、ベッキー騒動を上手いこと、認知度アップにつなげられたのではないだろうか。ケイ・オプティコムは、ベッキーに足を向けて寝られないはずだ。
ちなみに、ケイ・オプティコムではすでに新しいCMキャラクターの選定を終えて、撮影などを行っているようだ。早ければ、2月中旬からオンエアされるという。
© DWANGO Co., Ltd.