FREETELが2画面の折りたたみ型Androidスマホを投入――「テンキーAndroidスマホは売れない」常識を覆せるか石川温のスマホ業界新聞

» 2016年03月18日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 今週、FREETELを手がけるプラスワン・マーケティングが折りたたみ式のスマートフォン「MUSASHI」を正式発表した。2万4800円で3月下旬に発売するという。 

 FREETELの増田薫社長によれば「スマートフォンにまだ乗り換えられていないガラケーユーザー」をターゲットにした製品だという。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2016年3月12日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。


 折りたたみの外側にも画面があり、閉じた状態では通常のスマホ、開いた場合もタッチパネルとなっており、タッチとテンキーの両方で操作するようになっている。

 ウェブサイトなどはタッチで操作しつつ、文字入力はテンキーで行うといった感じだ。

 実際に触ってみると、テンキーを使いつつ、画面も触ることになるので、指の移動する範囲がかなり広い。基本的にはAndroidのユーザーインターフェースなので、テンキーですべてを操作するには多少、無理があるようだ。

 このタイミングで、ガラホを投入してきたのはFREETELとしてはかなりチャレンジングなことだろう。一方で、国内ユーザーの半数近くはいまだにガラケーということを考えれば、潜在的な市場があるととらえるのも当然かもしれない。

 しかし、過去を振り返ってみると「本当にニーズがあるのか」というのは、歴史が証明している気がしてならないのだ。

 似たようなコンセプトは、シャープがAndroidスマホの早い段階からKDDIやソフトバンク向けで手がけていた。その時は「革新的だ。ガラケーからスマホに移行しやすい」と思ったものの、結局は売れることなく、姿を消してしまった。

 その後、シャープ関係者に「なぜダメだったのか」を聞いたところ「Androidの操作体系において、テンキーとタッチパネルの組み合わせでは無理があった」とのことだった。当時も、指の移動範囲が広くなり、使い勝手が悪かったのだ。

 また、当時、スマホに興味がある人は「大画面をフリックしたりスワイプするのにあこがれがあり、テンキー操作は必要としていなかった」ということもある。

 その後、去年あたりから「ガラホ」が出てきたが、各社とも操作体系は、Androidらしさは一切排除し、できるだけ従来のフィーチャーフォンの操作体系、デザインを踏襲している。いま、ガラケーを欲しがっている人は、スマホには一切、興味がなく、とにかく「ガラケー」の後継機種を欲しがっているだけに過ぎないのだ。

 いまのガラケーユーザーは、新しいことには興味がなく、「とにかく通話ができれば良い」と思っている人が大半だ。そんな人が、MVNOにMNPして移行するのは心理的にもハードルが高いはずだ。

 ただ、あくまでシャープが投入した頃は、時期尚早なだけで、今のタイミングであれば、折りたたみ型のスマホが馬鹿売れする可能性もあるのかもしれない。実際、サムスン電子やLGエレクトロニクスも同様のコンセプトの製品を売り、それなりに人気があるという。

 キャリアやメーカーの調査、経験では「売れない」と判断されている折りたたみ型Androidスマホ。だからこそ、ガラホはガラケーに寄せている。もしかすると、MNOや既存のキャリアなどは既成概念にとらわれて、新しい挑戦をできなくなっているのかもしれない。

 このタイミングでAndroidの要素を残した折りたたみ型スマホの需要があるものなのか。プラスワン・マーケティングが、業界の常識を覆し、どれだけ売ることができるのか、お手並み拝見といったところだ。

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