子育て中の保護者にとって「子どもにいつからスマホを持たせるか」は大きな問題です。私たちが日々使うスマートフォンは、YouTubeで動画を見ることができたり、友人といつでもLINEやメールで会話したり、写真を撮って送り合ったりもできますから、子どもだって欲しくなるのは当たり前だといえます。
実際、いつから子どもにスマホを持たせている人が多いのでしょうか。デジタルアーツが2016年2月に発表した「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」によると、スマホや携帯電話を持つ未成年者のうち、スマートフォンを所有している割合は、小学校高学年(10歳から12歳)が37.9%、中学生が76.2%、高校生97.6%。スマートフォンの所有率は、中学生からぐっと上がっていることがわかります。
中学生になると、塾や習い事などで夜遅くまで行動することが多くなるため、保護者も携帯電話やスマートフォンなどの連絡手段を持たせたほうがよいのでは、と考え始めます。最近では、子どもたちが「LINE」をもっとも使いたがる時期でもあります。LINEはもはや子どもたちのコミュニケーションの基盤となっており、友人との交流だけでなく、部活の連絡や学校の連絡網のようにも使われています。
我が家の場合でも、中学校進学をきっかけに、娘にスマートフォンを持たせました。それまで携帯電話を通話とショートメールのみの契約で持たせ、家族とだけ連絡を取れるようにしていましたが、そろそろLINEで友達とつながっても良い時期だと判断したためです。
だからと言って、「中学生で持たせるのが正解」というわけではありません。「塾の帰りに車で迎えに行きたい」「部活で遠征が多いので連絡を密に取りたい」「兄弟姉妹がすでに持っている」という理由で子どもにスマートフォンを持たせる人もいる一方で、「まだインターネットを使わせるには早い」「親のタブレットでLINEを使わせる」といったそれぞれの家庭ならではの判断もあると思います。特別に決まった「適切な時期」は無いのです。
「スマートフォンを持たせよう」と決めても、本当に子どもの安全や健康を守れるのか、不安を感じる保護者も多いでしょう。スマートフォンはインターネットにつながっており、世界中の情報に触れることができます。また、LINEやTwitterなどのSNSを通じて、知らない人とつながってしまう可能性もあります。「スマホ依存」という言葉があるように、スマートフォンに夢中になってしまい、睡眠不足や視力の低下を招いてしまうことも考えられます。
そこで、子どもにスマートフォンを渡すと決めたら、事前に準備をしておくことが重要だと思ってます。
大切なのは、ご家庭の状況に応じたスマートフォン利用のルールを親子で決めることです。「スマホは子ども部屋ではなくリビングで使う」「塾の日以外は午後9時まで」「画面ロックのパスワードは変更しない」「知らない人とは会わない」などの取り決めを子どもと一緒に考えること。はじめはスマートフォンに夢中になり、約束を破ってしまうこともあるかもしれませんが、情報端末との向き合い方を教えるのにちょうどよい機会。親子で一緒に学んでいけるとよいですね。
デジタルアーツ「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」(2016年2月)
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