第3回 海外ケータイを“日本語化”――Androidアプリで楽々設定海外ケータイとプリペイドSIMを日本で購入する(3/3 ページ)

» 2010年04月07日 19時56分 公開
[Kunihisa Takayama(K-MAX),ITmedia]
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Androidアプリで日本語入力システムを追加

 続いて、日本語が使える設定を行う。ネットワークの設定でパケット接続が可能になるので、Androidマーケットからアプリケーションをダウンロードできるが、渡航前にチャージ金額をあまり消費したくない場合は、後述するアプリの開発元で配布されている.apkファイルをPCでダウンロードし、microSDにコピーしてインストールする方法がある。

 ここで必要なアプリケーションは、ロケール(言語環境)を変更する「More Locale 2」と、「simeji」などの日本語入力IME。More Locale 2はシーリスの「C-LIS Crazy Lab.」(外部リンク)、simejiは開発者のブログ(外部リンク)で公開されている。

 Settings(設定)の「Locale & text」でロケールや入力などの言語関連、一番上の「Select locale」からメニューなどの表示言語を変更できる。標準では英語、中国本土やシンガポールで使用されている簡体字中国語、香港や台湾で使用されている繁体字中国語の3種類しか設定できないが、More Locale 2を使うことで、変更できるロケールを大幅に増やせる。

photophotophoto 標準のロケール設定(写真=左)では英語と簡体字中国語、繁体字中国語の3種類しか選択できない。More Locale 2を使うと日本語をはじめ14の言語が設定可能(写真=中)。「独自ロケールの設定を使うことで、カスタムロケールの設定もできる(写真=右)

 More Locale 2を起動すると、言語の一覧が表示される。この中から日本語を選ぶと、言語ロケールを日本語に切り替えられるが、Liquidの場合は残念ながら設定メニューなどすべてが日本語に変更されるわけではない。ただ、Google マップやYouTubeなどは日本語で表示された。なお、今回は日本語フォントの導入は行わないが、中国語のフォントには日本語のかな文字や韓国語のハングルが含まれており、特別な作業をしなくても、これらの言語を表示できる。ただし漢字は中国語がベースとなっており、一部は中国語で表記される。

 言語表示はこれで解決したので、今度は入力の問題を解決しよう。Androidマーケットには複数の日本語入力システム(IME)が登録されており、好きなものをインストールできる。複数の日本語入力システムを一緒にインストールして、適宜切り替えて使うことも可能だ。今回はAndroidの日本語入力システムでは定番のsimejiを導入した。

photophotophoto 日本語IMEは定番の「simeji」を導入。simejiはマッシュルームという連携機能を使って機能を拡張できる。音声入力によるTwitter投稿や絵文字入力などの機能を持つマッシュルームアプリが、Androidマーケットに登録されている。入力方法は、ケータイ入力、ポケベル入力、QWERTY入力、フリック入力に対応している

 これで日本語関連の設定はすべて完了した。Androidマーケットに公開されているアプリケーションをインストールするだけで日本語入力システムをカスタマイズできるのは、Androidの大きな利点といえる。

 今回のSIMカードではパケット通信もできるので、渡航先でTwitterからつぶやくといったことも可能だ。Android向けにも複数のTwitterクライアントが提供されているので、気に入ったクライアントをインストールすれば、いつでも気軽につぶやける。香港なら「ビクトリアピークで夜景なう」とか「先達廣場はケータイだらけ!」など、つぶやくネタには事欠かないだろう(※旺角エリアにある先達廣場は携帯電話専門店が集まるビルとしてマニアには有名だ)。

海外端末を使うメリットとデメリット

 最後に、海外からケータイや現地回線を調達するメリットとデメリットをまとめたい。最大のメリットは通信費を大幅に削減できることだ。今回は、現地回線を利用することで、国際ローミングと比べて少なくとも半額程度、使い方によってはそれ以上の通信費を節約できる。短期滞在はもちろん、渡航期間が長いほど多くの恩恵を受けられる。

 一方でデメリットもある。まず、日本の回線を使っていないので、iモードやEZwebなど日本のキャリアが提供するコンテンツやサービスは利用できない。iモードメールは「iモード.net」からも受信できるが、月額210円の料金が発生する。また、現地の回線を利用するには別途SIMロックフリー端末の購入が必要になる。イー・モバイル端末など海外のSIMカードを利用できる端末もあるが、大半の日本のケータイにはSIMロックがかかっているのが現状だ。

 なお、プリペイドSIMには定期的に料金をチャージしておくことも忘れないようにしたい。今回購入したSIMカードは、電話番号の有効期限は最後のチャージから180日。同じ電話番号で長期間利用する場合は、定期的にリチャージしなければならない。さらに、チャージ中に料金を使い切ると利用できなくなるため、定期的に残額をチェックしておきたい。

 今回は香港と中国本土を往復することを想定してSIMカードを購入した。米国や欧州に渡航する人向けには、それに適したプリペイドSIMカードや、外国人でもポストペイド(後払い)契約が可能なSIMカードがある。事業者によっては日本国内で手続きができるところもある(2006年03月24日の記事を参照)。まずは、自分の渡航先に合ったケータイやSIMカードの購入方法を事前に調べておこう。

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