「日本にも4G製品やスマートフォンを積極的に投入したい」――Huaweiの最新端末戦略

» 2011年08月05日 12時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 データ端末だけではなくスマートフォンのラインアップを強化しているHuawei。北京で開催された新製品発表会の席で、同社端末部門、チーフマーケティングオフィサーのビクター・シュ(Victor Xu)氏に日本の他メディアと合同でインタビューを行い、日本や海外市場の端末戦略を聞いた。

Huaweiの端末売上は日本が3位

photo Huawei端末部門のチーフマーケティングオフィサー ビクター・シュ氏

―― Huawei製の3Gモデムや端末製品が日本でも増えています。御社にとって日本市場はどのような位置づけになるのでしょうか。

シュ氏 おかげさまで日本でも「Pocket WiFi」やデータ端末などのモバイルブロードバンド製品が好調で、ビジネスとしては非常に良い成績を収めています。当社の端末の売り上げは中国が最も多く、2位がアメリカ、そして日本はそれに次ぐ3位となっています。日本の市場はこれからもグローバルで5本の指に入る売り上げが期待できる、重要な市場と我々は考えています。

―― 日本の携帯電話市場は他国と比較してさまざまな面で特異性があると言われています。日本の市場について、どのように感じていますか?

シュ氏 日本は消費者がハイエンド端末を特に好む点で他国とは大きく環境が異なっていると感じています。また日本のモバイルブロードバンド市場は世界でもトップクラスだと認識しています。このような日本市場でビジネスを経験することで、商品開発や販売方法など先進的な知見を多く吸収することができます。すなわち日本市場への参入は当社にとって大きなプラス効果を生み出しているのです。

―― 日本での知見は他国向けの製品にも反映されている、ということですね。

シュ氏 日本の消費者の皆さんに納得していただける製品ならば、他の先進国でも品質や性能が十分受け入れられる証明にもなると考えています。

―― 今後、日本向けにはどのような製品を投入していく予定でしょうか。

シュ氏 当社の強みであるモバイルブロードバンド製品では4G/LTE対応の製品を日本市場にも積極的に投入していきたいと考えています。また通信事業者を通しての端末販売だけではなく、コンテンツプロバイダーとも提携していくことを考えています。それらを通じて、日本の消費者の皆さんにより充実したモバイルライフを提供できればと思います。

―― 北京の新製品発表会で公開された新製品の日本市場投入はお考えですか?

シュ氏 スマートフォンの「Vision」、タブレットの「MediaPad」はいずれも良い製品と自負しています。またLTEスマートフォンもグローバル向けには来年の早い時期に販売する予定です。時期は未定ですが、これらの製品を日本に投入することで、当社製品の日本での認知度をさらに引き上げたいですね。

photophoto Android 2.3搭載スマートフォン「Vision」(写真=左)とAndroid 3.2搭載タブレット「MediaPad」(写真=右)。いずれもボディにアルミを採用している

5年以内に世界のトップ3を目指す

―― グローバルでの端末戦略を教えてください

シュ氏:今後3〜5年間の計画として、まずモバイルブロードバンド製品では引き続き世界トップの座をキープすることを目標にしています。家庭用デバイスはリーディングポジションを狙う位置まで商品数を増やしていく予定です。さらに、携帯電話は5年以内に世界のトップ3に入ることを目指し、スマートフォンは2011年の出荷目標を2000万台としています。

―― 携帯電話で世界3位になるためにはかなりの努力が必要かと思いますが、どのように販売台数や売り上げを増やす考えなのでしょうか?

シュ氏 目標実現のためにはさまざまな戦略が必要となります。コストを下げることや、品質を上げることはもちろん重要です。それだけではなく、製品のラインアップをこれまでのローエンド中心から、今後はミッドレンジやフラッグシップモデルの数も増やすことで製品全体の層を厚くし、販売数を増やしていきたいと考えています。

 現在、Huaweiは全世界約140カ国、約500の通信事業者を通して端末を販売しています。今後は各国の事情に合わせて販路を拡大する予定です。例えばオンラインショップなどのEコマースの活用も検討しています。ブランド力の向上も急務と考えています。

photo Huaweiブランドの周辺アイテムも今後は増やしていく

―― 現在は通信事業者向けのOEM品が多いようですが、今後Huaweiのブランドをどのように強めていくのでしょうか。

シュ氏 当社のブランド力は、グローバル市場で認知度が20%程度とまだまだ低いのが事実です。今後はこれを80%程度まで引き上げたいと考えています。そのためにも、まずは製品を通してユーザー体験の機会を増やし、当社製品の良さを知ってもらうことでブランド力の向上を図っていきたいと思います。もちろんフラグシップモデルにも注力することで当社の先進性をアピールし、その結果としてブランド力が高まることも期待しています。

 なお、現在当社のスマートフォンにはIDEOSという名称をつけた製品がありますが、これはサブブランドではなく1つの商品名と考えています。IDEOSは日本を含む世界約70カ国で100万台以上を販売しましたが、我々としてはあくまでも「Huawei/ファーウェイ」のブランドをアピールし、その下にさまざまな名称をつけた製品を投入していく考えです。

10インチのタブレットも開発中

photo

―― 御社のスマートフォンはIDEOSや発表されたばかりのVisionなど、Android OSを採用しています。他のOSを採用するお考えはありますか。

シュ氏 当社のスマートフォンはこれまでAndroid OSに特化し、世界初のAndroid 2.2搭載スマートフォン(IDEOS)とAndroid 3.2搭載タブレット(MediaPad)を発表してきました。Googleの最新OSを採用していく考えはこれからも変わりませんが、スマートフォンはOSそのものがバリューチェーンに大きな影響を与えます。そのため市場のトレンドを見ながら他のOSを採用した製品の開発も検討していきたいと考えています。

 一方、コンシューマーは使いやすい製品を求めています。そのため当社のスマートフォンは、より良いUI(ユーザーインタフェース)や優れたユーザー体験を提供することを最終目標として開発を行っています。美しく、しかも簡単に使えるシンプルなUIの提供を目指しているのです。Visionに搭載した3D UIはその一例です。また新しく始めるクラウドサービスと連携したUIも考えています。

―― タブレットは現在7インチサイズの製品を発表しましたが、これが最適と判断されたのでしょうか。あるいは他のサイズは検討されているのでしょうか。

シュ氏 消費者のニーズがあれば、もちろん他のサイズの製品も市場に投入するつもりです。現在、すでに10インチモデルの開発も行っている最中です。

―― 最近はソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の利用が活発になっており、各社のスマートフォンにもSNS関連のサービスや機能を強化したものが出てきています。御社の製品のSNS対応はどのようになっているのでしょうか。

シュ氏 新発表したVisionは多くのSNSサービスに対応しています。当社の製品やサービスを通して消費者が満足できる体験を提供できること、これが当社の製品開発の基本にもなっているのです。そのため、我々はコンテンツそのものや、SNSサービスを開発する予定はありません。SNSを使いやすくする機能、例えばワンプッシュでSNSに発言できるボタンをつけたり、各社のSNSを一度に閲覧できる統合アプリを提供するなど、消費者の方々が使いやすい製品を提供していきたいと考えています。

―― 最後に、ライバルと考えているメーカーはありますか?

シュ氏 ライバルと考えているのは、ずばり我々自身です。我々は製品開発に妥協せず、消費者のニーズに応える製品を開発することを常に考えています。それが結果として、当社の製品競争力を高めてくれると考えています。

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