Huaweiが8月3日、Android搭載スマートフォンの新モデル「Vision」を発表した。VisionはOSにAndroid 2.3を採用、アルミを用いたユニボディを用いて高級感をアピールするほか、UI(ユーザーインタフェース)もカスタマイズしている。Huaweiのスマートフォンは「IDEOS」がおなじみだったが、今回のモデルで新しい商品群が加わったことになる。同社が中国・北京で8月3日に開催した新サービスと新モデルの発表会で短時間ながらVisionの実機に触れたので、写真と動画でリポートしよう。
本体のサイズは約60(幅)×120(高さ)×約9.9(最薄部)ミリ。Visionではボディ裏面にはアルミを採用しながら薄型軽量ボディを実現している。発表会で同時に披露されたAndroid 3.2タブレット「MediaPad」も裏面は“砂時計”をモチーフにアルミを採用しており、Visionと同じテイストが感じられる。ボディカラーはsilver、rose gold、charcoalの3色。ディスプレイは3.7インチ液晶を搭載する。カメラのスペックはフォトライト対応の5メガピクセルで、HDサイズ(720p)の動画撮影も可能だ。
チップセットはQualcommのSnapdragon「MSM8255」(1GHz)を採用。小型ボディながら比較的容量の大きい1400mAhのバッテリーを搭載するが、リアカバー全体を取り外すことはできず、バッテリーは交換できない仕様になっている。MediaPadと同じく、裏面下部のカバーを外すとSIMスロットとmicroSDスロットが現れる。メモリはROMが2Gバイト、RAMが512Mバイト。microSDHDは最大32Gバイトをサポートする。「Angry Birds」「Asphalt 6: Adrenaline」「Order & Chaos Online」「Guerrilla Bob HD」といったゲームアプリをプリインストールするほか、FMラジオも利用できる。


Xperia arc SO-01Cと比較するとサイズの小ささが分かる(写真=左)。メニュー、ホーム、戻る、検索の操作ができる4つのセンサーキーを搭載(写真=中)。下部のカバーを外すとSIMスロットとmicroSDスロットが現れる。展示機にはChina TelecomのSIMカードが装着されていた(写真=右)Visionのもう1つの特徴がUIだ。これまでHuaweiのAndroidデバイスではAndroid標準のUIを用いており、大きなカスタマイズは施していなかったが、VisionではHuawei独自の“回転3Dユーザーインタフェース”を採用している。ホーム画面下部にある中央のボタンを押すと、それぞれのページが3D表示され、左右にフリックするとくるくるページが回転するほか、タップしたページへ素早くジャンプできる。弧を描いているディスプレイ表面の形と相まって、心地よい操作感でタッチできる。日本向け製品ではPantech&Curitelの「SIRIUS α IS06」や富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製の「IS02」でも同様の3DUIを採用しているので、完全に新しいとは言い切れないが(参考記事1/2)、HuaweiがUIに手を入れ始めたことは大きな変化といえる。

ロック画面はAndroid標準のものと変わらない(写真=左)。OSは厳密にはAndroid 2.3.4。なお、中国ではAndroid マーケットを利用できないので、アプリを入手するにはHuaweiが提供するアプリマーケット「Hi Space」などを利用する必要がある(写真=右)このほか、Huaweiが同日に発表した(現時点では)中国向けのサービス「Cloud+」にも対応しており、最大160Gバイトのオンラインストレージ上に写真や音楽などの各種データを保存、端末を紛失した際に操作ロックやデータ削除するなどのサービスを無料で利用できる。
Visionは9月から中国を含む複数の地域で発売される予定。中国で販売する通信事業者は未定。中国以外の発売地域は説明されなかったが、小型化と高級感を実現したスマートフォンはあまり見られないこともあり、日本での登場も期待される。


Qualcommの1.2GHzデュアルコアCPUを装備(写真=左)。タブレットとしてはスリムかつ軽量な厚さ10.5ミリ、390グラムを実現(写真=中)。発表会では中国のSNSから投稿を受け付け、リアルタイムで公開。終盤には「期待MEDIAPAD」のつぶやきも見られた(写真=右)
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