ケータイの「待受画面」に相当するAndroidの「ホーム画面」は、すべてのアプリや機能の入り口であり、このUI(ユーザーインタフェース)が端末の使いやすさに直結すると言っても過言ではない。ホーム画面にはAndroid OSの素の状態に近いものと、メーカーが独自にカスタマイズを施したものがあり、使い勝手は機種によって異なる。そこで、今回は2010年冬モデルに「Xperia(SO-01B)」(Android 2.1)を加えた13機種と、ホーム画面を変更できるアプリ「LauncherPro」「ADW.Launcher」を加えた15種類のホーム画面とメニュー画面の違いをまとめた。端末については、いずれも初期状態のホーム画面を検証した。
上段左からNTTドコモの「GALAXY S」「GALAXY Tab」「LYNX 3D SH-03C」「REGZA Phone T-01C」、auの「IS03」「SIRIUS α IS06」、下段左からソフトバンクの「DELL Streak 001DL」「HTC Desire HD 001HT」「GALAPAGOS 003SH」「Libero 003Z」、イー・モバイルの「HTC Aria」「Pocket WiFi S」Android端末のホーム画面には複数のページが用意されており、よく使うアプリのショートカットやウィジェットなどを設置できる。いずれの機種も左右にフリックするとページが切り替わる。アプリ一覧のみが表示されるiPhoneに比べると、Androidの方がカスタマイズの自由度は高い。今回取り上げた13機種では、Xperiaと「Libero 003Z」「Pocket WiFi S」がAndroidの標準的なものに近いホームUIを採用しており、他の機種には独自色の強いUIが使われている。
ホーム画面上で利用できるページ数は5〜10ページで、この中では「IS03」と「GALAPAGOS 003SH」の10ページが最も多い。複数のページを使う際に重要なのが、各ページへいかに素早く移動できるか。もちろん左右にフリックした際の動きも重要だが、ページのサムネイル表示や、ワンタッチで2ページ以上離れたページにジャンプできれば、さらに快適に使える。サムネイル表示は、「REGZA Phone T-01C」、IS03、「DELL Streak 001DL」を除く機種とアプリで可能。
「GALAXY S」「GALAXY Tab」「HTC Desire HD 001HT」、003SHでは、サムネイル表示したページをドラッグ&ドロップすることで、ページを入れ替えることもできる。ホーム画面を使っていくうちに「やっぱり後ろのページの方がよく使う」といったこともあるので、より柔軟な設定が可能になる。
サムネイルよりも、高速で目当てのページに移動する方法がある。GALAXY S、GALAXY Tab、T-01C、001DL、003SHは画面上または下のアイコンをタップすると、瞬時に目当てのページへジャンプする。GALAXY SとGALAXY Tabなら画面上部の(ページを示す)丸いアイコン、T-01C、001DL、003SHは画面下部に触れたときに表れるサムネイルやアイコンをタップすると、目当てのページに切り替わる。7ページ目から1ページ目など、離れたページに移りたいときに便利だ。



GALAXY Sでは画面上部に丸いアイコンをタップすると、そのページへ瞬時に移動する(写真=左端)。T-01Cでは画面下部をタップして表示されるアイコンに触れると、そのページへ移動するが、スクロールがやや遅い(写真=左中)。001DLも画面下部のショートカットアイコンに触れてページを切り替える(写真=右中)。003SHでは画面下部をタップして表示されるページのサムネイルに触れると移動できる(写真=右端)ホームキーを押したときの挙動については、中央のページや左から3つ目のページに戻る機種が多く、これらのページが“デフォルト”として設定されている。デフォルトのページが中央にあると、そこからフリック1回で移動できるページが左右に2つあるので、中央とその左右の計3ページに、よく使うショートカットやウィジェットを設置しておくといいだろう。一方、GALAXY SとGALAXY Tabは左端のページがデフォルトとなっているので、ホームキーを押すと左端に戻る。これだとワンフリックで右側のページにしか移動できないので、使い勝手ではややマイナスといえる。
どのページに移動しても表示される固定アイコンを変更できるのは、GALAXY S、GALAXY Tab、「LYNX 3D SH-03C」、003SH、LauncherPro、ADW.Launcher。初期状態では電話、ブラウザ、メールなどが固定アイコンに設定されている機種が多いが、それらが必ずしもよく使う機能とは限らないので、ここはカスタマイズできる方が親切だ。


GALAXY Sはメニュー画面のサブメニューから「編集」を選ぶと、アプリや固定アイコンの並べ替えができる(写真=左)。003SHはショートカットのドラッグ&ドロップで固定アイコンも変更可能(写真=中)。LauncherProでは5個×3列の固定アイコンを設置でき、左右にフリックすると列が切り替わる。アイコンの画像も変更可能だ(写真=右)

ADW.Launcherのホーム画面でアプリアイコンを長押しすると、ゴミ箱へ直接ドロップしてショートカットを消せるほか、アンインストールやアイコン名と画像の変更もできる(写真=左、中)。MENU→「編集」から、特定ページを削除したり前後のページを入れ替えたりできる(写真=右)| 最大ページ数 | サムネイル表示 | 目当てのページに高速移動(サムネイルを除く) | ページの入れ替え | ホームキー押下後の反応 | 固定アイコンの変更 | 動作速度 | 内蔵壁紙 | 内蔵ライブ壁紙 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| GALAXY S | 7ページ | ○ | ○ | ○ | 左端のページに戻る | ○ | ◎ | 13種類 | 10種類 |
| GALAXY Tab | 9ページ | ○ | ○ | ○ | 左端のページに戻る | ○ | ◎ | 6種類 | 11種類 |
| LYNX 3D SH-03C | 5ページ | ○ | − | − | 中央のページに戻る | ○ | ◎ | 11種類 | 13種類 |
| REGZA Phone T-01C | 9ページ | − | ○ | ○ | 中央のページに戻る | − | △ | 14種類 | 11種類 |
| IS03 | 10ページ | − | − | − | ページは切り替わらず | ○ | △ | 18種類 | 14種類 |
| SIRIUS α IS06 | 7ページ | ○ | − | − | 中央のページに戻る | − | ○ | 31種類 | 11種類 |
| DELL Streak 001DL | 7ページ | − | ○ | − | 中央のページに戻る | − | ○ | 32種類 | 11種類 |
| HTC Desire HD 001HT | 7ページ | ○ | − | ○ | 中央のページに戻る | − | ◎ | 19種類 | 13種類 |
| GALAPAGOS 003SH | 10ページ | ○ | ○ | ○ | 左から3つ目のページに戻る | ○ | ◎ | 12種類 | 9種類 |
| Libero 003Z | 5ページ | ○ | − | − | 中央のページに戻る | − | ○ | 26種類 | 11種類 |
| HTC Aria | 7ページ | ○ | − | − | 中央のページに戻る | − | ◎ | 23種類 | 12種類 |
| Pocket WiFi S | 5ページ | ○ | − | − | 中央のページに戻る | − | ○ | 19種類 | 9種類 |
| Xperia SO-01B | 5ページ | ○ | − | − | 中央のページに戻る | − | ○ | 18種類 | 10種類 |
| LauncherPro | 7ページ | ○ | − | − | サムネイル表示など | ○ | − | 2種類 | − |
| ADW.Launcher | 7ページ | ○ | − | ○ | サムネイル表示など | ○ | − | 1種類 | − |
上記表にもある動作速度はあくまで筆者の体感的なものだが、この中ではGALAXY S、GALAXY Tab、SH-03C、001HT、003SH、「HTC Aria」が特に軽快に動くと感じた。なお、LauncherProとADW.Launcherについては端末によって動作速度が異なるので、動作速度の評価は割愛する。ただ、IS03でこれら2つのホーム画面を設定したところ、初期状態のホーム画面よりもスムーズに動いたので、操作性は良好といえる。ホーム画面の動作速度については、以下の動画記事も参考にしてほしい。
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