各モデル独自のUIについてもいくつかピックアップしよう。
NX!UIを搭載するT-01Cでは、あらかじめ用意された16種類の「パレット」を設定できるのが特徴だ。このパレットには「よく見るWebサイト」「よく使うアプリ」「スターメモ」「カレンダー」「電卓」「ツイート」などがあり、1ページ全体を使って1つのパレットを設定する。したがってパレットを設定したページに他のショートカットやウィジェットを置くことはできない。ショートカットやウィジェットを利用したいときは「マイパレット」を作成する必要がある。アプリのショートカットをたくさん置きたい人にはあまり向かないだろうが、パレットとマイパレットをうまく使い分ければ、より柔軟にカスタマイズできるだろう。
T-01Cのホーム画面の設定はサブメニューの「ホーム画面設定」にアクセスし、専用の画面からパレットまたはマイパレットを選択して行う。筆者がホーム画面を長押ししてショートカットやウィジェットを設置する操作に慣れていたせいもあるが、初めて使う際にどう操作していいか分からず戸惑った。ともあれ、1度操作を覚えれば問題なく設定できるだろう。



電卓パレットでは、電卓が丸々1ページ分表示される(写真=左端)。サブメニューの「ホーム画面設定」からパレットの追加や入れ替えなどができる。ホーム画面のサムネイルが下に出る。上のパレットをドラッグ&ドロップすることでホーム画面に追加できる(写真=左中、右中)。ショートカットやウィジェットを自由に配置できるまっさらなパレットを追加したいときは「マイパレット新規追加」を選ぶ(写真=右端)IS06は、KDDIがいち早く投入したAndroid 2.2搭載機で、IS03やIS04などに比べるとauの対応サービスも少ない。UIも大きくカスタマイズされていないと予想していたが、Pantech&Curitel独自の工夫が施されている。まず、ありそうであまりない機能がホーム画面の「整列」。ショートカットやウィジェットが乱雑に設置されていても、整列をすれば無駄な隙間なく並び替えられる。カレンダーやボイスレコーダーなどの3Dウィジェットもグラフィカルで使いやすい。メニュー画面は一見するとオーソドックスなタイプだが、名前順にアプリを並び替えたり、メニュー画面上でアプリを削除できるなど、カスタマイズの幅は広い。
機種ごとの差がほとんどない「設定」についても、「着信音/バイブ」「音量」「ディスプレイ」「サウンド」「通話モード」「システム」という基本的な6項目が大きなアイコンとともに第1階層に表示されるので、初心者でも使いやすい。IS03やIS04の陰に隠れがちだが、洗練されたUIや機敏な動作速度を含め、IS06はauのAndroid端末の中でも一歩進んだ操作性を実現していると思う。



IS06には独自の3Dウィジェットを用意し、ボイスレコーダー、カレンダー、フォトフレームを利用できる(写真=左端、左中)。カレンダーでは、当日の日付が表示されたアイコンをタップすると、1カ月分のカレンダーが拡大表示する(写真=右中、右端)


サブメニューから「整列」を押すと、乱雑に並べられたショートカットやウィジェットが整列する(写真=左端、左中)。「設定」の第1階層には6つの大きな項目がアイコンで並ぶ(写真=右中)。第2階層以降の項目も見やすい(写真=右端)001DLはオリジナルの「Stage Widgets」を搭載しており、通常のウィジェットとは別に、「Eメール」「SNS」「Web」「ギャラリー」「ホーム」「ミュージック」「連絡先」の7つのウィジェットを利用できる。これらのウィジェットはT-01Cと同じく1画面を使うものだが、設定はホーム画面を長押しして「Stage Widgets」を選べばよいので、T-01Cよりもシンプルな印象だ。
SH-03C、IS03、003SHはシャープ製のモデルだが、UIは異なる。IS03はauオリジナルとなるOcean Observations製のUIを採用しており、横スクロールするカード型のメニューにより違和感なく使える。ただ、こちらのレビュー記事でも触れているが、ページの切り替えやアプリのショートカット移動などの反応が鈍く、サクサク使えるとは言い難い。アップデートによる改善に期待したい。
SH-03CはAndroidの素のUIに比較的近いが、メニュー画面は独自色が強い。メニュー画面でアプリアイコンを長押しすると、まずメニュー内での並び替えが可能になり、メニュー画面の上部へ移動すると、ホーム画面にショートカットが設置可能になる。通常はアプリアイコンを長押しするとホーム画面に切り替わるので、ここは便利な仕様だ。
003SHのUIは一見するとSH-03Cと同じように見えるが、ホーム画面とメニュー画面のサムネイル表示、他のページへの高速移動、ページの入れ替えなど、003SHならではの工夫が多い。
001HTとHTC Ariaは、テーマごとに複数のホーム画面を使い分けられる「HTC Sense」を採用しているのが特徴だ。例えば3種類のテーマを使う場合、7ページ×3テーマの計21ページを使えることになる。同一メーカー製のモデルなので基本的な使い勝手は同じだが、細かい部分で違いもある。2機種ともホーム画面上でピンチイン操作をすると、各ページのサムネイルが表示されるが、001HTはこのサムネイル画面からページの入れ替えができ、HTC Ariaはできない。ステータス画面に起動中のアプリ表示、メニュー画面でアプリの並び替え、各種設定項目をまとめた「個人設定」を利用できるのも001HTのみだ。



左端が001HT、左中がHTC Ariaのホーム画面のサブメニュー。HTC Ariaの「シーン」「ホームに追加」の代わりに、001HTには「個人設定」「着信音」があり、設定関連の項目が豊富だ。「個人設定」では、シーン、壁紙、着信音、アラームなどあらゆる設定ができる(写真=右中)。シーンごとに異なるホーム画面を利用できる(写真=右端)


地味ながら便利なのが、001HTの壁紙プレビュー表示。実際に壁紙がホーム画面に設定された状態を確認できる(写真=左端)。001HTとHTC Ariaでは、メニュー画面からアプリの共有(メール送信やツイート)ができる(写真=左中、右中、右端)
001HTやHTC Ariaでは、ショートカットやウィジェットを設置する際に、設置スペースのあるところだけが明るく表示される(写真=左)。001HTにはケータイやスマートフォンでは珍しい「再起動」の項目がある(写真=右)LauncherProとADW.Launcherは、ホーム画面に設置できるショートカットの数(列と行)、ホームキーを押したときの挙動、ステータスバーの表示/非表示など、より細かくカスタマイズできるのが利点だ。特に重宝するのがショートカット数の変更だろう。各モデルのデフォルトのホーム画面では、ショートカットの設置数を変更することはできないので、1画面を効率よく使いたい人には便利な仕様だ。



LauncherProとADW.Launcherはホーム画面に設置できるアプリ数を増やせる。LauncherProは「Preference」→「Appearance Settings」→「Hide icon labels」、ADW.Launcherは「ADW設定」→「スクリーン設定」→「アイコンラベルを隠す」からアプリ名を非表示にすれば、見た目が煩雑にならずに済む。写真左端と左中はADW.Launcher。LauncherProには特定のアプリを非表示にする設定もある(写真=右中、右端)。以上、13機種と2アプリのホーム画面を比較してみたが、総合的に見て最も使いやすいのは003SHだと感じた。ホームとメニュー画面いずれも、目当てのページやアプリにたどり着くまでの仕掛けが充実しており、アプリを多数保存しているユーザーほど便利さを実感できるだろう。“ただの一覧”になりがちなメニュー画面にページ名設定、サムネイル表示、条件別並び替えなど豊富な設定を用意したのも隙がない。003SHのUIといえばTapFlow UIが注目されがちだが、ホームUIの完成度も非常に高いといえる。
GALAXY S、IS06、001HTも工夫されたUIとスムーズな動作を実現していて使いやすい。たくさんのアプリを少ないページで使いたければ、アプリの設置数を増やせるLauncherProやADW.Launcherもお勧めだ。
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