スペックよりも体験、マジョリティ層も狙う――HTCスマートフォンの向かう先「HTC One」の日本登場は?(2/2 ページ)

» 2012年03月27日 22時30分 公開
[田中聡,ITmedia]
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日本でスマホの“雪崩現象”が起きる

 HTC Oneシリーズは世界140以上の通信事業者からの発売を予定している。欧州とアジアでは予約が開始されたが、発売時期は未定。日本での発売も「未定」とのことで、KDDI向けモデルがHTC Oneシリーズをベースにしたものか否かも言及されなかった。日本のスマートフォン市場について村井氏は「まだピーク値に至っていない。2011年まではApple(iPhone)を中心にイノベーター層がメインの顧客層だった」とみる。しかし「2012年はフィーチャーフォンの多くのお客さんが初めてスマートフォンに乗り替えるタイミング。今年から来年にかけて、(スマートフォン移行の)雪崩現象が起きるのではないか。10代や主婦層などの女性を含めて、多くのユーザーに顧客層のメインが移っていくので、今までの商品作りの考え方から脱皮する必要がある。イノベーターだけでなくマジョリティも狙っていく」と話し、従来よりも商品の幅を広げる考えを示した。

 KDDI向けに日本カスタマイズしたスマートフォンを投入するのも、こうした市場の動向を考慮してのこと。「(スマートフォンを投入する)地域が増えていくごとに、それぞれの地域で必要な機能はグローバルのプラットフォームに入れ込んでいるので、後はタイミングの問題。対応周波数帯など基本的な仕様を統一すればサポートしやすくなるので、そういう方向で考えている」と小寺氏は話す。そうと考えると、今回披露されたHTC OneシリーズはFeliCaや赤外線通信などの日本向け機能はもちろん搭載していないが、“機が熟した”日本でHTC Oneベースのモデルが登場する可能性は高いと言える。「ワクワク、ドキドキする快感をもたらしたい。クチコミでじわじわと広がって、HTCのスマートフォンは使いやすいという評判を得るのが理想だと思っている」と話す村井氏。日本向け商品ではどんなワクワク感を与えてくれるのか、期待したい。

写真で見るHTC One S

photophoto アルミの層にセラミック加工を施した「HTC One S」。ディスプレイ下には戻る/ホーム/タスクキー(センサー型)がある
photophoto 裏面上部のカバーを取り外せる。内側にはmicroSIM用のスロットがある。ボディカラーによって内側の色が異なるのも面白い
photophotophotophoto ホーム画面のUIはHTC Sense 3.0から大きくは変わっておらず、Android 4.0をそれほど意識せずに操作できる(写真=左端)。プリインストールアプリの一部(写真=左中、右中)。サブメニューは右上のアイコンから呼び出す。ここではアプリを並び替えたり、アプリ管理画面にアクセスしたりできる(写真=右端)
photophotophotophoto ステータス画面の「設定」から、機内モード、Wi-Fi、Bluetoothなどの設定ができる(写真=左端、左中)。右下のタスクキーを押すと、最近使ったアプリがサムネイルで表示される(写真=右中)。ホーム画面のページは3D風に切り替わる(写真=右端)
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