ソフトバンクモバイルは9月21日、同社がキャリアショップの旗艦店と位置付ける東京・銀座のソフトバンク銀座で「iPhone 5」の発売記念セレモニーを開催した。
イベントにはソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏のほか、ゲストとして女優の上戸彩さんも登場。新型iPhoneの契約を待ちわびる行列客とともに、販売開始の午前8時をカウントダウンで迎えた。
同店の行列で先頭となったのは、17日の昼過ぎから並んでいたという茨城県の男性。iPhone 3G/3GS/4G/4Sと歴代のソフトバンク版iPhoneを使ってきたそうで、上戸さんから購入したiPhone 5を受け取ると「並んだかいがありました。テンションが上がっています。iPhone 5は軽いし、びっくりするくらい速い。握った感じは4Sと変わらず、薄くなって持ちやすくなりました」とコメント。孫社長からは「月曜日から並ぶなんて本当にすごい。5のサクっと来る感じに慣れると、もう(4Sには)戻れないよ。友達にもどんどん自慢してね」と声をかけられていた。
孫氏はiPhone 5について「薄い、速い、軽い。そしてパノラマカメラがびっくりするくらいきれい。そして簡単に撮影できる。撮影したエリアはすべてが拡大できて、拡大しても非常にきれい。使ってみると、心から叫ぶくらい感動する。こうした感動を与えてくれるのがAppleの凄いところで、スティーブ(・ジョブス)のDNAがちゃんと残っている」と興奮気味に話すと、何かと話題のマップアプリについても言及。「えー、あのマップもね。日本のデータをこれからいろいろ入れて欲しいと思います(笑)。と思いますが、使ってみるとやっぱり感動します。それと(マップは)Yahooともデータをいっぱい連携してますから」と、今後のアップデートに期待を寄せた。
また、「画面のサイズが大きくなったが、今までのアプリも違和感なく使える。部品のスペックを高めるだけでなく、ユーザーが本当に使いやすいものを作る。その神髄を究めたものだ。LTEについては、他社(KDDI)よりも先にiPhone 5用として黙々と準備を進めてきた。その結果、LTE基地局の免許を他社の2.4倍取っている。LTEの電波さえつかめば“サクッ”と来る。一度使うともう戻れない」と話した。
EXILEのHIROさんとの結婚後、初の公の場となる上戸さんは「こんなに回線が速くなるものか――ということを実感しました。4分の動画が一瞬にして届きましたからね。(iPhone 5を購入するかという質問に対し)もちろん買いますよ」と即答。孫氏が「ちゃんとプレゼントします」というと、「そんな申し訳ないです。じゃあ2台下さい(笑)」と、新妻らしくしっかりした面(?)ものぞかせていた。
国内でiPhone 5を取り扱うのは、iPhone 4Sと同じくソフトバンクモバイルとKDDI(au)の2社。Appleが12日(現地時間)にiPhone 5を発表した後、2社は相次いで国内での販売を表明したが、気になる端末販売価格や料金プランは予約開始後に発表される異例の展開となった。2社とも端末価格や基本料金はほぼ同じだが、諸条件ごとに適用される割り引きやキャンペーンの違いで差別化を図る。
特にソフトバンクは、以前発売したiPhoneの下取りサービスや、機種変したiPhoneを家族が再契約する際にパケット料金を大幅に割り引くなど、これまでにない施策を打ち出している。
また、iPhone 5が次世代高速通信のLTE(FDD)に対応していることから、2社ともLTEサービスを予定より前倒して導入。KDDIがLTEでのテザリング提供をする一方で、ソフトバンクは当初、テザリングに対応しないと説明していた。しかし、ユーザーからの要望や反響が大きく、一転して解禁を発表して足並みをそろえる事態となった。
そのLTEサービスを支える基地局の数やカバーエリアについても、お互いが自社の優位性を打ち出しており、従来から続く通信の品質競争もiPhone 5発売でさらに激しくなりそうだ。
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