Apple、「iOS 7」を発表――2013年秋にリリース

» 2013年06月11日 06時56分 公開
[田中聡,ITmedia]

 Appleが6月10日(現地時間)、米サンフランシスコで開催中の「WWDC2013」にて、iOSデバイス向けの新しいOS「iOS 7」を発表した。

 iOS史上最も大きな変化をもたらしたというiOS 7では、従来からの直感的な操作性は維持しつつ、簡単かつ便利に、そして楽しく使ってもらうことに注力したという。iOS 7の対応機種は、iPhone 4、iPhone 4S、iPhone 5、iPod touch(第5世代)、iPad 2、iPad Retinaディスプレイモデル、iPad mini。iOS 7は、開発者向けには同日にβ版が配布され、一般ユーザー向けには2013年秋にリリースされる予定。

photo iOS 7では、アプリアイコンのデザインも一新されている
photophoto 左から、iOS 7のメール、天気、メッセージアプリ(写真=左)。左から、ロック画面、ホーム画面、後述するコントロールセンター(写真=右)

 以下、iOS 7で追加された機能や、拡張された機能を紹介する。

コントロールセンター:設定やアプリのショートカットを用意

photo

 画面下部から上方向にスワイプをすると、「コントロールセンター」と呼ばれる設定が表示される。ここでは機内モード、Wi-Fi、Bluetooth、画面回転などの設定がワンタッチで行えるほか、ディスプレイの明るさ変更もできる。音楽再生パネルやAir Play、新機能の「Air Drop」もここから利用可能。懐中電灯、タイマー、カメラ、電卓などのショートカットも用意されている。

通知センター:当日の予定がチェックしやすく

 「today」「all」「missed」といった3種類のタブが用意され、当日の予定や、24時間以内に見逃した情報などをチェックできる。新着メール、予定、天気、招待状、株価などを表示できるほか、ロック画面からも通知センターを呼び出せるようになった。

photo

マルチタスク:“いつアプリを使うか”を学習してくれる

photo

 ホームボタンを2回押すと最近使用したアプリを表示する、「マルチタスク」機能が拡張される。従来は画面下部にアプリアイコンが一覧表示されていたが、iOS 7ではアプリ画面のサムネイルも表示されるほか、サムネイルをスワイプするだけでアプリが終了する。iOS 4以降、音楽アプリなど一部のアプリしかバックグラウンドで動作しなかったが、iOS 7ではすべてのアプリがバックグラウンド動作に対応するという。さらに、iOS 7は「ユーザーがどの時間帯にどのアプリを使うのか」を学習し、例えば午前9時にSNSをよくチェックするのであれば、午前9時にそのSNSアプリを起動すると、最新のフィードが表示された状態となる。バックグラウンドでの動作はOS側が制御し、バッテリー消費を抑えるという。

カメラ:フィルターをかけられる

 カメラでは静止画、動画、パノラマ写真を撮影できる。静止画カメラでは、正方形の写真も撮影できるようになった。静止画には色味を変えられるフィルターをかけられる。

photo
photo

写真:撮影年やイベントごとに管理できる

 これまでの写真アプリは、アルバムごとに写真がずらっと並ぶタイプ。1つのアルバムに大量の写真が保存されていると、ひたすらスクロールして探す必要があった。iOS 7では、撮影年やイベントごとに写真をまとめる機能が追加され、目当ての写真を探しやすくなった。イベントでは、撮影場所を検知して1つのイベントとして整理してくれる。また、iCloudやフォトストリームに保存された写真の共有もできる。

photo

Air Drop:ファイルを手軽に共有できる

 Wi-FiやBluetoothを介してファイルを共有する新機能。任意のファイルを選んで「共有」ボタンをタップし、データを送信したい人を選べばよい(iOS 7デバイスのユーザーが表示される)。複数のユーザーにデータを送信することも可能だ。データは暗号化されて送られる。対応機種はiPhone 5や第4世代iPadなど(iPhone 4やiPhone 4Sでは利用できない)。

photo

Safari:より見やすく進化

 ブラウザアプリ「Safari」もiOS 7で拡張される。まず、画面下部の戻る/進む、ブックマークなどのボタンは、スクロール中は表示されなくなり、その分、Webサイトを表示できる領域が増した。タブは従来は8つまでだったが、iOS 7では無制限に利用できるようになる。タブのサムネイルは上下にスクロールするタイプに変更され、不要なタブはスワイプすれば消去する。オフラインでも閲覧できる「リーディングリスト」に加え、Twitterのタイムラインで紹介されているURLの一覧表示にも対応した。

photo

iTunes Radio:現在は米国でのみ展開

 ストリーミングラジオ「iTunes Radio」もiOS 7で採用された新機能だ。200以上のジャンルからなるステーション(局)が用意されており、iPhone、iPad、iPod touch、Mac、PC、Apple TVで聴取できる。ステーションはユーザーも作成できる。過去に視聴した履歴や、ウィッシュリストに登録した楽曲リストから、iTunesにアクセスしてその曲を購入することも可能。まずは米国で提供するが、日本で提供されるかは不明。

photo

Siri:より賢く質問に答えてくれる

 音声エージェント機能の「Siri」も拡張される。これまでは女性の音声しか用意されていなかったが、iOS 7では男性の音声も用意されるほか、発話のパターンもより自然になるという。質問されると、Bing、Wikipedia、Twitterを参考にするようになり、回答のバリエーションが増す。Siriのアクションも増え、折り返しの電話発信やボイスメールの送信、留守番電話の再生、Bluetooth接続、ディスプレイの明るさ調整なども行える。

photo

App Store:アプリの自動アップデートが可能に

 App Storeの新しいカテゴリーとして、子ども向けのアプリを集めた「Kids」を追加。現在地の近くで人気のあるアプリも表示できるようになり、例えば美術館やショッピングモールを訪れたときにApp Storeで検索をすると、美術館やショッピングモールで人気のアプリを調べられる。このほか、アプリは自動でアップデートされるようになる。

photo

Find My iPhone:アクティベートできるのは自分だけ

 紛失してしまったiPhoneを遠隔操作でロックして、データを消去できる「Find My iPhone」。iOS 7では、データを消去した後でも、所有者のApple IDとパスワードを入力しないとアクティベートできなくなる。

photo

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年