ウィルコムは7月4日、新商品/サービス発表会を行い、同社代表取締役社長の宮内謙氏が登壇した。また、質疑応答では同社執行役員マーケティング本部長の寺尾洋幸氏も登場し、新CMに出演したスペシャルゲストとして、高田純次さんと佐々木希さんが応援に駆け付けた。
ウィルコムは7月1日に更正手続きを完了し、ソフトバンクの連結子会社となっているが、当初6年かかるとしていた再建計画を前倒しで完了したことについて「契約者数が2011年1月から順調に増え続け、累計加入者数は6月末時点で549万人に達し、経営的に安定している」と宮内氏は説明した。その背景にあるのは、「他社を圧倒する料金満足度の高さ」(宮内氏)だと言う。
ウィルコムの主な料金プランはPHS同士の通話料を無料としており、さらに他社端末への通話も10分以内なら500回まで980円の定額で利用できる「だれとでも定額」が人気だ。その加入者は2013年6月末時点で270万人に達した。「ローコストで価値あるサービスを提供していることが大きな成功要因」であると宮内氏は説明する。「もうPHSは終わりではないか、将来はない、成功に見えてもそれは一時的なものだ、などこれまでいろいろな意見を聞いてきた。だが、例えば航空業界では世界的にLCC(ローコストキャリア)は利益率が高く、元気がある。移動体通信事業でも大きなニッチがあるはずなので、ウィルコムはそこを狙う」(宮内氏)と続けた。
だれとでも定額を導入してから契約者数が連続純増となっているウィルコムは、他社のスマートフォンでも“だれ定”が利用できる「だれでも定額パス」(WX01TJ)を7月下旬に発売する。
本製品はクレジットカードサイズのPHSアダプターで、宮内氏も実際に手に持ちながらそのコンパクトさをアピールしていた。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルのAndroidスマートフォンに、専用の通話アプリをインストールしてBluetoothでWX01TJと接続すると、ウィルコムの通信網で“だれ定”通話が使える仕様だ。「音声通話をよく使う人は、月額5000円〜6000円は通話料がかかる。それが4分の1ほどになる」と、“大きなニッチ”の需要を見込んでいる。会場の説明員によると、「Bluetoothの仕様の関係で、現時点ではiOS端末に対応する予定はない」という。
固定回線と接続可能で、固定電話機のような見た目のPHS端末「イエデンワ2」と、迷惑電話を判別する固定電話機向け端末「迷惑電話チェッカー WX07A」も登場した。イエデンワ2は3月に発表されたあと発売が延期になっていたが、7月下旬の発売予定が改めてアナウンスされた。迷惑電話チェッカーは7月4日から発売する。
「気軽に通話を楽しんでもらいたい」がモットーのウィルコムが、被害の多い迷惑電話の対策を講じるために開発したのが、迷惑電話チェッカーだ。宮内氏が「ソーシャルで迷惑電話をシャットアウトする」と言うように、着信時に端末の「拒否」ボタンを押すと、迷惑電話のリスト情報がトビラシステムズのサーバーに蓄積され、それらをユーザー同士で共有できる。迷惑電話と判断した番号からの着信には端末が赤く光り、警告する。料金プランは、3年契約で基本使用料が月額210円、オプション料が月額490円かかる。契約事務手数料は無料だ。ウィルコムのケータイ利用と併用すると、月額490円のオプション料のみで利用できる。また、西東京市では端末を無料で配布し、60歳以上の高齢者が住む家庭1000世帯で実証実験を行う。
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