ソフトバンクが電源関連の新サービスを立ち上げ――「ユビ電」の可能性を香川県豊島で探る石川温のスマホ業界新聞

» 2013年07月26日 12時41分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 香川県小豆郡土庄町、ソフトバンクモバイル、ベネッセホールディングス、電気自動車普及協議会は、豊島の観光資源の価値向上を目的として、「豊島モビリティ協議会」を設立。豊島で、超小型モビリティを活用した実証実験を実施している。

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 豊島とは香川県高松から船で1時間ほどの瀬戸内海にある島だ。現在、瀬戸内国際芸術祭が開催されており、多くの観光客で賑わっている。

 豊島モビリティ協議会では、日産の2人乗り超小型モビリティ「ニュー・モビリティ・コンセプト」を6台用意し、レンタカーとして貸し出す実証実験を実施。ソフトバンクモバイルは新規事業提案制度「ソフトバンクイノベンチャー」から生まれた「ユビ電」というサービスを展開している。

 この「ユビ電」、「ユビキタス+電気」から来ており、電気自動車のプラグを差すだけで、クルマと充電スタンドを認証し、どれくらいの電気を充電したか、といった情報をサーバで管理できるようになっている。専用アプリを開けば、どこでどれだけ充電したか、というのがわかる。

 クルマには、認証するための小さなユニットが内蔵されており、ここから流れる微電流が、電源ケーブルから伝わり、充電ユニットに流れるという仕組みだ。開発中であるため、具体的な技術詳細は教えてもらえなかったが、「既存の電気自動車にも簡単に装着できる」(山口典男ユビ電事業企画室長)ということだ。

 電気自動車を認証できるようになれば、有料の充電サービスも手軽に開始することが可能だ。充電スタンドに決済機能を載せなくても、通信機能さえあれば、有料の充電サービスができるとので、観光地の駐車場や人が常時管理するのが難しい場所でも有料サービスが可能になる。

 「ユビ電」が狙っているのは単に電気自動車向けだけでなく、スマートフォン向けのサービスも視野に入れる。

 通常、スマホを街中で充電しようと思ったら、人目を盗んでこそっとコンセントから電気を盗むか、喫茶店などで自由に使えるコンセントに指す、といったのが一般的だ。

 しかし、喫茶店側からすれば、サービスの一環でコンセントを貸し出すものの、充電したいからと何時間も客に居座られると、それだけで機会損失につながってしまう。喫茶店とすれば、充電でお金を取れるなら取りたいし、充電時間を制限できるものならば「30分間だけ」という制限時間を設けたいはずだ。

 「ユビ電」では、充電という行為に「認証作業」をつけたのが大きな特長だ。店舗のコンセントにユビ電ユニットを接続し、そこから充電できるようにする。

 スマホであれば、NFCなどを活用し、スマホをユニットで認証した上で、充電を行えるようにするのだ。山口室長は「NFCと組み合わせ、おくだけ充電でユビ電を使えるようにもしていきたい」と語る。

 認証を組み合わせることで、1回あたり30分という制限をつけることができるし、30分は無料だが、30分以上は課金するといった仕組みも行える。 

 認証情報はサーバーで管理し、決済はオンライン上で行うを視野に入れているので、とても手軽だ。

 これまで出先で電源を使うことはちょっと負い目を感じてしまっていたが、正式なサービスとなれば、堂々と使うことができるだろう。

 現在、ユビ電は豊島での実証実験が始まったばかりに過ぎないが、今後、様々な広がりが期待できる。

 今回、超小型モビリティでの充電スタンドで実証実験が行われているが、電気自動車である超小型モビリティは、長距離を走行するというよりも、小さな島での島民の足として機能したり、観光客のためのレンタカーとして最適だ。山口室長は「ほかにも離島は数多くあり、関心は高い」という。

 当然、スマホ向けのソリューションであれば、カフェや喫茶店が多い都心部での相性がいい。

 実用化の時期はまだ未定だが、ひょっとすると数年中にはソフトバンクの「ユビ電」が街中にあふれるかも知れない。

© DWANGO Co., Ltd.

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