サムスン・Galaxy S7 edgeが初速2倍のペースで売り上げ好調――「ハートセブン」の愛称で女子向けアピールが成功石川温のスマホ業界新聞

» 2016年05月13日 10時00分 公開
[石川温]

 サムスン電子「Galaxy S7シリーズ」が絶好調のようだ。

 同社幹部によれば「前モデルS6シリーズの2倍のペースで売れている」といい、「すでにS6シリーズの販売実績を超えた」という話もあるようだ。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2016年5月7日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。


 GalaxyシリーズはS5でデザイン的に不評を買い、S6シリーズでは大胆なデザイン変更を施してきたものの、「外部メモリー非対応」「防水非対応」といったスペック面で手を抜いた部分があり、Galaxyユーザーからそっぽを向かれてしまっていた。

 サムスン電子としては「これ以上、失敗できない」というプレッシャーのなか、S7シリーズを開発。外部メモリーに対応し、防水性能も復活させ、さらにカメラでは「デュアルピクセル」を搭載。バッテリーも3600mAhという大容量を載せ、「欠点のないモデルに仕上げた」(サムスン電子幹部)ことで、人気が復活したようだ。

 これまでGalaxyといえば、「ハイエンドモデル」というイメージが強いだろう。過去には、最新スペックをいち早く搭載し、メモリなども充実。「最新のAndroidを安定して使える」という点に定評があった。しかし、OSが成熟し、ハードウェアスペックも違いが出にくくなることで、Galaxyとしての存在感も薄れつつあった。特に日本市場では、ソニー「Xperia」にブランド力で負け、後塵を拝した状態にある。

 そんななか、サムスン電子のお膝元である韓国では、これまでのハイエンド路線から脱却し、親しみのあるブランドに方向転換が図られている。

 街中にある体験ブースでは「S7」という表記の近くにハートマークを配し、「ハートセブン」として新製品をアピール。

 また、韓国では最近になってピンクの本体色が発売されたのだが、ピンクを前面に押し出した体験ブースを設けるなど、どちらかと言えば女子に向けたアピールに懸命になっているのだ。さらに体験ブースには、普段はモデルをしているイケメンを置き、まるで韓国ドラマを連想させるようなイケメンたちの接客で女子を魅了していたりする。

 よくよく考えると、最近はアップルが、セサミストリートのキャラクターであるクッキーモンスターを起用し、Siriの利用シーンを訴求するCMを本国・アメリカだけでなく、日本でも放映するようになった。

 アップルが、このようなキャラクターを起用したCMを流すというのはかなり異例なことといえるだろう。

 ここ最近、スマホ市場の伸び悩みが指摘されているが、メーカーとしてももはや機能やスペック訴求には限界を感じているのは間違いない。

 サムスンやアップルといったトップメーカーであっても、体験ブースでハートやイケメンで女子を魅了したり、子供番組のキャラクターに利用シーンを演じてもらうといった、これまでとは違う見せ方でスマホを売っていかなければいけないようだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  5. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  6. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  7. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  8. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  9. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  10. NTT系初の耳をふさがない集音器「cocoe Ear」発表 補聴器でない理由、AirPods Proとの違いは? (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー