グーグルがDayDreamプラットフォームを立ち上げ、VR普及に本腰――停滞していたスマホのスペック進化が再び加速するか:石川温のスマホ業界新聞

» 2016年05月27日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 グーグルの開発者向けイベント「Google I/O 2016」の取材に来ている。

 例年、アップルやマイクロソフトも開発者イベントを行う、サンフランシスコ市内にあるコンベンション施設「モスコーンセンター」で開催されていたが、今年はグーグル本社横の屋外イベント会場にて実施。屋外により、まるで音楽フェス(行ったことないけど)のような雰囲気で、技術セッションやデモなどが行われた。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2016年5月21日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。


 シリコンバレーは雨が降りにくい場所ではあるが、7000名が集まる巨大イベントを屋外で3日間、開催してしまうという、グーグルの大胆な試みには驚かされるばかりだ。

 さて、今回のGoogle I/O 2016で印象的だったものといえば、「VR」だろう。

 グーグルでは新たに「DayDream」というプラットフォームをつくり、スマホでVRを見られる環境を整備した。

 スマホでVRを楽しむには、センサー関連を強化し、頭の動きに機敏に反応し、できるだけ遅延のない映像表示にしなくてはならない。グーグルではDayDreamに対応したスマホをメーカーと共同開発すると発表。サムスン電子やHTC、ファーウェイ、ZTE、シャオミーといったメーカーが名乗りを上げた。

 また、グーグルではヘッドマウントデバイスとコントローラーも発表。スマホのNexusシリーズのように、グーグルがフラグシップとして、販売していく姿勢を明らかにした。

 一方、Google I/Oでもうひとつ盛り上がりを見せていたのが「Project Tango」だ。

 深度センサーや魚眼レンズ、モーションセンサーなどを使い、目の前の立体物を把握し、まるで人間の眼のように認識できる優れものだ。

 Project Tangoにより、例えば部屋に新しく家具を置く際、部屋を端末で写すと、スペースに見合った家具をオンラインサイトから探し出し、その場に置いてみて、どんな雰囲気かを確認するといったことができる。また、壁や階段なども認識できるため、デパートの屋内などで道案内をする、といったことも可能になるのだ。

 現在は開発者向けタブレットが販売されているが、6月にはレノボが製品版を発表し、夏にも発売になる見込みとなっている。

 面白いのが、VRとProject Tangoは同じ組織のなかで研究開発が進んでいるというのだ。グーグルと言えば、縦割り組織でお互いの交流がなさそうな雰囲気がある。さらに、もともとProject Tangoはグーグルの先端開発部門であるATAPのなかで研究が進んでいたため、全く別物かと思いきや、しっかりと連携が取られているようだ。

 ひょっとすると、将来的には、DayDreamとProject Tangoが融合したスマホというのも出てくるかも知れない。ヘッドマウントデバイスを装着すると、スマホのカメラが周りの立体物を認識。まわりの状況をスマホに写しつつ、現実世界にバーチャルなものを違和感なく浮かび上がらせることも不可能ではない。

 次のNexusはHTCが担当するという噂が根強いが、HTCはViBEといったVRデバイスを積極的に手がけている。HTCの知見とグーグルのノウハウが組み合わされた、最強のNexusが出てくることも予想される。

 マイクロソフトの「ホロレンズ」に近いが、グーグルであれば、ハイエンドなスマホだけで同様に世界を実現してしまうかも知れないのだ。

 ここ最近、VRが盛り上がりを見せているが、この世界でもグーグルが主導権を握りそうな雰囲気が出てきた。

© DWANGO Co., Ltd.

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