日本とアメリカからの報道で信ぴょう性増す「iPhoneにFeliCa」説――箝口令が敷かれようとも内部情報が漏れてしまう理由石川温のスマホ業界新聞

» 2016年09月02日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 「9月に発売のiPhoneにFeliCaが搭載される」

 このメルマガで何度か取り上げてきたが、8月26日、日経電子版のコラムにも掲載した。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2016年8月27日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 メルマガに記事を掲載するのは自分の裁量なので、ネタに絶対の自信があれば迷わずすぐ掲載することができる。

 しかし、日経電子版となると、編集者やデスク、校正さんのチェックが入るだけでなく、当然、日経の看板を背負って世間に公開されるだけに、メルマガ以上に慎重にならざるを得ない。実際、「iPhoneにFeliCaが載るというコラムを掲載したい」と編集担当者に相談したところ「本当に載るんですかぁ。また『日経が飛ばし記事を載せている』と炎上されると困りますし」と、ネタの信ぴょう性を疑われてしまったほどだった。

 そのため、23日には記事が完成していたが、2日間ほど、追加で裏を取る作業に時間を費やした。日経電子版に掲載されたのは26日午前6時30分であったが、25日の夜遅くまで取材を続けていたのだった。

 ただ、面白いのが、日経電子版に掲載された2時間後には、ブルームバーグが同様の記事を上げていたことだ。執筆したのはMark Gurman記者で、アップル関連の記事を多数執筆し、アップル専門媒体である「9to5Mac blog」からブルームバーグに移籍した人物だ。

 彼がiPhoneにFeliCaが載るという記事を公開したということは、クパチーノ周辺でも、関係者が語り始めたということだろう。奇しくも日本と米国で同時に同じような話が出たということは「次のiPhoneにFeliCaが載るのは確定」と見ていいだろう。

 日本では、NFC周辺を取材してきたライターの鈴木淳也さんもエンガジェットで同様の記事を公開している。すでにNFC業界の関係者の間では「iPhoneでFeliCa」は公然の秘密となっているようだ。

 ブルームバーグでは「決済ネットワークとの協議がまとまらない場合は来年モデルまで見送る可能性がある」との記載がある。確かに、現状ではまだ交渉段階の内容もあると見られている。

 非接触決済サービスとなると、単にアップルがiPhoneにFeliCaを搭載するだけでなく、iPhoneをかざす先のサービス事業者との交渉や準備が必要となってくる。当然、携わる関係者が増えてしまうだけに、どうしても機密情報が漏れやすくなってしまう。

 だからこそ、どんなに箝口令が敷かれていても情報の流出は避けられないのだろう。

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