ITmedia Mobile 20周年特集

“実質0円”禁止、MVNOとSIMフリースマホの飛躍――2016年のモバイル業界を振り返る:石野純也のMobile Eye(2016年総括編)(2/3 ページ)

» 2016年12月29日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

SIMロックフリースマホの販売が急増、MVNOも大きく飛躍した1年

 大手キャリアが防戦に回る一方で、攻めの姿勢に転じていたのがMVNOとSIMロックフリーのスマートフォンメーカーだ。実際、あるメーカー関係者も「実質価格の値上げがささやかれ始めた2月ごろから、SIMロックフリースマートフォンの販売台数が急増した」と語っており、それを裏付けるように、2016年は各社が続々と新モデルを投入した。

 ユーザーの幅が広がり、端末へのニーズも多様化している。かつては3万円を切るミッドレンジのスマートフォンが中心だった市場が、徐々に広がり始めており、それを受け、メーカーもハイエンド端末に力を入れ始めている。真っ先に動いたのは、Huaweiだった。本連載でも触れた通り、同社は市場の変化を察知し、フラグシップモデルの「P9」を投入した。

石野純也のMobile Eye 市場の変化をいち早く察知したHuaweiは、フラグシップモデルの「P9」を発売した

 Huaweiはその後、楽天モバイルへの独占提供となる「honor 8」や、大画面のハイエンドモデル「Mate 9」など、立て続けにハイエンドモデルを発売しており、そのいずれもが好評を博しているという。これはSIMフリースマートフォン市場でシェアの高いASUSやFREETELも同様だ。各メーカーへのインタビューからは、高価格な端末の販売状況に手応えを感じている様子もうかがえる。

石野純也のMobile Eye
石野純也のMobile Eye ASUSやモトローラなど、他のメーカーもハイエンドモデルを続々と投入。反響の大きさには、手応えを感じているという

 そのSIMロックフリースマートフォンとセットで利用するMVNOも、一般層の取り込みに力を注いだ。楽天モバイルを皮切りに音声通話の定額サービスが広がり、端末代金と通信料をセットにしたプランも登場した。楽天モバイルだけでなく、FREETELや、KDDI傘下のUQ mobileも、同様の施策を導入している。これらのMVNOは、いずれも従来のキャリアよりも月々の料金が安価で、端末も割賦で手に入り、手軽に使えることを売りにしている。GBあたりの単価で低料金を訴求してきたこれまでとは、MVNOの方向性も変わりつつあるようだ。

石野純也のMobile Eye
石野純也のMobile Eye 端末と通信料がセットになったプランを導入するMVNOも、増加した

 好調にユーザー数を伸ばすMVNOがいる一方で、すでに会社の数は500を超え、淘汰(とうた)が始まる可能性もある。本連載でも取り上げたように、8月には、日本通信が個人ユーザー向けのMVNO事業をU-NEXTに譲渡することを発表した。その後、日本通信のb-mobileは、U-NEXTとの共同運営という形態になった。

 結果として事業を丸ごとU-NEXTが引き継いだわけではないが、MVNOの老舗である日本通信の決定に、業界には衝撃が走った。以前よりシェアを落としているとはいえ、同社には依然として万単位のユーザーがいる。今後は、より規模の小さなMVNOが立ち行かなくなることも予想されるからだ。総務省の政策に後押しされる格好で拡大しているMVNOだが、サービスをたたむときにユーザーをどう保護するのかは、2017年以降の課題になるかもしれない。

石野純也のMobile Eye 日本通信は、MVNEに注力する方針を掲げていた

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月05日 更新
  1. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  2. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  3. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  4. ドコモがRCSで同意未取得の不備 約1万6000件に影響、対象ユーザーは利用停止に (2026年10月04日)
  5. ahamoがついに料金プランを改定。段階制へ――「40GB」が業界の新たなスタンダードになるのか (2026年10月04日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【2026年10月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年10月03日)
  8. 「Androidのマイナンバーカード」は10月20日スタート予定 今の「スマホ用電子証明書」と何が違う? (2026年10月02日)
  9. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【10月4日最新版】 ポイント10〜20倍の獲得チャンス多数 (2026年10月04日)
  10. JALモバイルはなぜIIJに加え「ahamo」を選んだのか? JALとドコモが明かす“ホワイトレーベル”の狙い (2026年10月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー