「iPhone 8」発売が中古携帯業界に与える影響:中古携帯の動向を追う(2/2 ページ)

» 2017年09月29日 18時56分 公開
[粟津浜一,ITmedia]
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(1)iPhone 6s/6s Plusが中古市場にこれまで以上に出回る

 これまで中古相場よりもiPhone 6s/6s Plusの下取り金額が高かったため、中古買取店に販売するよりもキャリアショップへ下取りに出す方がお得でした。

 しかし、新iPhoneが発売されてiPhone 6s/6s Plusの下取り価格が下がった結果、中古買取店の方がキャリアの下取り価格よりも高く買い取るケースが増えています。さらに下取りの場合、液晶割れ以外は状態を問わず一律価格のため、本体の状態がいい機種は、中古で売った方がさらにお得になります。

 また、auやソフトバンクでは、6s/6s Plus以外の機種でもこれまでよりも下取り金額が下がったため、ドコモと同じく中古買取店の方がキャリアの下取り価格よりも高く買い取る店舗が多くなっています。

iPhone 8/8 Plus iPhone 6s/6s Plus

(2)iPhone 8/8 Plusの中古市場への流入が購入から13カ月目以降に減る可能性がある

 今回の新iPhone発売に伴い、各キャリアは、実質下取り保証のようなサービスを提供し始めました。

 ドコモは13カ月目に機種変更すると、最大2万7000ポイントを還元する「機種変更応援プログラム」、auは13カ月目に機種変更してiPhoneの端末代が半額になる「アップグレードプログラムEX(a)」、ソフトバンクは24カ月間同じ機種を使い続けて25カ月目に機種変更すると、残りの割賦代金(48回払いの半分)を免除する「半額サポート for iPhone」を提供しています。

 これらは新iPhoneの囲い込み戦略といえます。いずれのサービスも、機種変更時に旧機種を回収すること、つまりキャリアの下取りに出すことを条件に定めているため、これらのサービスを利用するユーザーのiPhoneは中古市場へは流通しなくなってしまいます。

(3)SIMロック解除済みiPhoneの取り扱い台数が増える

 現在、ドコモから一括購入した端末は当日にSIMロックを解除できるほか、ドコモの分割払いやauとソフトバンクの場合は、端末購入日からロック解除までに必要な日数が100日程度に短縮されたことで、SIMロック解除済みのiPhoneがこれまでよりも急増するでしょう。

 そのため、SIMロック解除済みの中古iPhoneの販売も増えると推測できます。これはユーザーにとってもいいニュースではないでしょうか。ちなみに、店頭で販売している中古端末がSIMロック解除されている場合、その旨を記載している事業者が多いので、ユーザーは端末がロック解除済みかどうかを購入前に把握できます。

 格安SIMとのセット販売もしやすくなるでしょう。ただ、キャリアが買い取った(回収した)iPhoneは、国内の中古市場に流通する前に海外市場に出回る懸念もあります。

(4)auユーザーが格安SIMに乗り換えやすくなる

 iPhone 8/8 Plusから、MVNO向けのSIMロックがなくなります。au VoLTEの回線を使ったMVNOのSIMカードを使用するには、端末のSIMロックを解除する必要がありましたが、新iPhoneならSIMロック解除は要りません。MVNO向けSIMロックのない8/8 Plusは、auユーザーのニーズが高まるため、au iPhone 8/8 Plusの買い取り価格が上がる可能性があります。また、UQ mobileなどのau系の格安SIMとのセットとして新iPhoneの需要が上がるでしょう。


 もう1つの新iPhoneの「iPhone X」の発売は、11月3日。iPhone Xも8/8Plusと同じように新指針の対象となります。Xが発売されたとき、8/8 Plusの販売状況、中古市場はどうなっているのでしょうか。楽しみに取っておきましょう。

著者プロフィール

粟津浜一

株式会社携帯市場 代表取締役

中古iPhone

 1979年岐阜県生まれ。2004年筑波大学大学院理工学研究科修士課程修了。その後ブラザー工業にて、さまざまな研究開発業務に従事。2009年株式会社アワーズ設立、社長に就任。2017年株式会社携帯市場に社名変更。中古携帯を日本中に文化として広めることをビジョンとして、中古携帯市場動向セミナー、事業説明セミナーを行い、これまでに1000以上の店舗に中古携帯事業を展開、コンサルティングを行っている。


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