LEDバックライトを採用した液晶ディスプレイは、従来モデルと同じ10.1型ワイドだが、液晶前面にクリアパネルをはめ込んだ「ハードコート・クリスタルビュー・ディスプレイ」に切り替わった。これにより、液晶フレームとディスプレイ画面に段差がなくなり、液晶表面に傷が付きにくくなったが、画面への映り込みは目立つようになった。また、前ページで指摘したように画面解像度が1024×600ドットと狭いのも物足りない。視野角は上下方向はやや狭いが、左右方向は広いほうだ。
ACアダプタはサイズが40(幅)×93(奥行き)×28(高さ)ミリ、重量が210グラムと小ぶりだが、電源ケーブルはACアダプタとの接続が3ピンタイプで、ケーブル自体が太く携帯性はいまひとつだ。L字型のアダプタが製品に付属するので、持ち運びにはこちらを利用したい。
バッテリーは標準で3セル(容量は10.8ボルト 2455mAh)、オプションで大容量の6セルバッテリーが用意される。公称の駆動時間は3セルが約4.25時間、6セルが約9時間と前モデルから延びている。ただ、6セルバッテリーを装着するとバッテリーが底面に張り出し、キーボード面の傾斜がきつくなる点は注意したい。
それでは、新モデルのパフォーマンスをベンチマークテストで検証しよう。
評価機のスペックは、CPUがAtom N450(1.66GHz)、メモリは1Gバイト(DDR2)、HDDは250Gバイト(7200rpm)、グラフィックスはAtom N450に統合されたIntel GMA 3150で、OSはWindows 7 Starterだ。なお、テストはいずれもアナログRGB出力経由で外部ディスプレイに接続した状態(1024×768ドット)で行っている。
プラットフォームがPine Trail(開発コード名)に改められたとはいえ、すでに多くのレビューで見てきた通り、性能はNetbookらしく地味なスコアにとどまる。とはいえ、Mini 110に比べて確実にパフォーマンスはアップしており、Webブラウズやメールの送受信で困ることはないだろう。
バッテリーの駆動時間は、海人氏作のBBench V1.01を使って計測した。設定条件は液晶ディスプレイの輝度を最高に、電源設定をポータブル/ラップトップにし、Web巡回(60秒間隔)とキーストローク出力(10秒間隔)をオンにしたところ、3セルバッテリーで約173分動作した(残量は6%)。常時持ち出して使うのには心もとないが、ちょっとした外出ならば対応可能だろう。
システムに高い負荷をかけると、キーボード左側がやや熱を帯びるものの37度前後で済み(室温は26.5度)、手の触れる部分で気になる発熱はない。ただ、底面左側が42度近くまで上昇したので、ヒザの上で使う場合は注意したい。また、負荷をかけ続けると左側面にある排気口からファンの風切り音が発生するが、通常のオフィス騒音に紛れるレベルだ(図書館や深夜の静かな部屋では耳障りに感じるかもしれない)。
冒頭でも触れた通り、国内では解像度が低いスタンダードモデルが先行して投入されたMini 210だが、高解像度版(HD Edition)やデザイナーズモデル(Vivienne Tam Edition)も順次追加されると思われる。これら上位モデルの発売時期は気になるところだが、本機の価格は4万9980円(HP Directplus価格)と発売当初から5万円を切っているのが大きな魅力だ。ボディデザインや入力インタフェースを一新することで完成度を高めており、HPの次世代ノートPCのスタンダードとなる要素が満載なのは間違いない。
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