MacでWindowsのソフトウェアを動かす方法はいくつかあります。アップル自身も「Boot Camp」という仕組みを用意していますが、これはMac/Windowsを切り替える際にマシンを再起動するのが少し面倒。Macをメインにしつつ、一瞬だけWindowsを使いたいというシチュエーションでは、OS X上で動作する仮想化ソフトが便利です。
有料のものでは「Parallels Desktop」や「VMware Fusion」が定番。両方とも体験板を用意しているので、まずは試してみて気に入ったほうを使うのがいいでしょう。また、無料で済ませたいなら「VirtualBox」もあります。
ちなみに、仮想化ソフトはシステムリソースを要求する「重い」ソフトなので、MacBook Airで使うならメモリは4Gバイトにしておくべき。Windows環境を収めているイメージファイルも長期間使っていると数十Gバイトに膨らむこともあるので、内蔵ストレージの容量が足りなくなってきたら、外付けHDDに逃しましょう。
コミュニケーション用ツールも利用頻度が高いソフトの1つ。アップルユーザーとしては、アップルのチャットソフト「iChat」やビデオチャットの「FaceTime」で完結できると美しいのかもしれませんが、知り合いにWindowsユーザーが多いとそうもいきません……そこで「Skype」や「Microsoft Messenger」の出番というわけです。
加えて、ここ数年はTwitterをコミュニケーションに使うことも増えてきました。Mac用のTwitterクライアントは、公式の「Twitter」以外にも「夜フクロウ」「Echofon」「HootSuite」など豊富です。筆者はTwitterクライアントを使うと、1日中そちらばかりを追って仕事がまったく進まなくなるためアンインストールしましたが。
「The Unarchiver」は、パスワード付きのZIP形式(.zip)や、Macで使われることの多いStuffIt形式(.sit)などを解凍するためのツール。これ以外にも「StuffIt Expander」などのフリーウェアがよく利用されています。
反対の圧縮では、OS X標準でもFinderの「ファイル」メニューから「〜を圧縮する」を選べばZIPファイルができあがりますが、これをWindows環境に渡して解凍すると文字化けなどのトラブルになりがち。「WinArchiver Lite」を利用するとよいでしょう。
「Perian」は、MPEG-2やFlash Video(.flv)など、「QuickTime Playr」で再生できる形式を増やしてくれるフリーウェアのコンポーネントです。ダウンロードして「Perian.prePane」をダブルクリックすると、「システム環境設定」の中に「Perian」をインストールできます。Windows Media Videoは、「VLC media Player」や「Mplayer」あたりを使うと再生できることもあります。
最後の1本は、20世紀に起こった出来事、偉人の名言などを連続で表示してくれるフリーウェアのスクリーンセーバー「二十世紀ボヤージ」。ふわっと浮かんでは消えていく文字の視覚効果がとにかく目を引いて、思わずずっと眺めたくなってしまいます。
二十世紀ボヤージが気に入ったら、同じ作者である未来派図画工作さんの「Full Color Bossa」や「少年少女オデッセイ」なども試してみるべし。時計アプリなら「DropClock」や「Fliqlo」あたりがおススメです。
ちなみにインストール方法は、「.qtz」や「.saver」のファイルを自分のホーム内の「ライブラリ」→「Screen Savers」にコピーするだけですが、OS X 10.7ではこのフォルダが不可視にされてしまいました。アクセスするには、Finderで「option」キーを押しながら「移動」メニューをクリックすると「ライブラリ」が選べるようになります。
上で取り上げたもの以外では、Webブラウザの「Google Chrome」(Windowsとブックマークを同期しながら使っている)や、写真管理ソフトの「Aperture」、画像の解像度を変えたり色調を補正する「Adobe Photoshop」(ElementsでもOK)、過去に発売されたMacを網羅している「Mactracker」あたりが個人的には必携のソフトです。
是非いろいろと試してみて、好みの1本を見つけてください。
Mac雑誌の編集者、IT系ニュースサイトの編集記者を経てライターに。アップルとネットが専門分野で、初代iPhoneが発表された「Macworld Expo 2007」や、初音ミクの海外初ライブとなる「MIKUNOPOLIS」を現地で取材した。近著に「ニコニコ動画めもりある ニコニコ大会議編」(アスキー・メディアワークス)などがある。個人のTwitterは@kawauso3。
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