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» 2010年03月16日 09時00分 公開

神尾寿のMobile+Views:「Xperia」が狙う新市場――ソニー・エリクソン 仲井社長に聞く (2/2)

[神尾寿,ITmedia]
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Xperiaは他のスマートフォンと“どこが違う”のか

ITmedia 日本におけるXperiaは、「従来型のケータイ」「iPhone」そして「他社のAndroid端末」の3つと競争することになります。そこでのXperiaならではの優位性はどのような点になるのでしょうか。

仲井 我々は今回、シグネチャーアプリケーションと呼ぶ「Timescape」や「Mediascape」など独自のUIを搭載しました。これらが他社のスマートフォンに対する優位性になりますし、Xperiaシリーズのアイデンティティになっていきます。

ITmedia あと、日本市場向けで見ますと、新たに開発された日本語入力システム「POBox Touch」もXperiaの特長であり、優位性になっていますね。

Photo ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ 東京エンジニアリング本部長の池上博敬氏

池上博敬氏 そうですね。日本語変換の精度や使いやすさは、日本市場においてとても重要です。そこが不十分ですと、日本市場向けのスマートフォンにとって(普及の)弊害にもなり得る。ですから、日本のエンジニアリングチームとして、こだわって作りました。

ITmedia 日本語入力システム以外に、地域市場向けのカスタマイズにこだわっている部分はありますか。

仲井 Timescapeなども国ごとにカスタマイズする計画です。例えば、日本では独自にmixiを入れていますが、SNSなどソーシャル系サービスは国ごとに(普及しているサービスに)若干の違いがあります。ですから、今後、市場のニーズに応じて地域市場に合ったネットサービスに対応させていくことになるでしょう。これは日本市場はもちろんですけれども、中国市場などへの展開でも重要になります。

ITmedia なるほど。Xperiaはグローバル市場向けのプロダクトですけれど、その上にあるソフトウェアやサービスでは、各地域のニーズに合わせて対応するネットサービスを変えていくわけですね。

仲井 地域市場のニーズに合わせて、(各国の)ネットサービスに対応していく考えです。もちろん、それには対応するサービスが、その地域で盛り上がっていることが前提になりますが。日本ではTwitterとFacebookに加えて、現状ではmixiに対応していますが、今後は市場の盛りあがりを見て考えていきたい。

ITmedia ハードウェアで見た場合、Xperiaは全体的に高いスペックで設計されていますが、特に重視した部分はどこでしょうか。

仲井 画質ですね。ディスプレイが大画面・高解像度であることはもちろんなのですが、エンターテインメント重視のスマートフォンとして、「画面がきれいに見える」という部分にはこだわりました。

ITmedia 具体的には、どのような技術が用いられているのでしょうか。

池上 技術の詳細は申し上げられませんが、パネルの部材選定の段階から画質の美しさを重視しました。特に「動画を見る」という利用シーンをかなり意識していまして、動画視聴に適した画質になっています。

ITmedia 私もプロトタイプを使いましたが、あそこまで動画が美しいと、専用の動画コンテンツが見たくなりますね。Xperia向けの動画配信に期待したいところです。

池上 そうですね。映画やテレビなどの動画コンテンツをどう流通させるのか、DRMをどうするかは考えていかなければなりません。

ITmedia それを行うのがキャリアになるのか、それとも映画コンテンツを保有しているソニーグループ全体の取り組みになるのかは注目しています。

ソニーグループとの連動性は出せるか?

ITmedia ソニー・エリクソンは欧米では単一のブランドとして見られていますが、日本市場では「ソニーグループの1つ」として見られることも多々あります。またAppleとの競争を考えても、ソニーのビジネスやサービス、そしてブランドと連携できるかが、1つの注目になります。AppleはiPhoneの周辺に、iTunesやMacなど自社製品・サービスのエコシステムを築いているわけですが、ソニー・エリクソンのXperiaは、今後ソニーグループとの連携がどれほど図れるのでしょうか。

仲井 具体的な製品やサービスを申し上げることはできないのですが、モバイル・AV・PCの市場構造が大きく変化しているのは確かです。ソニーは(ソニー・エリクソンの)親会社ですし、常にグループとしての協業や連携を考えているのは確かです。

ITmedia AppleやMicrosoftは「ゲーム」を、コンシューマー向けスマートフォンのキラーコンテンツの1つとして捉えて、積極的なコンテンツ獲得を行っています。Microsoftは次期Windows Phone 7 seriesで、XBOXとのタイトル互換まで打ち出しています。

 スキーム的に難しい部分は多々あるでしょうが、Xperiaにとって、これまでソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が持つPlayStationのコミュニティと連携が図れるかは注目です。既存のAndroid Marketとは別に、PlayStation市場と連携した独自のゲーム流通プラットフォームを構築する計画はないのでしょうか。

仲井 それは答えるのが難しい質問ですね(苦笑) 今の時点では何も言えません。しかし、あらゆる可能性を模索している。それは事実です。

 あと、これはゲームに限らずですけれど、ソニーグループ全体で見れば、デジタルライフスタイルに向けたソフトウェアやサービスを多数持っています。これらとXperiaが連動していくシナリオは、もちろん考えています。

Xperiaでコミュニケーションがエンターテインメントになる

ITmedia 最後に読者へのメッセージをいただけますか。

仲井 ソニーエリクソンでは「コミュニケーション・エンターテインメント」を掲げています。これはコミュニケーションそのものがエンターテインメントになるという意味で、この理念を具現化したものがXperiaです。Xperiaでは、新しい楽しさを提供したい。日本市場向けのXperiaはこれが初になりますが、シリーズ全体を通して、多くの人に新しい体験と楽しさを提供していきます。

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