モバイルを核とした総合サービス企業へ――NTTドコモ2011年3月期第1四半期決算iモードのオープン化構想も(2/2 ページ)

» 2010年07月30日 10時00分 公開
[園部修,ITmedia]
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iモード版のドコモマーケットを提供

 スマートフォンでは、AppleのApp Storeを筆頭に、AndroidのAndroidマーケットなど、さまざまなプラットフォームでアプリケーションを容易に入手できる“マーケット”の提供が常識になっている。ドコモでも、AndroidスマートフォンやBlackBerry Bold向けアプリを配信する「ドコモマーケット」を提供中で、独自にコンテンツを集め、将来的には課金の仕組みも設ける。このオープンな市場は、誰もが参加できるため、個人の開発者なども巻き込んで隆盛を見せていることから、ドコモはiモード版のドコモマーケットも11月をめどに提供する。

 iモード版ドコモマーケットは、これまでは自前でサーバを用意して、ドコモの公式サイトとして認定された企業でなければiアプリの配信は難しく、作ったとしても「勝手アプリ」として配信するしかなかったiアプリを、誰でも簡単に配信できるマーケットになる。iモードでもスマートフォン並みのオープンな環境を整備し、個人のクリエイターなども巻き込んでコンテンツの拡充を図る。

 今後はコンテンツ提供支援ツールやコンテンツを管理するサーバなどを用意し、iモードケータイ向けのコンテンツ配信を容易にする。

 「iモードもオープン化していく。これまでは商品を売るためにお店から用意していただく必要があったが、これからはドコモが店に棚を用意して、そこに商品を置いていただけるようにする。これで個人のコンテンツクリエイターなどもiモードにコンテンツを出していただきたい」(山田氏)

Xperiaは30万台弱を販売

 ドコモが年度内に市場シェアの3分の1、約100万台を販売する計画を立て、この春から力を入れているスマートフォンも、第1四半期は「Xperia」が好調だったため販売台数は順調に伸びているという。第1四半期のスマートフォン全体の販売台数は30万台を超えた。このうち9割以上がXperiaで、山田氏は「年間100万台という目標も何とかなりそうだ」と手応えを感じている様子だった。

 9月にはスマートフォンで「@docomo.ne.jp」のメールアドレスが利用できるようになるspモードを提供予定で、これによってスマートフォンは本格普及期に入ると見る。秋にはSamsung電子製の「GALAXY S」やおサイフケータイ対応スマートフォン、ワンセグ対応スマートフォンなども投入し、ユーザーのニーズに応える端末をラインアップしていく。

 端末の出荷台数や契約数(純増数)をけん引するデータ通信端末やモバイルルータ(Wi-Fiルータ)、アクセスポイントモードを搭載したiモード端末なども、秋以降に積極的に投入する。

LTEのブランド名は「Xi」に 高速・大容量・低遅延を武器に

 12月から提供予定の次世代技術「LTE」を活用した通信サービスは、FOMAとは異なる新たなブランドを付けて展開する。新ブランドは「Xi(クロッシィ)」。HSPAと比べ、約10倍速い高速な通信速度と、約3倍の収容ユーザー・トラフィック、そして約4分の1になる遅延を武器に、FOMAよりも高度なサービス実現を目指す。

 LTE対応端末には、すべてXiロゴが付加され、一目でLTE対応端末であることが分かるようにする。なお、エリアは当初東京23区内の一部や名古屋、大阪地区から設置し、FOMAのエリアに重ねる形で展開する。スタート時からしばらくの間はXiとFOMAのデュアルモード端末を提供し、利便性を確保しながら普及させていく。2010年度末までに基地局数約1000局、人口カバー率約7%を目指す。12月に出るのはデータ通信端末だが、音声対応端末も2011年の後半に投入予定だ。

コンテンツ、料金、端末がマルチメディア放送成功のポイント

 現在総務省に対して免許申請を行い、KDDIとクアルコムジャパンが主導するメディアフロージャパン企画と、1枠の割り当てを巡ってアピール合戦を繰り広げているマルチメディア放送(mmbi)については、改めてドコモが考える成功のポイントを説明し、理解を求めた。

 「設備を作るときは、マルチメディア放送事業の全体を考えて作らないといけない。サービスはリーズナブルな料金でないと使っていただけない。mmbiも、ストリーミング放送なら100円玉何枚かでないとならないと思う。プレミアムコンテンツを買ってもらうと+100円とか、そういうリーズナブルな料金でやらないといけない。そう考えると、インフラが高コストではダメだ。mmbiでは当初インフラ投資を700億円程度予定していたが、それでは事業が難しいと判断し、精査して大電力方式で438億円の設備投資におさえた。メディアフロージャパン企画は961億円といっているので、約2.2倍のお金がかかる。つまり利用料が高くなってしまう。利用しやすい料金水準が重要だ」(山田氏)

 インフラのコストを抑えつつ低料金なサービスを目指しているmmbiは、メディアフロージャパン企画側からそのサービス品質に疑問を投げかけられているが、その点はしっかり検証し、“安かろう悪かろう”ではないこと、なんとしてもマルチメディア放送を成功させたいと思っていることを強調した。

ドコモの次の10年は「HEART」

 なおこの日は、これまでのドコモの10年の振り返りと次の10年を見据えたビジョンも合わせて発表された。ドコモは2010年ビジョンとして、2000年から「MAGIC」というビジョンを掲げ、モバイル・フロンティアへ挑戦してきた。MAGICは、「Mobile Multimedia」や「Anytime, Anywhere, Anyone」「Global Mobility Support」「Integrated Wireless Solution」「Customized Personal Service」などの頭文字を取ったもので、いわばモバイルの普及拡大のためのビジョンだったという。

 2020年を見据えた新たな企業ビジョンは「HEART」。Harmonize、Evolve、Advance、Relate、Trustに由来し、モバイルを核としていろいろなサービスを融合していく世界を目指す。

 「これまでの10年は、モバイルをどう広げていくか、というフロンティアだった。しかし今やモバイルはみんなが持っているもの。次の10年は、モバイルを核に、その枠組みを超えていろいろなサービスを融合して、スマート イノベーションへの挑戦に取り組んでいく」(山田氏)

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