スマートフォンとフィーチャーフォンは融合していく――ドコモの辻村氏CEATEC JAPAN 2010(2/2 ページ)

» 2010年10月08日 21時01分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 日本マクドナルドとドコモは2008年、おサイフケータイを活用したマーケティングを行うための企画・運営会社としてThe JVを設立。それまで紙で配布していたクーポンを電子クーポンに切り替え、来店者動向をマーケティングデータとして活用し始めた。

 来店者は、店頭のリーダー端末におサイフケータイをかざすことでクーポンを利用でき、店側はその情報をリーダー端末を通じて取得できる。これにより、店舗側には、何曜日の何時に、どんな世代の顧客が来ている――といった動向や、売れ筋情報などのデータがアーカイブされ、それを生かした店舗運営が可能になる。「ほかにない試みで、世界のマクドナルドがこの方式に注目している」(辻村氏)

 このCRMサービスは注目を集めており、ドコモでは会員証の発行や商品の購入履歴などの収集、最新情報や割引クーポンの配信などのCRMサービスを実現する「モバイルマーケティングASPサービス」を、2011年1月から提供する予定。すでにイオンやローソンが導入を決めているという。

Photo マクドナルドのCRM(左)と、ドコモが提供するモバイルマーケティングASPサービス(右)

 もう1つの例として挙げたのは、iコンシェル。このサービスは2009年の冬春モデルから位置情報との連携に対応し、より地域に密着した情報配信が可能になった。「例えば街のパン屋は、焼き上がった時に、店から徒歩10分以内のエリアにいる人に向けてクーポンを配信できる。クリーニング屋が(客の少ない)雨の日に割引クーポンを出すなど、いろいろな事例が考えられる」(辻村氏)

 この8月からは、コストをかけずにiコンシェルを通じた情報配信を可能にする、月額630円の「iコンシェル提供サイト」を提供しており、さらなる利用シーンの拡大を目指す考えだ。

Photo 月額630円でiコンシェルを通じた情報配信を行える「iコンシェル提供サイト」

スマートフォンとフィーチャーフォンは融合していく

 グローバル化の視点で見た今後の進化について、辻村氏が真っ先に挙げたのは、スマートフォンの動向だ。ドコモでは今年度末までのスマートフォンの販売目標を100万に設定しており、Xperiaの投入で約50万に到達。「GALAXY S」「GALAXY Tab」をはじめとする秋冬モデルの投入で100万台達成を目指す。

 日本市場はフィーチャーフォンの性能が高いことから、海外に比べてスマートフォンへの移行が遅い傾向にあるが、「ここ数年で、全体の30%くらいがスマートフォンになるかもしれない」と辻村氏。その過程で、フィーチャーフォンはスマートフォン化し、スマートフォンにフィーチャーフォンの機能が入ってくるため、「この2つは融合していく」(辻村氏)と話す。「ここ3年くらいは両者が併走し、そのうちにだんだんと融合する時代が来る」(同)

 ドコモでは融合の1つの道筋として、スマートフォンでフィーチャーフォンのキャリアメール機能などを利用できるようにする「spモード」を提供。今後はさらに、フィーチャーフォンの機能を入れていくとしている。

 一方で、フィーチャーフォンについては、Android端末向けに提供している「ドコモマーケット」のiモード版をつくり、個人のクリエーターが開発したiアプリを広くリリースできる環境を提供する予定であり、iモード側のスマートフォン化にも積極的に取り組むとした。

Photo 世界市場におけるスマートフォンの普及予測(左)とドコモの取り組み

Photo iモード向けにもオープンなマーケットを用意する計画だ

 さらに辻村氏は、これからの大きな動きとして携帯電話のNFC(Near Field Communication)対応にも言及した。日本の携帯電話はType Cに準拠したFeliCaの搭載が主流となっているが、韓国や欧州ではType AやType Bが使われており、混乱を避けるためにNFCに統一する動きがあるという。「どこに行ってもタイプを意識せずに利用でき、決済サービスも非接触端末を使ってできる時代がくる。すでに、いろいろなキャリアが試行サービスを始めており、おそらく2012年から2013年にはおサイフケータイのようなサービスが世界中で始まってくる」(辻村氏)。日本でもKDDIとソフトバンクモバイルが韓国のSK Telecomと、NFCを活用した日韓共通サービスの検討を進めるなど、新たな動きが出始めている。

 ドコモも、世界と歩調を合わせてNFCケータイの対応を進めると辻村氏。ただ、ドコモが端末にチップを埋め込む形でFeliCaを搭載しているのに対し、世界のトレンドではSIMカードにNFCチップを入れようとしているなど実装方式が異なるといい、技術の進展に応じてどうするかを検討する方針だ。

Photo NFCへの対応は、世界の動向に合わせて対応するとした
Photo 大日本印刷と連携して電子書籍のプラットフォームを構築。リアルとデジタルが共存する形での展開を目指す

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月21日 更新
  1. 「弊社のモバイルバッテリーが河川等に投棄されている」――運営元が警察および関係各所と連携 (2026年08月19日)
  2. 服の中に風を送る「腰掛けファン」はハンディファンと何が違う? メリットと購入前に知るべき注意点 (2026年08月18日)
  3. 「iPhone 18」シリーズうわさまとめ 秋にPro、来春に無印登場か 「さらなる値上げ」の可能性も考える (2026年08月19日)
  4. 清水寺の「5Gが入らない」をどう解決した? ソフトバンクが挑んだ景観保護とアンテナ設置の裏側 (2026年08月20日)
  5. Pixel 11シリーズ実機レビュー:「薄型化の無印」と「背面が光るPro」、Gemini連動の新機能で何が変わったか (2026年08月20日)
  6. 「借りたものは返して」――レンタルバッテリー「CHARGESPOT」が注意喚起 (2026年03月28日)
  7. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  8. 外出先でも45Wで充電できる「UGREEN モバイルバッテリー PB727」が31%オフの4480円に (2026年08月20日)
  9. ソニー、Xperia新モデルを予告 8月25日11時に発表 YouTubeで世界同時配信 (2026年08月21日)
  10. サムスン電子が8月27日に「Galaxy S26」に関するオンラインイベントを開催 シリーズの“最新メンバー”を紹介 (2026年08月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー