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» 2013年02月26日 17時42分 UPDATE

荻窪圭のiPhoneカメラ講座:第2回 これでピンボケ写真とおさらば――AFをうまく活用する (1/2)

iPhoneでうまく写真が撮れない人の多くは手ブレが原因だけど、ほかに「ピンボケ」もあると思う。じゃあどうすればピンボケを防げるのかというと、被写体が画面に収まる位置や、被写体との距離などが重要になってくるのだ。

[荻窪圭,ITmedia]

 先週「iPhoneでうまく撮れないって人の多くは手ブレが原因」と書いたけれども、じゃあほかの原因は何か、というと、そのうちの7割くらいは多分ピンボケなのである。ピントが合ってくれなくて狙った通りの写真が撮れない。これはもう宿命的に存在する問題なのだ。

 ときどき「ピンボケ」と「手ブレ」の違いが分かってない人がいるけれども、まあ、キリッとしてるべきところがもやっとしてたらピンボケ。拡大してよく見ると「もやっ」じゃなくて動いて写ってるようなときは「ブレ」。

iPhoneのピント合わせの基本

 iPhoneのピント合わせは非常に単純。カメラを起動して被写体に向けると、自動的に中央に四角い枠が表示される。これが「ピント合わせ中ですよ」という印だ。

photo 中央の大きな枠が「AF(オートフォーカス)枠」。ピントを合わせてる最中なのでまだ合ってないけど、このあとでちゃんと合う

 中央に四角い枠が表示され、画面上で一端ほわっとボケてすっとピントが合い、枠が消える。あとは撮るだけだ。レンズがとらえた画像に人間の顔(らしきもの)を見つけると、そこに薄い緑色の枠が表示され、しばらくすると消える。顔検出AFである。

photo 人の顔を見つけると、顔の大きさに合わせた薄緑色の枠が表示される。多少斜めでも平気

 人を撮るときはこれに頼るのが一番無難。顔検出時も同様に、枠が消える=「ピント合わせが終わったよ」という意味だ。ここで撮ればちゃんと顔にピントが合った写真が撮れて素晴らしい。いったん枠が出て消えるっていう一連の動きがミソ。

photo ちゃんと顔にピントが合った写真になりました

 でも最初にカメラを向けたものを撮りたいとは限らない。カメラを向けてから、方向を動かしたり撮る角度を変えたりすることも多いわけだ。そのへん、iPhoneはよくできていて、iPhoneを動かすと「あ、この人は違うものを撮ろうとしてるな」と勝手に判断してピント合わせをし直してくれるのだ。これはなかなか面白い趣向。いったんあらぬ方向にiPhoneを向けて、また元の位置に戻すと、ピントを合わせ直す様子を確認できる。

 だいたいiPhone(に限らずスマートフォン一般がそうだが)はAF(オートフォーカス。つまり自動ピント合わせ)に1秒弱くらいかかる。撮影ボタンを押す前にあらかじめピントを合わせておくことで、AFにかかる時間を省略でき、撮影タイミングを逃さないというわけなのだ。よく考えられております。

 でもピンボケ写真は量産される。だいたい次のパターンだ。

  1. 慌ててピントが合ってない状態で撮影しちゃった。
  2. 撮りたかった被写体が画面中央にいなかった。
  3. 被写体が近すぎてピントが合わなかった。
  4. 被写体が地味すぎて無視されちゃった。
  5. ピントが超合いにくい状況だった。

 順番に見ていこう。

1.慌ててピントが合ってない状態で撮影しちゃった

 これはもうちょっと待つべし。画面を見て、ピントが合うのを待つ。慌ててはいけない。それだけ。

2.撮りたかった被写体が画面中央にいなかった

 実はこれがとても多いパターン。いつも画面中央にメインの被写体を置くとは限らないし、写真はもっと自由なものであるからして、メインの被写体がはじっこにいてもいいのだ。でもメインの被写体が左側にいて中央部が背景だったりすると、背景にピントが合って肝心のところがボケることになる。

photo 背景にピントが合ってしまったの図

 そういうときは、タッチAFを使う。話は簡単で、撮りたいものを指で触るだけ。「撮りたいものを指で示す」という極めて直感的で分かりやすくて気持ちが良い方法だ。指で触るとそこに少し小さめの枠が表示され、枠が消えたらピントが合った印なので、撮影するべし。うまく合わなかったら何度かタッチし直してみる。

photophoto 左下にある猫のフィギュア部分をタッチして「そこにピントを合わせてね」とiPhoneに指示する(写真=左)。ちゃんとピントが合った(写真=右)

 タッチAFはiPhoneカメラで失敗しないための基本だ。

3.被写体が近すぎてピントが合わなかった

 たまに料理写真なんかで見かけるけど、料理が中央にちゃんとあるのにピントが合ってない。その理由の多くは被写体が近すぎたからだ。iPhoneでピントが合うのは、実際に測ってみたところ、だいたいレンズ前7センチくらい。10センチくらい見ておくといい。タッチAFしてもうまくピントが合わないなと思ったら、ちょっと離れてみるとよい。

photo 近すぎず遠すぎずの距離が大事

4.被写体が地味すぎて無視されちゃった

 実は意外にあるのがこれ。例えば、梅の花が咲いてたから撮ろうと思ったのだけど、どうしても背景にピントがあっちゃうよぉ、ってことがある。花に限らず、タッチAFを頑張っても背景にピントが合っちゃうことはある。

 iPhone(に限らず、コンパクトデジカメでもその傾向があるのだが)は「コントラスト検出方式」というAFを使ってる。これは、近くから遠くまでひととおりピントを合わせてみて、コントラストが高いところ(大雑把にいえば一番くっきりとなったところ)を採用するというもの。被写体が小さかったり地味だったりして背景の方がくっきりしてたり(けっこうよくある)すると、どうしても背景にピントを合わせたがることがあるのだ。

 どうするか。iPhoneに毒づいたりせず、撮りたい被写体と「同じような距離にあるほかのもの」にピントを合わせるのだ。要するに距離が合っていればいいのである。花がダメなら同じような距離にある幹とか。

photophoto 手前にある梅の花を撮りたいのだけど、どうしても背景にピントが抜けちゃうの図(写真=左)。下の方に写っている太い枝にピントを合わせてみた。ここなら距離も同じくらいだろうってことで(写真=右)

 距離はある程度合っていればまあ大丈夫。あまり厳密に考えなくてもいい。タッチAFの有効な使い方だ。

 被写体が数10センチ以内の距離でピントがうまく合わないときは、左手(右手でもいいけど)を伸ばして被写体と同じような距離に置き、自分の手のひらにいったんピントを合わせてから手をどけて撮影するという手もある。

 被写体がじっとしてないときも背景にピントが抜けやすい。

photophoto 後ろ頭にあるV字の模様が撮りたかったのだけど、猫がじっとしてくれないのでピントが後ろに抜けてしまった(写真=左)。首筋を撫でて猫が動きを止めた隙に撮影(写真=右)

 メインの被写体が暗くてしゃきっとしてなくて、背景の方が明るくてくっきりしてるときも背景に合いやすい。そのへんを頭に入れつつ何枚も撮っておくといい。

5.ピントが超合いにくい状況だった

 前述したように、コントラスト検出式は「コントラスト」を見るので、コントラストがないものにはピントを合わせられない。例えば雲一つない空とか、無地でつるつるした板とか。あと、とっても暗いときもピントは合いづらい。

 そういうときもタッチAFを上手に使う。例えば青空よりは雲があるところの方がピントが合いやすいし。遠くのものを撮るならもっとアバウトでいい。

 実は「被写体が遠くなればなるほどピントの合う範囲が広くなる」という性質があるので、iPhone的には10メートル先も1キロ先も100キロ先も同じなのだ。だから風景などある程度遠いものを撮りたいときは、それなりに遠いところに適当にピントを合わせればOK。

 逆に被写体が近ければ近いほど、ピントの合う範囲が狭くなるわけで、1メートル以下の距離にあるものを撮りたいときは、それなりにピントを合わせたいという感じである。

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