インタビュー
» 2013年06月28日 22時35分 UPDATE

「使ってみたらすごくいい」で“ファン”を増やしたい――Huaweiに聞く、日本市場の攻め方 (1/2)

Ascendシリーズで幅広いスマートフォンを投入しているHuawei。日本では「STREAM X(GL07S)」と「Ascend D2 HW-03E」が発売され、スマートフォンにも力を入れている。同社の日本におけるスマートフォン戦略を中心に話を聞いた。

[田中聡,ITmedia]

 2013年は、話題性の高いHuaweiのスマートフォンを目にする機会が増えた。1月の2013 International CESでは、5インチフルHD液晶搭載の「Ascend D2」、6.1インチHD液晶搭載の「Ascend Mate」、2月のMobile World Congress 2013ではLTE Category4(下り最大150Mbps)対応の「Ascend P2」を発表。そして6月には、スマートフォンでは世界最薄となる厚さ6.18ミリの「Ascend P6」を発表して話題を集めた。日本ではAscend D2をベースにした「Ascend D2 HW-03E」をNTTドコモが、Ascend P2をベースにした「STREAM X(GL07S)」をイー・アクセスが発売した。Ascend P6も2013年中にLTE版の発売を予定しており、日本への投入も期待される。

photo 日本で発売されている「STREAM X(GL07S)」(左)と「Ascend D2 HW-03E」(右)

 これまで、日本ではデータ通信端末を中心に展開して存在感を高めてきたHuaweiだが、ここ最近はスマートフォンでも、スペックとデザインの両面から力を入れている。「2015年までに世界トップ3の携帯電話メーカーを目指す」というHuaweiは、どのような戦略でスマートフォン事業を展開していくのか。Huawei ハンドセット プロダクトライン プレジデントのケビン・ホウ(Kevin Ho)氏と、ファーウェイ・ジャパン 端末統括本部 プロダクトセンター 商品企画部長の伊藤正史氏に話を聞いた。

STREAM Xは1台目としても十分に使える

photo Huawei ハンドセット プロダクトライン プレジデントのケビン・ホウ(Kevin Ho)氏

 HuaweiはAscendでD、P、G、Yという4つのシリーズを展開しているが、最近の新製品で目立つのは「D」と「P」だ。Dシリーズはハイエンド機種に位置付けられ、Pシリーズはファッション性を重視している。2013年最初のPシリーズとして登場したAscend P2は、日本ではSTREAM Xとして最も早く発売された。イー・アクセス初のLTEスマートフォンでもあるSTREAM Xは、端末代を含む月額のトータルコストが3880円という価格も支持され、好調に売れている。またホウ氏によると、欧州での売れ行きも好調だという。

※初出時にSTREAM Xの売れ行きを示すデータを掲載していましたが、非公表のデータだったため、削除しました(7/2 14:55)。

 イー・アクセスからSTREAM Xの売れ行きに関する分析結果を聞いたというホウ氏は、「テザリング」「デザイン(サイズや重さを含む)」「FeliCaなど日本向け機能の搭載」「Exmor RS for mobile搭載の1300万画素カメラ」「料金プラン」が特に支持された要因だと話す。カメラについては「iPhone 5よりも優れているというフィードバックもあった」(ホウ氏)そうだ。イー・アクセスは、STREAM Xを「このタイミングとこの金額で出せること」を評価しているが、これはもちろん「安かろう悪かろう」ではなく、「コストパフォーマンスの高い製品をキャリアに提供することを心がけている」とホウ氏は強調する。

 伊藤氏は「これまでイー・アクセスさんに出していたスマートフォンは、Pocket WiFiの延長線上にあるようなものが多かったですが、最近はハイエンドな方を向いています。今回はLTE対応スマートフォンをイー・アクセスさんから出させていただくにあたり、Pocket WiFiのブランドを生かしてテザリングを特長に出しつつ、日本機能を入れました。(GS02やGS03など)これまでのスマートフォンは2台目として使っていただくケースが多かったですが、STREAM Xは1台目としても十分に使えます」と胸を張る。

 一方で、Ascend P2と同様にSTREAM Xは防水には対応していない。これは「ユーザー調査をしたところ、STREAM Xのメインターゲットである40代男性が重視するのがテザリング、カメラ、スピード(通信速度)であり、防水はそれほど重視していなかったため」(ホウ氏)だという。「(STREAM Xは)防水には対応していませんが、売上にはそれほど影響はありませんでした」(同)

 イー・モバイル端末としては初めてFeliCa(おサイフケータイ)を搭載したSTREAM Xだが、Huaweiとしてはドコモ向けに2012年11月に発売した「Ascend HW-01E」でFeliCaを搭載した経験があるので、「(FeliCa通信の)品質は時間をかけてチェックした」(伊藤氏)ものの、それほど苦労はなかったそうだ。

photo STREAM X(GL07S)では、追加色としてホワイトも用意した

 Pシリーズといえば、「Ascend P1 S」や「Ascend P6」といった薄さ(発表当時で世界最薄)を訴求するモデルが目立つ。Ascend P2(STREAM X)も8.4ミリとスリムではあるが、インパクトがあるほどの薄さではない。ホウ氏は「薄さは1つの要素」と説明し、ファッション性も含めたデザイントータルでアピールしていくとした。「将来的には、もっと薄くて軽くいものを作っていきたい」という言葉のとおり、P2発表の5カ月後には、厚さ6.18ミリのP6が発表された(※取材はAscend P6発表前に実施している)。

 STREAM Xのメインターゲットは40代だが、「今後は女性や若者にも買っていただきたいですし、他国では若者にも売れているという結果も出ています」とホウ氏。7月以降に新色のホワイトを発売し、ユーザーの拡充を狙う。

初出時に、STREAM X ホワイトの発売時期を5月としていましたが、正しくは7月以降です。お詫びして訂正いたします(7/2 15:52)。

デザインにもこだわり

 一昔前までのHuaweiのスマートフォンは、デザインに大きな特徴のないシンプルなものが多かったが、Ascend D2ではメタルフレームを採用して無駄を排したフォルムにするなど、2013年のモデルは洗練された印象を受ける。ホウ氏も「スマートフォンを選ぶ理由の1つがデザイン」とその重要性を認識している。「Huaweiは、優れたデザイナーを韓国や欧米から採用しており、世界には5つのIDデザインセンターを構えています。日本、イギリス、アメリカのデザインセンターは、ここ2年で力を注いできました。金属などの素材とデザイン自体の研究を同時に進めています。今後はデザインがスマートフォン市場で1つの競争軸になるので、引き続き、良いものを提供していきたいです」と意気込みを語った。

 伊藤氏は「Huaweiのスマートフォンはグローバルと各地域の嗜好性をミックスさせてデザインしています」と続ける。「(グローバルの)Ascend D2にはリアルマテリアルを用いて、シームレスでノイズのないモデルを目指しました。日本のエンドユーザーがディテールを気にする傾向が強いので、Ascend D2 HW-03Eには、赤外線ポートの色味をフレームと同じするといったチューニングを施しています」

Ascend D2とHW-03Eの違い

photo ファーウェイ・ジャパン 端末統括本部 プロダクトセンター 商品企画部長の伊藤正史氏

 グローバル版のAscend D2はメタルフレームが印象的だったが、日本向けのAscend D2 HW-03Eでは、残念ながらプラスチックのフレームに変更されている。この点について、伊藤氏は次のように説明する。

 「グローバル版Ascend D2のバッテリーは内蔵型ですが、 HW-03Eは、ユーザー満足度の観点からバッテリーを取り外せるタイプにしています。防水パッキンも端末の形状に合わせてラウンドさせていますが、これは日本メーカーもやらないようなチャレンジングな機構です。メタルフレームは、防水構造との両立を検討する中で、ない方が防水性能を確保できると判断して見送りました」

photophoto ラウンドフォルムが目を引くAscend D2 HW-03E(写真=左)。リアカバー内側のパッキンも丸みを帯びている(写真=右)

 Ascend D2グローバル版のタッチパネルは、手袋の上からも操作できる「マジックタッチ」に対応しているが、HW-03Eはマジックタッチではなく、濡れた状態でも正確に操作できる「水滴クリアタッチパネル」を搭載している。これら2つの機能は個別に搭載しているが、「将来的な課題として、1台で両方を使えることも視野に入れている」(伊藤氏)そうなので、期待したい。もう1つ、動画撮影時に使えるデュアルマイクもHW-03Eでは「日本仕様を全部入りにする中で、削った」(伊藤氏)とのこと。

 一方、HW-03Eだけに搭載した機能もある。設定した時間になると端末が自動で起動/終了するする「自動電源オン/オフ」だ。フィーチャーフォンではおなじみの機能だが、スマートフォンでは見かけなくなった機能の1つだ。「高速起動と連携して使っていただきたい」と伊藤氏は話す。

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