連載
» 2014年06月27日 21時43分 UPDATE

はじめての格安SIM&SIMフリースマホ 第12回:格安SIMの通話料金とお得な通話サービスをチェックする

MVNOが提供する格安SIMは、以前はデータ通信専用のものが多かったが、最近は音声通話に対応したSIMも増えている。今回は、格安SIMで利用できる通話サービスについて解説しよう。

[石野純也,ITmedia]

格安SIMの通話料金はどれくらい?

 「格安SIM」と呼ばれるMVNOのSIMカードにも、音声通話対応のものが徐々に増えている。スマホでデータ通信だけでなく、音声通話まで済ませたいというニーズに応えるためだ。そこまで頻繁に自分から発信しなくても、たまにかかってくる電話を受けたいという人にも、音声通話対応のプランが求められている。また、「110」や「119」といった、緊急通話に対応しているので、いざというときにも安心だ。

 MVNOに回線を貸し出すドコモ、KDDI、ソフトバンクなどのMNOでは、音声定額プランが主流になろうとしている。ドコモとソフトバンクは、8月いっぱいでLTE対応の既存プランの新規受付も停止する予定だ。3社とも基本使用料は2700円(税別、以下同)。934円か743円といった基本使用料で維持できたこれまでと比べて、割高に感じる人もいるだろう。もちろん、現在利用中の料金プランが急に廃止されるわけではないため、その点は安心だ。一方で、より柔軟なデータ通信の料金設定と割安な基本使用料の音声通話を組み合わせて使おうとすると、現状ではMVNOに利点がある。

通信キャリア大手3社のLTE用プランの通話料
プラン名 基本使用料 通話料(30秒)
NTTドコモ タイプXi にねん 743円 20円
カケホーダイ 2700円 無料
KDDI LTEプラン 934円 20円
電話カケ放題プラン 2700円 無料
ソフトバンクモバイル ホワイトプラン 934円 20円
スマ放題 2700円 無料

 例えば、IIJが提供している音声通話機能付きSIM「みおふぉん」の「ミニマムスタートプラン」の月額料金は1900円。音声通話なしの900円より1000円高く、MNOのプランに当てはめて考えると、この1000円が事実上の基本使用料といえそうだ。データ量が月2Gバイトの「ライトスタートプラン」も同様に、データのみの場合が1520円なのに対し、音声通話ありが2520円と1000円高く設定されている。日本通信の「スマホ電話SIM」はこうした切り分けが少々難しいが、月額基本料が1560円で、ここに200Kbpsに制限されたデータ通信が含まれている。

 また、So-netは無料通話つきの料金プランを提供している。同社の「So-netモバイルLTE+Talk S」は、月額2676円で無料通話が800円分ついてくる。いずれも通話定額ではないが、2000円前後で電話とデータ通信が利用できるプランだ。MNOの基本使用料である934円や743円より少し高いものの、2700円の音声定額プランに比べれば、割安に設定されている。

MVNOの音声通話対応主要プラン
プラン名 基本使用料 通話料(30秒) その他特徴
IIJ ミニマムスタートプラン 1900円 20円 月1Gバイトのクーポンが含まれる
ライトスタートプラン 2520円 20円 月2Gバイトのクーポンが含まれる
日本通信 スマホ電話SIM フリーData 1560円 20円 通信は200Kbpsで使い放題
So-net +Talk S 2676円 20円 高速通信は月500Mバイト、無料通話800円含む
+Talk S2 1890円 20円 高速通信は月1.5Gバイトまで

格安SIMに通話し放題のプランはない

 ただし、通話時間に応じて料金がかかる点には注意が必要だ。加えて、従量部分の料金設定も決して安くはない。上で紹介したIIJ、日本通信、So-netはすべて、通話料が30秒20円に設定されている。これは、ドコモ、KDDI、ソフトバンクのLTE向けプランの通話料と同額だ。KDDIやソフトバンクが提供しているような、30秒あたりの通話料を半額にするオプションも用意されていないため、長時間通話をすると割高になる恐れもある。

 ドコモ、KDDI、ソフトバンクの通話定額に対応しているMVNOも存在しない。あくまで通話は着信が多く、自分から発信することは少ないユーザーに向いた料金設定になっているわけだ。これは、データ通信とは違い、現状の音声通話はキャリアの設備をそのまま使っているため。通話に関しては、MVNOの制度や仕組みはまだまだ発展の余地がある。

電話番号を変えずに割安な通話サービスを利用するには

 とはいえ、格安SIMユーザーの中にも、月によっては通話が多くなることはあるかもしれない。イベントの幹事を任されたり、遠くの友だちに悩みを相談したりといったことがあると、電話は長くなりがちだ。このように、どうしても通話が多くなりそうなときは、サードパーティのサービスを利用するのも手だ。スマートフォンなら、アプリを追加するだけで、データ通信として音声を送受信するサービスを利用できるが、それだと電話番号が変わってしまう。また、緊急通話などにも非対応で、データ通信の混雑度で品質が変わってしまうのも弱点だ。

photo 「LINE電話」などのIP電話アプリを使えば割安な電話をかけられるが、弱点もあることは認識しておきたい。ちなみにLINE電話は、音声通話非対応のSIMだと発信することはできるが、着信はできないので注意したい

 そのようなときには、「楽天でんわ」や「G-Call」といったサービスが便利。通常の音声通話と同じ回線交換方式を採用しているため、上で挙げたようなデータ通信を使うIP電話のような欠点はない。品質はキャリアの電話とほぼ同じというわけだ。仕組みはシンプルで、キャリアの設備を迂回(うかい)して、それぞれのサービス提供元にいったんつなぎ、そこから発信をかけている。固定電話でかつてトレンドになった、自動的に接続回線を選ぶ「LCR」に発想は近い。そして、もちろん、これらのサービスはMVNOでも利用することができる。

photophoto 30秒10円という、通常料金の半額を実現した「楽天でんわ」(写真=左)。こうしたサービスは、キャリアの設備を経由することで実現している。写真は「楽天でんわ」開始時に開かれた記者会見のもの(写真=右)

 上で挙げた楽天でんわやG-Callは、ともに基本使用料は一切かからない。支払いのためのクレジットカードの登録などは必要になるが、気軽に使い始められる。料金はどちらも30秒10円。楽天でんわは国内のサービスで消費税がかかるのに対し、G-Callは海外サービスの扱いとなっており、非課税という違いがある。また、楽天でんわは楽天サービスの1つに位置づけられているため、「楽天スーパーポイント」をためたり、使ったりできる。MVNOの料金プランとも相性がいいサービスだけに、通話料を節約したいときは利用を検討してみよう。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.