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» 2015年07月01日 19時25分 UPDATE

ドコモやauの回線で使ってみたいあなたへ:SIMロックフリーな「Surface 3」が、Y!mobile“以外”のSIMカードと出会ったら……?

日本ではソフトバンクが独占的に扱うMicrosoftの「Surface 3」のLTEモデル。最初からSIMロックフリーと言われると、ドコモとauのSIMカードを差してみたくなりますよね……。差してみましたよ。

[井上翔,ITmedia]

 皆さんは覚えているだろうか。MicrosoftのWindowsタブレット「Surface 3」の発売記念イベントを見に行った筆者が、気付いたら同機の128Gバイトモデルを購入してしまったことを。

 Surface 3のLTEモデルは、日本ではソフトバンク(旧・ソフトバンクモバイル)が独占的に取り扱い、個人向けにはY!mobileブランドのモバイル通信サービスとのセットを前提に販売される。しかし、Surface 3の本体そのものはSIMロックフリーで、本体単品での購入も可能だ。そして、理論上はNTTドコモのFOMAエリア(2.1GHz帯のみ)とXiエリア(2.1GHz帯および1.7GHz帯)や、KDDI(au)の4G LTEエリア(2.1GHz帯のみ:iPhone 5で通信可能なエリアと同等)でも利用できるはずなのだ。

Surface 3の国内対応周波数帯と、各キャリアの対応状況(LTE)
キャリア Band 1(2.1GHz帯) Band 3(1.7GHz帯) Band 8(900MHz帯)
Y!mobile
(ソフトバンク)
NTTドコモ ×
au(KDDI) × ×
Surface 3の国内対応周波数帯と、各キャリアの対応状況(3G)
キャリア Band 1(2.1GHz帯) Band 8(900MHz帯)
Y!mobile
(ソフトバンク)
NTTドコモ ×
au(KDDI)※ × ×
※auは3Gの通信規格が異なるため、周波数帯が合致していたとしても通信不可

 “ふつう”のものを、“推奨”どおりに使わないことに定評のある筆者としては、どうしてもドコモとauのSIMカード(厳密には両社ともに「UIMカード」と呼んでいる)を差して、Surface 3を使ってみたくなってしまう。そこで、某日、Surface 3で使うべく、ドコモショップで「ドコモnanoUIMカード」を、auショップで「au Nano ICカード 04(VoLTE)」をそれぞれ調達し(※)、Surface 3に差してみた。さて、どのような結果になるのか。

※au Nano ICカード 04(VoLTE)は、「isai vivid LGV32」を買うついでに調達しました。お金がどんどん飛んで行きますね……。

photo ドコモ(左)とauのVoLTE対応のnanoSIM(右)は、受け入れられるのか……?

ドコモのnanoSIMの場合

 NTTドコモでは、3G(FOMA)とLTE(Xi)ともに、2.1GHz帯(Band 1)をメインに据えてネットワークを構築している。そのため、Surface 3でドコモのnanoSIMを使うことができれば、そこそこ広いエリアで使えるはずなのである。全く使えないエリアは、エリア情報ページで、3Gなら「FOMAプラスエリア」単独のエリアを、LTEなら「LTEエリア(800MHz)」単独のエリアをそれぞれチェックすると分かる。

 それより何より、ドコモのnanoSIMが使うことができれば、いろいろなMVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する、いわゆる「格安SIM」も使えるはずで、「SIM LABO」のみんなも大喜びするはず。

 ひとまず、調達したばかりのドコモのSIMカードを入れてみよう。

photo まずはドコモのnanoSIMから入れてみる

 入れたあと、ネットワークのチャームを開くと、ドコモのLTE電波を認識し、アンテナピクトも立つことが確認できた。理論上使えるのだから、ある意味当然の結果だ。

photo ドコモのLTE(Xi)を認識した

 ドコモの場合、入れて「接続」をタップすれば、すぐネットに接続――とは行かない。ドコモの場合、自社が提供する「mopera U」にも複数のAPN(アクセスポイント名:接続先を特定するための設定)があり、さらにMVNO回線を含めて多数のAPNが存在するため、初回接続時に、APN設定が必須なのだ。

 Windows 8.1には、mopera Uの接続設定がプリセットされているので、mopera Uを契約済みの回線なら、候補の中から適切なAPNを選択すれば、すぐに接続される。MVNOを含め、その他の接続プロバイダーを使う場合は、「カスタム」を選択し、APN情報を入力すると接続できる。

photophoto mopera Uで接続する場合は、プリセットされたAPNを選択する(写真=左)。それ以外の接続プロバイダーを使う場合は、「カスタム」を選択しAPN情報を入力する(写真=右)

 筆者が今回用意したnanoSIMは、mopera Uの「シンプルプラン」を契約済みなので、プリセットの「mopera U(Xi)」を選択してすぐに接続できた。ドコモ純正サービス万歳なのである。

photo 接続確立画面。しっかり通信できている

auのVoLTE対応nanoSIMの場合

 auは、Band 18/26(800MHz帯)を中心にLTEエリアを構築している。そのため、Surface 3では、auの4G LTEのメイン電波を使うことができない、ということになる。auで使う場合は、(本来は、Band 18/26の補完に使われる)Band 1でのみ使うことになるため、エリアは比較的限られることになる。また、3Gについては、Surface 3が「W-CDMA(UMTS)」に対応しているのに対し、auでは「CDMA2000」を採用していて、規格が異なるゆえにそもそも使えない。

 理論上、「Band 1の4G LTEエリアでのみ使えて、3Gは全くダメ」という、ドコモと比較しても“圧倒的不利”なau回線での利用だが、「試さなくてはオトコが廃る(すたる)」ということで、VoLTE対応nanoSIMを入れてみた。なお、auでは、VoLTE非対応機種用と対応機種用とで、SIMカード(au ICカード)の種類が異なる。「mineo」など、MVNOサービスでの利用を考えると、VoLTE非対応のものでも試してみるべきなのだが、手持ちの都合で、今回はかなわなかった。

photo 次はauのVoLTE対応nanoSIMを入れてみる

 auの場合、ドコモのSIMとは違う挙動となる。入れたあと、ネットワークのチャームを開くと、アンテナピクトの横にauのロゴが表示される。また、Microsoftアカウントがセットアップ済みで、無線LAN(Wi-Fi)などでネットワークに接続済みの場合、バックグラウンドで自動的に「au 利用設定」というモダンUI用アプリをインストールするようになっている。詳細な接続設定は、原則としてこのアプリから行う。

photo auの場合、アンテナピクトの横にauロゴが表示される
photophoto auのnanoSIMを挿入すると、自動的に「au 利用設定」がダウンロードされる

 auでは、PCやモバイルルーターでネット接続をする場合、「LTE NET for DATA」(月額500円、税別)を利用することを前提にしている。LTE NET for DATAを契約済みであれば、特に何も考えずにネットワークチャームの「接続」をタップすれば、すぐに接続される。MVNO回線を含めて、別途APN設定が必要な接続プロバイダーを使う場合は、利用設定アプリの「接続先を設定する」をタップして、APNを追加登録する必要がある。

photo LTE NET for DATA以外のAPNを使う場合は、利用設定アプリを使って登録する

 なお、利用設定アプリでは、PRL(ローミングエリア情報)の更新と、au Wi-Fi SPOTの接続設定も利用できる。しかし、PRLの更新については、Surface 3では正常に動作しなかった。

photo PRL更新はできないようだ

 筆者が今回用意したVoLTE対応nanoSIMは、LTE NET for DATAを契約済みなので、「接続」ボタンをタップすることで、すぐ接続できた。au純正サービス万歳なのである。

photo 接続は問題なく行えた

まとめ:ドコモやauのSIMもきちんと使えて通信できる

 ということで、“推奨”されていない、ドコモやauのネットワークでもSurface 3は接続できる、ということが確認できた。

 mopera U、LTE NET for DATAともに、インターネットに正常に接続し、ITmediaをはじめとするWebサイトの閲覧が可能だった。IPv6サーバーにも接続できることも確認している。

 ただ、今のところは“通信できる”ことだけを確認した段階で、実用的に通信できるか、どの程度の速度で通信できるか試すところまでには至っていない。

 今後、ドコモのmopera U、auのLTE NET for DATA、そしてY!mobileのネット接続サービスでの通信テストを筆者が通信費を自腹で負担して実施しようと思っている。結果は、記事として公開する予定なので、乞うご期待。

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