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» 2016年01月08日 10時00分 UPDATE

石川温のスマホ業界新聞:富士通が携帯端末事業を会社分割。社長は高田克美氏――官製不況到来目前に、他社との経営統合を模索か

富士通が2015年10月に発表した携帯電話端末事業の分社化の詳細が明らかとなった。新設子会社に会社分割で事業譲渡する形式を取るが、市場動向によっては他社を巻き込んだ、さらなる事業再編が進むかもしれない。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 12月24日、富士通は携帯端末事業を会社分割し、新たに設立する富士通コネクテッドテクノロジー株式会社に承継することを明らかにした。社長はメディアのインタビューにも度々、登場している高田克美氏となる。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年12月26日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。


「石川温のスマホ業界新聞」バックナンバー

 分社化に関しては10月に行われた経営戦略説明会で明らかになっており、今回、取締役会で議決された。富士通はパソコン事業も分社化するとしている。

 富士通の携帯電話事業が分社化された背景には他社との合併や統合など生き残りをかけた模索であることは間違いないだろう。

 富士通ではパソコン事業も分社化するが、こちらは東芝の分社化されたパソコン事業と経営統合するのではないかとすでに複数のメディアが報道。ここにVAIOが仲間入りできるかが焦点となっている。

 携帯電話事業は2016年に総務省のタスクフォースによる、端末販売の値引きが制限されれば、端末が売れなくなるだけに、来年中にも大きな動きが出てきてもおかしくない。

 日本メーカーのなかでパートナーを選ぼうと思えば、選択肢は限られてくる。もっとも可能性が高いのは、海外でも比較的堅調な京セラだろう。これまでもiPhoneと競合するハイスペック路線では勝負せずに、ミドルクラスやシニア向け、ジュニア向けや主婦向けといったターゲットを絞った端末構成を手がけてきた。海外でも安価な割に日本品質であるために、ある程度のシェアを獲得している。

 ソニーモバイルが一時期、経営不振により、他社との提携や合併を視野に入れていた時も、京セラが選択肢にあがっていたという話がある。

 かつてSymbianプラットフォームを採用してきた仲間ではあるシャープもいるが、シャープ自身も厳しい経営環境だけに、富士通と組んで弱者連合というわけにもいかないだろう。

 個人的には、いまの富士通は、かつての東芝の携帯電話部門を救済したこともあるだけに、法人向けにWindows 10 Mobile端末を投入してもらいたいと思う。しかし、パソコン部門と携帯電話部門が一体となって分社化されれば、そうした機会もできるが、今回はパソコン部門と携帯電話部門が分かれてしまう。

 2つに分断されてしまっては「パソコンとスマホの融合」は難しくなるだけに新会社となる富士通コネクテッドテクノロジーは「Windows 10 Mobileプラットフォームに注力する」というわけにもいかないのかもしれない。

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