インタビュー
» 2017年06月29日 21時28分 UPDATE

MVNOに聞く:目指すのは「家の中でも外でも、全部UQ」 好調「UQ mobile」の向かう先 (1/4)

UQコミュニケーションズの格安SIM「UQ mobile」が好調だ。当面の目標とする「90万契約」も見えてきた。そんなUQが夏商戦でテーマに掲げたのが「家族」。野坂社長に夏商戦や今後の戦略を聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 2016年10月に、スマートフォンのラインアップを一気に拡大した「UQ mobile」。深田恭子さん、多部未華子さん、永野芽郁さんらを三姉妹として起用したテレビCMも功を奏し、加入者数は急増している。春商戦では契約者数も大幅に増やし、ひとまずの目標とする90万契約も「射程に入ってきた」(UQコミュニケーションズ 野坂章雄社長)。

UQ mobile 夏商戦では「家族」を訴求する「UQ mobile」

 そのUQ mobileが、夏商戦でテーマに掲げたのが「家族」だ。6月8日には、2台目以降を契約すると、2回線目から500円割引になる「UQ家族割」を受付開始。端末のラインアップも広げ、シャープの「AQUOS L2」と京セラの「DIGNO V」に加え、Huaweiの「P10 lite」を発売した。

 親会社にあたるKDDIも、UQ mobileをサブブランドの一角と位置付け、本腰を入れ始めた。経営指標として、新たに傘下のMVNOを含めた「モバイルID数」を導入。auに加え、UQ mobileやJ:COM MOBILEを成長のための基盤と見なすようになった。一方で、急成長する大手キャリアのサブブランドに対し、他のMVNOは警戒感をのぞかせている。

 こうした状況に置かれたUQ mobileをかじ取りするのが野坂社長だ。同氏に、春商戦を振り返ってもらいながら、夏商戦以降の取り組みや、UQ mobileが目指す方向性を聞いた。

夏商戦で「家族」を訴求した理由

―― 最初に、秋の発表から春商戦にかけてを振り返っていただけないでしょうか。手応えはいかがでしたか。

野坂氏 2015年の秋にKVE(KDDIバリューイネイブラー)を合併しましたが、現実としては、2016年の10月が事実上のスタートでした。いろいろなことを置いておき、本音を言うとそうなります。無名の戦士みたいところから、一気に有名にしないと勢いがつかない。垂直立ち上げをしたいと言ってはいましたが、不安は満載でした。

UQ mobile UQコミュニケーションズの野坂章雄社長

 (夏商戦の)発表会で芸能パートを重視したのは、CMがやはり重要だったからです。みんなに受け入れていただくには、ずっと見ていただき、「あの会社だ」と思われないと出ていけません。CMでは「UQ、UQ」と連呼しているだけですが、それと、1980円の2つを訴求できればいいと思っています。これは発表会でも言ったことですが、若い女性がターゲットというわけではなく、その裏側では男性も支持する。40代、50代が見ても好感度のあるCMになり、ラッキーだった面もありますが、まあまあ当たっています。

 10月に4Pと言って、もともと京セラとLGしかなかったところに、ラインアップを一気にそろえ、料金も1980円から。プレース(売場)としてのUQスポットもやり切り、それらを全部まとめたのがコマーシャルということになります。

 結果、(秋の発表会の際に)12月以降の薄い線で書いていたところ(予想契約者数)が現実になりました。たまたまですが、3月は目標をさらに超えています。季節変動はありますが、狙いのさらに上に行けた。4月、5月になっても、同じような勢いを維持しています。

 いろいろな議論はありますが、業界としては、例のタスクフォースで言われていたことが、それなりに出来上がってきています。その中で、UQは、ユニバーサルクオリティーのUQだと一貫して言い続けてきました。私自身、通信は長年経験していますが、かつてもいろいろなプレーヤーが出てきて、それが消えていくことを繰り返しています。その中で、一定の規模感を持たないといけない(消えてしまう)というのは信念としてあります。

―― 夏商戦で、「家族」を訴求した理由を教えてください。

野坂氏 「5人に1人を連れてくる」という、(Y!mobileの)寺尾さんの発言がありましたが、結果として出だしも好調で、そうなのかなと思っています。ここは、Y!mobileさんをキャッチアップしていきたい。まねじゃないかとも言われてしまいますが、伸びているとき、攻めているときは、まずイコールにするところが中間的な完成系になります。もちろん、競争なので先に行くことは必要ですが、大きな業界の流れを見ると、Y!mobileもわれわれも、同じ立場なところはあります。

 本当のところを言うと、ホームルーターの「L01」などがあって、「家の中でも外でも、全部UQです」とやっていきたい。家の中にいて電車に乗り、学校や会社に行って、また帰ってくる。こういうときに、家にL01があったり、モバイルルーターとスマホを持っていったりしてくれれば、家族全員がUQになります。

UQ mobile ホームWi-Fiルーター「L01」

WiMAXとのセット割は……

―― 今回はUQ mobileが複数回線だと割引になりますが、UQ WiMAXとのセット割が提供されていません。

野坂氏 (キャンペーンでもらえる)例の三姉妹の時計、実物をご覧になったことはありますか? あれはかなり意味があると思っています。足せば下げるというのではなく、2回線持っても6360円(WiMAX 2+の「UQ Flat ツープラスギガ放題」と、UQ mobileの「プランS」を合算した金額)で十分安い。オマケは付けるので、ぜひ頑張ってくださいという感覚です。(価格には)ある一定の線があり、今はこれで戦えないとおかしい。値段を下げればいいというのは分からないでもないですが……。

 これはいつも営業に言っていることで、スマホが得意なスタッフ、ルーターが得意なスタッフはもちろんいますが、どちらも法人の営業のように、「家族は何人いるのか」「家では何を使っているのか」としっかりコンサルしないと、なんとなくスマホ(が得意なスタッフ)はスマホ、ルーター(が得意なスタッフ)はルーターになってしまいます。そこに家族割が入ったのは大きいですね。

―― 出だしは好調とのことですが、規模感はいかがですか。

野坂氏 数字までは言えませんが、確かに効果はある。自分でやってみて、「へー」と思うところはありました。でも、それはそうですよね。自分が入って、家族を連れてくれば1480円になるので。

―― 家族をまとめて他社から獲得しているのか、すでにUQ mobileのユーザーが新たに家族を連れてきているのか、どちらなのかは分かりますか。

野坂氏 そこは、まだ分析できていません。一緒にドンっと入っているのか、家族を連れてきているのかは、もう少しボリュームがそろった段階で分析しようと思っています。ただ、感触では両方ありそうな気はしています。頑張っているとはいえ、まだ(家族を連れてくるほどの)ボリュームはないので。通信は、やはり個々人がバラバラと買っていくものではなく、家族で入るものなのかもしれません。

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