新型15インチMacBook ProとMacBook Airを試した13インチとどう違う?

» 2009年06月23日 18時34分 公開
[ITmedia]

 これまで13.3型ワイド液晶を搭載する新しいMacBook Proを2回に渡って紹介してきたが、ここではそのほかのMacBookファミリーから、15インチMacBook ProとMacBook Airを取り上げる。評価したのは、15インチMacBook Pro(MB985J/A)と、MacBook AirのHDD搭載モデル(MB233J/A)だ。

※記事初出時、15インチMacBook Proの型番を誤って記載しておりました。正しくはMB985J/Aです。お詫びして訂正します。

 細かい仕様上の変更点などは、すでに「アルミユニボディの15インチMacBook Proが一新、17インチモデルも値下げ」や「MacBook AirのCPUが高速化し、16万円台に値下がり」、「アルミユニボディの新型MacBook Proファミリー、気になるお値段は?」にあるとおりだが、簡単に整理すると、15インチMacBook Proは基本システムの強化とSDメモリーカードスロットの搭載、および本体一体型の内蔵バッテリーによる7時間駆動。一方のMacBook AirはCPUを強化したマイナーバージョンアップだ。

15インチMacBook ProもSDメモリーカードスロットを搭載

 15インチMacBook Proは、SDメモリーカードスロットが新設されたことでExpressCard/34スロットが省かれ、ケンジントンロックの位置も変更されているが、基本的には従来モデルのボディを踏襲している。本体サイズや重量なども変わらず、バックライトキーボードや液晶上部の内蔵iSightなども同様だ。

 左側面に新設されたSDメモリーカードスロットは、13インチモデルと同じようにSDメモリーカードを挿入すると1センチほど外に飛び出てしまう構造になっている。これはちょっと……いやかなり残念だ。ちなみに、13インチモデルは音声入出力が共用(排他)になっていたが、こちらは入力と出力で1系統ずつ用意されている。

MacBook Pro。1440×900ドット表示に対応する15.4型ワイドの光沢液晶を搭載。キーボード面も左右脇にスピーカーを内蔵するおなじみのデザインだ

暗い場所でもキートップの刻印が見やすいバックライトキーボード(写真=左)と内蔵WebカメラのiSight(写真=中央)。残念ながら15インチモデルでもSDメモリーカードは飛び出る構造だ(写真=右)

本体前面と背面

本体左側面と右側面。左側面にSDメモリーカードスロットを搭載し、ExpressCard/34スロットが省かれた。また、ケンジントンロックは右側面に移動している

 一方、MacBook Airは外観上の変更点はなく、今回評価したHDDモデル「MB233J/A」は、従来機に比べてCPUクロックが1.6GHzから1.86GHzに引き上げられたのみ。最大の注目点は、16万8800円という価格だろう。

MacBook Air。1280×800ドット表示に対応した13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載。2008年10月発表のモデルで液晶ヒンジ部分の見直しがあったことを除けば初代モデルのボディを踏襲するが、いつ見ても薄いと思わせる絶妙なデザインだ

システムパフォーマンスを検証、「EFI Firmware Update 1.7」は?

 それでは早速ベンチマークテストで性能をチェックしていこう。ここではCINEBENCH R10と、PC USERでおなじみのiTunesによるファイル変換テストを行い、先日レビューした13インチMacBook Pro(MB990J/A)を比較対象に挙げた。

 CINEBENCH R10の結果を見ると、Rendering xCPUのスコアは、2.66GHz(FSB 1066MHz/2次キャッシュ3Mバイト)のCore 2 Duoを採用する15インチモデル(MB985J/A)が5787と高く、同様にOpenGLのスコアも外付けのGeForce 9600M GT(256MバイトGDDR3)の効果が出ている。一方、MacBook Air(MB233J/A)は、同じグラフィックス機能を持つ13インチMacBook Proよりも低いスコアとなったが、これはGPUのコアクロックを意図的に下げているためだろう。iTunesでファイル変換に要した時間も、QuickTimeファイル(再生時間1分)の「iPod/iPhone用」変換で、15インチMacBook Pro(MB985J/A)が67秒、Appleロスレスファイル(再生時間10分)のAAC変換で19.5秒と、ほかの2機種に比べて速く処理を終えた。

CINEBENCH R10(画面=左)とiTunesファイル変換テスト(画面=右)の結果

 なお、WWDC 2009で発表された13インチ/15インチMacBook Proは、実は出荷時の状態でSerial ATAの転送速度が従来の3Gbpsから1.5Gbpsに(なぜか)変更されており、これを3Gbpsにアップグレードするためのファームウェア「EFI Firmware Update 1.7」(3.1Mバイト)が公開されている。そこでこのファームを適用したうえで、XbenchのHDDテストを行ってみた。

MacBook Pro EFI ファームウェア・アップデータ 1.7の適用前(画面=左)と適用後(画面=中央)。Serial ATAインタフェースの速度が1.5Gbpsから3Gbpsに上がる。ファームウェアの容量は3.1Mバイト(画面=右)

 結果を見れば分かるように、当然ながらスコア差はほとんど誤差の範囲と言える。評価機に搭載されていたHDDは、日立GST製の500Gバイト(2.5インチ/5400rpm)ドライブだったが、ユーザー自身でストレージをSSDなどに換装して利用するのでなければ、ファームアップする意味はほとんどなさそうだ。

XbenchのDisk Testの結果(画面=左)と各テストの転送速度(画面=右)

 以上、駆け足で新しい15インチMacBook ProとMacBook Airのシステムパフォーマンスを見てきた。次回は15インチMacBook Proを中心に、バッテリー性能やWindows XP環境下での性能評価を行っていく。

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