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第3回 日本HPの注目プリンタ「HP Photosmart Premium C309G」に迫るプリンタ09-10年モデル徹底検証(4/4 ページ)

» 2009年12月24日 18時15分 公開
[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]
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プリント/コピーのスピード

印刷速度テストの結果
製品名 C309G
PCからA4普通紙モノクロ印刷(JEITA J1)
標準 4秒4
はやい 3秒1
PCからL判写真フチなし印刷(独自画像)
高画質+最大dpi 1分36秒8
高画質 40秒4
標準 20秒5
L判写真フチなしダイレクト印刷(独自画像)
標準 34秒9
A4普通紙カラーコピー(独自画像)
標準 23秒9
PCからA4普通紙自動両面印刷(JEITA J9)
標準 2分45秒3
はやい 1分10秒5
テストに使用したPCのスペック CPU:Core 2 Duo E8400(3.0GHz)、マザーボード:ASUSTeK P5KPL-CM、チップセット:Intel G31 Express、グラフィックス:チップセット内蔵(Intel GMA3100)、メインメモリ:3Gバイト、HDD:Seagate ST3500320AS(7200rpm)、OS:Windows XP(SP3)

 プリントエンジンの速度もチェックした。テストはA4モノクロテキスト、L判カラー写真、A4カラーコピー、自動両面印刷の4パターンで行っている。計測した時間は、PC接続の場合、複合機で用紙が引き込まれる瞬間から、排紙が完全に終了する瞬間までだ。ダイレクト印刷の場合は、印刷ボタンを押した瞬間から、排紙が完全に終了する瞬間までとしている。

 A4モノクロテキストでは、JEITAのプリンタ用標準テストパターン「JEITA J1」を用いた。印刷モードは標準モード(標準)と高速モード(はやい)の2通りを試している。結果はどちらのモードも非常に良好なスコアだ。高速モードと標準モードは1秒程度の差しかないが品質は目に見えて違うので、素直に標準モードを常用すべきだろう。強いて高速モードの用途を見出すとすれば、顔料ブラックインクが切れかけているが予備のインクが手元にない、といったケースくらいだろうか。

 L判カラー写真はPC経由の印刷と、ダイレクトプリントの2パターンでテストを行った。プリントメディアはアドバンスフォト用紙を用い、「フチなし」設定で印刷している。プリンタドライバの設定は、PC経由では最高画質を含む上位3段階(高画質+最大dpi/高画質/標準)に設定した。ダイレクトプリント時は画質を変更できないので、デフォルトで計測している。

 結果は、PC接続時の最大dpi設定で1分36秒8、高画質設定で40秒4だから、ストレスを感じるほどではない。十分に常用できるスピードだ。この倍近い時間がかかるならばともかく、わざわざ最大dpiのチェックボックスを詳細設定のメニューに分ける必要はないように思う。ダイレクトプリントも34秒9と高速だ。

 カラーコピーではA4サイズのプリントを用いて、標準モード(標準)のみを測定した。結果は23秒9と、かなり優秀な成績だ。高速モード(ドラフト)は品質が落ちるが、HPの場合は私的な利用ならば何とか役に立つ程度の品質は保てている(全面が写真の原稿だとつらいが)。適宜使い分けることで、よりコピーの使い勝手は増すだろう。

 自動両面印刷のテストでは、A4普通紙にJEITAのテストパターンJ9(全5ページ、両面で2ページ半)を印刷した。プリンタドライバの設定は標準モード(標準)と最低画質モード(はやい)の2通りを試している。結果は最低画質モードで1分10秒5、標準モードで2分35秒3というスコアを得た。最低画質は非常に高速で、標準モードはまずまずの速度だ。

 なお、動作時の静音性に関しては、別途静音モードなどを用意しておらず、高速なモードでは振動や騒音がそれなりにあるものの、全体に標準的なレベルとの印象を受けた。ただし、C309Gは起動時間が比較的長いため、スタートアップの動作音が長く続く点は気になるかもしれない。

L判写真印刷のインク+用紙コスト

 最後にランニングコストだが、下表にメーカーが公表しているインクと写真用紙の合計コストをまとめた。C309Gは、HPの2008年末モデルと同様、インクと写真用紙をセットにしたフォトバリューパックをランニングコストの測定に用いているので、値に変動はない。L判1枚で約19.6円だ。

 ただし、HPは測定に独自の画像データを採用しており、他社が公開しているインク+用紙合計コストと横並びで比較できない点は注意してほしい。

L判写真印刷のインク+用紙合計コスト
製品名 C309G
インク/用紙合計コスト 約19.6円
測定に使用した用紙(直販価格) フォトバリューパック:4色インク+アドバンストフォト用紙200枚のセット(3927円)
測定に使用したインク(直販価格)
測定に使用した画像データ HP自社基準

コストパフォーマンス抜群の高機能複合機

 最後に、今回の特集では価格帯の関係で紹介していないが、HPで気になるモデルはもう1台ある。それが、ミドルレンジの「HP Photosmart Plus B209A」だ。タッチパネル付き2.4型液晶モニタとタッチフレームによる操作性、前面給排紙機構と2段式トレイによる利便性に加えて、無線LAN機能も標準で装備している。インクセットが染料4色なのでデスクサイド向けとはいい難いが、耐候性はともかく、コピーやテキストの品位については過去のHPプリンタが残した実績から十分に期待できる。気になる価格はHP Directplusで1万5960円だ。

 B209Aはかなり買い得感のある製品だが、C309Gはよりコストパフォーマンスが高いと思う。大型の液晶モニタとタッチ操作への対応をはじめ、インタフェースも充実しており、たいていの用途をカバーできる性能と機能を持つ。しかも、写真共有サービスとの連携といった新要素も取り入れた意欲作だ。筆者としては6000円程度の価格差ならば、迷わずC309Gを選択する。


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