動作音のテストについては、アイドル時では静かな場所でファンが回っていることが認識できる程度だが、高負荷になるとかなり大きな音がした。特にGPUに負荷がかかる3DMark06の実行中は動作音が大きい。
一方、発熱の処理は優秀で、ボディ表面のどの部分も30度を超えることはなかった。ファンを積極的に回すぶん、ボディはしっかり放熱できている。ただ、今回テストしたのは発売前の試作機なので、今後はファンコントロールが調整される可能性もあるだろう。
バッテリー駆動時間のテストは、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。Windows 7の電源プランはバランス、ディスプレイ輝度は40%、BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」だ。無線LANでインターネットに常時接続し、WebブラウザはInternet Explorer 8(32ビット)を使用した。
この条件でのテスト結果は約2時間5分だった。据え置きでの利用を前提とした大型のノートPCなので、屋内を移動しながらちょっとバッテリー駆動する程度ならば、これで問題ないだろう。
VAIO F(3D)の店頭販売向け標準仕様モデルであるVPCF219FJ/BIは、実売価格が25万円前後となっている。継続販売される従来機の上位モデル(VPCF149FJ/BI)は発売時に実売価格が23万円前後だったので、2万円ほど上乗せされたことになる。
VPCF149FJ/BIはAdobe RGBカバー率100%の液晶ディスプレイを搭載し、Adobe Photoshop Elements 9やAdobe Premiere Elements 9などをプリインストールするクリエイティブ用途向けの仕様なので、単純には比べられないものの、第2世代Core i7を筆頭に最新のスペックを備えつつ、クオリティの高い3D立体視機能まで提供していることを考えれば、妥当な価格設定に思える。
とにかく、クロストークがぐっと抑えられた3D立体視で見るHD映像の美しさは、間違いなくPC環境で最高級だ。これを見れば、PCで3Dの導入はまだ早いと感じていたユーザーも欲しくなるかもしれない。また、HD映像に対応した2D→3Dリアルタイム変換機能や3Dボタン、3Dトランスミッターの内蔵など、使い勝手も非常に優れている。3Dコンテンツの再生と立体視表示がこれだけで行なえるだけでなく、HDMI経由で3D対応テレビに出力することも可能だ。
Blu-ray 3Dや3D撮影が可能なデジタルカメラなど、3Dコンテンツに触れる機会も多くなってきているだけに、本格派の3D立体視が手軽に体験できるパーソナルな3Dマシンとしての魅力は大きい。ハイエンドモデルだけに値が張るが、現時点で3D立体視の品質を優先してPCを選ぶのであれば、これで決まりといっても過言ではないだろう。
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