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» 2011年05月25日 23時00分 UPDATE

ワイヤレスジャパン2011:ドコモとKDDI、スマートフォン戦略の違いが鮮明に――ワイヤレスジャパン基調講演

「ワイヤレスジャパン2011」の基調講演で、転換期のにあるモバイル市場に向けた戦略を語ったドコモの山田社長とKDDIの田中社長。スマートフォンに注力する点は同じだが、そのアプローチは異なっている。

[後藤祥子,ITmedia]

 ワイヤレス技術の展示会「ワイヤレスジャパン2011」の基調講演に、NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏と、KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏が登壇し、モバイル市場に対する戦略を語った。

 両社とも、スマートフォンに注力するのは同じだが、ドコモの山田氏は「iモードサービスをスマートフォンに対応させることに取り組む」、KDDIの田中氏は「積極的にオープンなコンテンツを取り込んでいく」と、そのアプローチは異なっている。

iモードサービスのスマートフォン対応に注力――ドコモ

Photo NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏

 2011年度のスマートフォンの販売目標を600万台とするドコモは、各種端末・サービスの開発から、コンテンツ開拓、サポートに至るまでの体制を一気にスマートフォンにシフト。「スマートフォンの顧客満足度を高めることを目指す」と山田氏は意気込む。その中で注力するのは、iモードサービスのスマートフォンへの展開だ。

 「iモード端末からスマートフォンに変えると、iモードで使っていた機能がなくなって使い勝手が悪い、という声が挙がっている。iモード系サービスでやっていたものをスマートフォンでも対応できるよう、鋭意取り組んでいる」(山田氏)

 夏商戦向けのスマートフォンは、9機種のうち5機種がおサイフケータイに対応。ワンセグも5機種が対応し、防水対応が3機種、赤外線対応が6機種となるなど、日本の携帯電話でおなじみの機能が続々とスマートフォンに搭載された。

 サービスについては今夏をめどに、緊急地震速報などを伝えるエリアメール(CBS方式)とiチャネル、メロディコール、テレビガイド番組表がスマートフォンに対応。2011年の冬には、月額課金が可能なiモードの課金・認証システムに対応するとともに、マイメニューの引継ぎにも対応させる計画だ。

 エリアメールは今冬にも、Xi(LTE)端末からETWS方式に対応させる予定。iコンシェルは年代や居場所、時間などのユーザー属性に合った情報を配信できるよう進化させ、今冬からスマートフォンでも使えるようにするという。

 おサイフケータイは、Android 2.3でサポートされ、世界での普及が見込まれるNFCへの対応も進めるとし、2012年の移行期までにTypeA(MIFARE)、TypeBとFeliCaをNFCチップを搭載した端末上で使えるようにする方針。ゆくゆくはSIMにTypeA、TypeBとFeliCaのサービスを内蔵した形で提供する予定だ。

sa_wjk05.jpgPhoto 2011年度の目標販売台数は600万。2012年度にはフィーチャーフォンを上回る販売台数を目指す(画面=左)。夏商戦向けモデルには日本のトレンドサービスが搭載された(画面=右)

sa_wjk09.jpgPhoto 冬商戦向けモデルはiコンシェルに対応(画面=左)。iモードの課金・認証システムも対応させ、スマートフォンで月額課金サービスを提供可能になる(画面=右)

sa_wjk10.jpgPhoto Xi(LTE)は2011年度に100万契約、2014年に1500万契約を目指す(画面=左)。LTE-Advanced(4G)は2015年の開発完了を目標に据えている(画面=右)

Photo NFCへの対応も進める。2012年には移行期の端末を提供する予定だ

積極的にオープンコンテンツを取り込んでいく――KDDI

Photo KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏

 KDDIは2010年の秋からスマートフォンを主軸とする戦略にシフトし、スマートフォンのラインアップや対応サービスを急速に拡充している。夏モデルでは、フィーチャーフォンで人気を博した「INFOBAR」のスマートフォン版を投入するなど、“auらしさ”をアピール。SkypeFacebookとの連携を進めるなど、PC発のサービスの取り込みにも積極的だ。

 同社社長の田中氏は、これからの10年で“なんちゃってインターネット”だったモバイルが、“真のインターネット”になると説明する。過去10年のモバイルサービスは、PCのサービスを携帯電話向けにカスタマイズして提供してきたものであり、画面サイズや操作性、CPUパワー、ネットワークの速度などの限界から、制限されたものにとどまっていた。しかし、これらの制限が、高性能なスマートフォンや高速なモバイルネットワークの登場で解消され、「PCインターネットでできることが、完全にモバイルでできるようになる」(田中氏)という。

 そうなるとユーザーは、デバイスの違いを気にすることなくサービスを利用できるようになる。こうした流れを受けてKDDIでは、同じアプリケーションをどのデバイスでもシームレスに、最適なネットワークで利用できるようにする「3M」(マルチユース、マルチデバイス、マルチネットワーク)戦略を打ち出し、今後10年で推進する計画だ。

 田中氏はマルチユースのキーワードを“シームレス”とし、固定とモバイルとの間でシームレスに利用できるサービスを提供する考え。auブランドのサービスを携帯電話やスマートフォン以外のデバイスでも使えるように展開するとともに、「これまでにも増して積極的に、オープンなコンテンツを取り込んでいきたい」(田中氏)と意気込んだ。

 また、マルチユース展開に向けた取り組みとしてサービスのクラウド化を進め、無料か月額課金で提供する構造に変えていくという。同社では第1弾として、月額1480円で音楽が聴き放題の「LISMO unlimited」を提供する予定だ。

sa_wjk20.jpgPhoto これまでの携帯電話サービスは、PC発のものを携帯向けにカスタマイズしていたと田中氏

sa_wjk22.jpgPhoto KDDIが打ち出す3M戦略(画面=左)。さまざまなデバイスでauブランドのサービスを利用できるようにするほか、オープンなコンテンツを積極的に取り込んでいく(画面=右)

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