日本ではiPhoneやAndroid端末をはじめとするスマートフォンがシェアを伸ばしつつあるが、海外も例外ではない。特にAndroid端末は2009年頃から海外メーカーがこぞって新機種を投入し、スマートフォンの普及に拍車をかけている。そんな中、世界市場で存在感を示しているメーカーの1つが、韓国のSamsung電子だ。
Samsung電子が開発したAndroidスマートフォン「Galaxy S(GT-I9000)」は、2010年5月25日のシンガポールでの発売を皮切りに、7月上旬までに欧州や東南アジアなど世界21カ国で販売されている。韓国ではSK Telecomが6月24日にGalaxy Sを発売したところ、5時間で初回出荷分の1万台が完売し、発売してから約1カ月で約50万台の売り上げを記録した。韓国の市場規模を考えると、日本ではミリオンセラーに相当する売れ行きだ。米国ではVerizon Wireless、AT&T、Sprint Nextel、T-Mobileの4キャリアが同モデルを発売していることも話題を集めている。
日本でも、NTTドコモがGalaxy Sをベースにしたモデルを発売することを告知しており、「Xperia」や「HTC Desire X06HT」などと並ぶ高機能Android端末の登場が期待される。
このように世界で注目を集めているGalaxy Sはどんなモデルなのか。Galaxy Sのグローバル端末に触れる機会を得たので、ファーストインプレッションをお届けしよう。なお、Galaxy Sは、日本での無線機器の使用を認める「技術基準適合認定」を受けていないので、Wi-FiやBluetoothなどのネットワークには接続せずに検証した。
Galaxy SのOSはAndroid 2.1で、マルチタッチやFlash Lite3.1、Googleサービスの複数アカウントにも対応している。タッチパネルのレスポンスもきびきびしていると感じた。プロセッサーには1GHzの自社製品を採用している。
ボディサイズは64.2(幅)×122.4(高さ)×9.9(厚さ)ミリ。58.6(幅)×115.2(高さ)×9.3(厚さ)ミリの「iPhone 4」と比べると厚さは同程度だが、幅はGalaxy Sの方が広い。筆者がiPhoneでの操作に慣れていることもあり、片手で扱うには少し太いと感じた。特筆すべきは119グラムという重さ。iPhone 4の137グラムよりも18グラム軽く、手に取ると思いのほか軽く感じる。
ボディ形状はスマートフォンの中では一般的なフルタッチ型。ディスプレイ下部にホームキーがあり、その左右にあるセンサーキーから、戻る操作とサブメニューの呼び出しができる。
ディスプレイは、4.0インチでワイドVGAサイズ(480×800ピクセル)のスーパー有機ELこと「Super AMOLED」を採用し、高コントラスト、広視野角で鮮明な表示が可能。Super AMOLEDは、ディスプレイとタッチセンサーを一体化することで、ディスプレイとガラス部分の距離が縮まり、スリム化に貢献している。さらに、屋外での視認性とタッチ感度も向上している。
では、Galaxy Sのディスプレイはどれほど見やすいのか。IPS液晶を搭載するiPhone 4と比べてみた。ディスプレイのコントラスト比はiPhone 4の800:1に対してGalaxy Sは10万:1と高い。画面サイズに合わせてトリミングした同じ画像を2機種で表示して見比べてみたが、Galaxy Sの方が鮮やかでメリハリのある発色だと感じた。ただ、Galaxy Sの色はややオーバーな感もあり、このあたりは好みが分かれそうだ。
視野角の広さではiPhone 4も負けていない。iPhone 4が搭載しているIPS液晶も広視野角が特長。上下左右の斜め角度からでもしっかりと写真を認識できたので、動画や写真を大勢で見るときなどに重宝するだろう。
同じく有機ELディスプレイを搭載するX06HTと比べるとどうか。X06HTのディスプレイはやや赤みがかっているが、良くも悪くも、発色はGalaxy Sほど強烈ではない印象。一方、Galaxy Sはガラス板とディスプレイが近いだけあり、写真とディスプレイが一体になっているような迫力を感じた。
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