すべてで「これぞG'zOne」を目指して──10年目で到達した「原点回帰」開発陣に聞く「G'zOne TYPE-X」(1/3 ページ)

» 2010年12月13日 09時30分 公開
[青山祐介,ITmedia]

 カシオ計算機の「G'zOne TYPE-X」は、防水・防塵性能に加え、耐衝撃性能を持った「タフネスケータイ」シリーズの最新作。約1年半ぶりの登場となった「G'zOne」は、薄くてスリムなデザインの前作「G'zOne CA002」から一転、大柄なボディに円形の大きなサブディスプレイと頑丈なバンパーを備えた。プロモーションの随所に「G'zOne is back」というフレーズをうたい、コンセプトもそのものずばり「原点回帰」。G'zOneファン納得のモデルに仕上がった。

photophoto 「G'zOne TYPE-X」。ボディカラーはグリーン、レッド、ブラックの3色

 6月からNECカシオモバイルコミュニケーションズとカシオ日立モバイルコミュニケーションズが事業統合したこともあって、これまでカシオ日立で企画・開発を行っていた担当者がすべてNECカシオに移っている。そのため、デザインはカシオ計算機の担当者に、商品企画と開発をNECカシオの担当者にインタビューする形となった。NECカシオからはマーケティングを担当したKDDI事業部 営業グループ主任の高木健介氏と商品企画グループの佐合祐一氏、ハード設計を担当した第二商品開発本部 ハード管理・カメラ技術部グループ エキスパートの猪俣真一氏、 第二商品開発本部 第二構造設計グループ 主任の安田晋也氏、ソフト設計を担当した第二ソフトウェア開発本部 仕様設計グループ 主任の菊島正昭氏の5人。そしてデザインを担当したカシオ計算機 デザインセンター プロダクトデザイン部 第四デザイン室 奈良勝弘室長と池津早人氏の、計7人に話を聞いた。

photo 上段左から菊島氏、猪俣氏、奈良氏、高木氏、下段左から安田氏、池津氏、佐合氏

「G is One」――他のどれにも属さない唯一無二の存在

photo NECカシオ KDDI事業部 営業グループ主任 高木健介氏

── G'zOne TYPE-Xは「原点回帰」がキーワードになっていますが、そもそもG'zOneシリーズとはどういうケータイなのでしょうか?

佐合氏 G'zOneはまずタフネスであることが第一。ですから最初のモデルからずっと防水・耐衝撃性能を持ったケータイとして開発してきました。また、タフさを表現するデザインも1つのポイントで、その象徴が大きくて丸いサブディスプレイです。W62CAやCA002ではその表現を使いませんでしたが、やはりG'zOneはそこに期待しているという声がありました。

高木氏 初号機のC303CAを出したときに「他のどれにも属さないケータイ」として、タフネス性能を兼ね備えたデザインコンセプトモデルという位置付けで出しました。防水・耐衝撃というタフネス性能自体が当時の日本のケータイにはなく、他のどれにも属さない唯一のデザインに価値を感じていただく商品であるべき、との考えでG'zOneシリーズをやってきました。

 また、G'zOneという名前は「G is One」に由来します。「G」はカシオ計算機の「G-SHOCK」をはじめとしたタフネスシリーズの総称です。ケータイは複数を使い分けることもある時計と違って基本的に1人1台しか持ちません。だからこそ“ケータイの「G」は1つ”という意味で「G is One」なのです。

photophoto 歴代のG'zOneモデル。上段は海外で発売しているG'zOneシリーズ(写真=左)。W62CAとCA002はやや控えめなデザインだった(写真=右)
photo カシオ計算機 デザインセンタープロダクトデザイン部 第四デザイン室 室長 奈良勝弘氏

── 防水が普及した最近のケータイの中で、G'zOneという存在感を示すという意図もあるのでしょうか。

奈良氏 確かに防水は当たり前の機能になっています。その中で防水に加えてタフネス、耐衝撃機能を重視してきた自負もあり、他社に負けるわけにはいきません。だからこそもう一度気合を入れ直す意味もあります。そこでいろいろな側面からタフネス性能を見直してみました。その結果、防水・耐衝撃だけでなく、アウトドアの山の中できちんと電波が拾えるか、バッテリーがちゃんと持ってくれるか、といったこともタフネス性能の1つとしてとらえたのです。

 ただ、こうした要件をすべて満たそうとすると、とてつもなくいかつい姿になってしまうので、普通のケータイではありえません。しかしG'zOneならそれをやることができます。この形が嫌いという人にはごめんなさい、で、これを受け入れてもらえる人にとっては、とことん気に入ってもらえるようにデザインしました。

── これだけ長い間、一貫したコンセプトが続くケータイは他にはないのでは?

佐合氏 決してG'zOneはこういうものだという定義があるというわけではありません。毎回、開発メンバーの中にある“G'zOneはこうあるべき”という思いが集まって生まれているわけです。それがぶれないのは、やはりメンバーの持つG'zOneのイメージが同じだからだと思います。

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