HTCが「インスタント・キャプチャ」と呼ぶカメラは0.7秒で起動し、シャッターボタンを押した直後に撮影されるので、シャッターチャンスを逃さずサクサク撮影を続けられる。オートフォーカスも0.2秒と速い。静止画撮影と動画撮影の方法を分かりやすくするよう、静止画・動画撮影用の大きなボタンを設けた。また静止画撮影ボタンを押しっぱなしにしていると1秒間に4枚を撮れる連写が始まり、最大99枚を撮影できる。その後、連写した中からベストな1枚を選んでくれるほか、ベストショットのみを保存、連写した全写真を保存するかを選べるのも気が利いている。静止画と動画を2人で分担して撮る……といった手間が省けるよう、動画撮影中にシャッターボタンを押して静止画(500万画素)を撮る機能も設けた。撮影した動画から静止画をキャプチャーすることもできる。
画質については夕暮れや早朝、暗闇、逆光などの環境でもきれいに撮れるよう、異なる露出で撮影した写真を合成する「HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影」、被写体との距離に応じてフォトライトを5段階で調節する「自動調整フラッシュ」を用意した。F値2.0のレンズや裏面照射型CMOSセンサーにより、明るく感度の高い写真を撮れる。最大10人の笑顔やまばたきを認識し、連写した中からお勧めの1枚を選ぶ「グループショット」も利用できる。これらの撮影機能は、HTC独自のチップセット「imageChip」を含むカメラモジュールによって実現している。この独自チップにより、写真のノイズを40〜60%抑制できるという。
音楽機能にも注力し、2011年にHTCが買収したBeats Electronicsのオーディオ技術をHTC One S同様、HTC Jにも搭載している。Beatsの技術により、アーティストが表現したいサウンドを忠実に再現できるが、Beatsの音響効果が得られるのはBeatsのヘッドフォンやイヤフォンを装着したときのみ。そこでHTC JにはBeatsのイヤフォン「Beats by Dr.Dre urBeats In-Ear Headphones」を同梱。このイヤフォンはHTC J向けに開発した非売品で、通話ができるマイクも付いている。1万〜1万5000円相当するというだけあって、「同梱するかどうかは何度も議論した」(説明員)という。同梱イヤフォンのケーブルは赤く、キャップは(本体色の)レッドとブラックが黒、ホワイトが白となっている。Beatsのイヤフォンを挿入して音楽を再生すると「Beats Audio」が起動して、イヤフォンの音質を最適化する信号処理が行われる。Beats Audio起動中は、HTC独自のミュージックプレーヤーとau独自のLISMO Playerで、音響効果を変える「サウンドエンハイザー」を利用できる。また音楽だけでなく、動画やゲーム効果音などもBeatsのサウンドで楽しめる。保存した音楽データや音楽系アプリを統合する「ミュージックハブ」も用意し、1つのアプリから音楽コンテンツやサービスを手軽に利用できる。



HTC独自のミュージックプレーヤー。HTC One Sにも搭載されている(写真=左端)。こちらはLISMO Player。UIがAndroid 4.0用に最適化されている(写真=左中)。Beatsのイヤフォン利用時には「Beats Audio」がオンになる(写真=右中)ほか、サウンドエンハイザーを設定できる(写真=右端)


LISMO Player利用時に画面右上の「ストア」を選ぶと、「LISMO Store」にアクセスできる。楽曲の視聴や購入が可能。購入するのに会員登録は必要なく、パスワードを入力してau IDとひも付ければよいHTC Jに保存した写真や動画を無線LAN環境でHDMI対応テレビに出力できる「Media Link HD」も紹介された。無線LAN接続したMedia Link HDの専用機器をHDMIケーブルでテレビに接続すると(HTC Jのテザリングを用いた無線LAN接続でもよい)、端末(HTC J)を自動で検知し、3本指で画面をスワイプすると写真や動画がテレビに出力される。端末側で専用アプリを起動したり設定を変えたりといった操作は不要だ。端末の画面をそのまま映すミラーリングにも対応している。Media Link HDの発売時期や価格は未定だが、「HTC J発売と同じタイミングで発売したい」と説明員は話していた。
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