L-01E、LGL21は共にLTEでの通信に対応している。スペック上は下り最大75Mbps/上り25Mbps(ともに10MHz幅利用時の理論値)での通信に対応している。となると、実際の通信速度やエリアの広がりの差が気になるところ。端末そのものの比較から若干外れることになるが、数カ所で通信速度も比べてみた。
今回測定したのは、東京都足立区にある筆者の自宅、JR上野駅の地上ホーム、JR日立駅から歩いて5分ほど離れた海岸、JR水戸駅から歩いて5分の飲食店の4カ所。このうち、日立駅近くの海岸以外はドコモの「Xi」、auの「4G LTE」ともにマップ上はエリア化されている。日立駅近くの海岸はXiは圏外で、4G LTEはエリア内になっている。計測アプリは「SPEEDTEST.NET」(那覇の計測サーバを利用)と、「RBB TODAY SPEED TEST」の2種類を用い、それぞれの場所で5回ずつPING(応答速度)、下り、上りの通信速度を測定した。さっそく結果を見てみよう。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
自宅 | PING | 108 | 115 | 107 | 120 | 91 | 108.2 |
下り | 3296 | 4685 | 3552 | 4344 | 6325 | 4440.4 | |
上り | 491 | 1014 | 925 | 1016 | 438 | 776.8 | |
JR上野駅 | PING | 168 | 110 | 115 | 102 | 106 | 120.2 |
下り | 1336 | 1926 | 1696 | 2811 | 3482 | 2250.2 | |
上り | 2365 | 1357 | 1434 | 1476 | 1380 | 1602.4 | |
JR日立駅近くの海岸(3G) | PING | 149 | 159 | 143 | 209 | 158 | 163.6 |
下り | 2037 | 1827 | 815 | 986 | 1042 | 1341.4 | |
上り | 598 | 621 | 199 | 134 | 595 | 429.4 | |
JR水戸駅近くの飲食店(3G) | PING | 199 | 170 | 908 | 171 | 105 | 310.6 |
下り | 1877 | 3237 | 1484 | 3304 | 2899 | 2560.2 | |
上り | 1532 | 1985 | 1572 | 1306 | 1456 | 1570.2 | |
総平均 | PING | − | 175.65 | ||||
下り | − | 2648.05 | |||||
上り | − | 1094.7 | |||||
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
自宅 | PING | 186 | 160 | 169 | 164 | 229 | 181.6 |
下り | 4.93 | 4.99 | 3.25 | 4.19 | 4.61 | 4.394 | |
上り | 0.65 | 0.51 | 0.23 | 0.55 | 0.28 | 0.444 | |
JR上野駅(3G) | PING | 243 | 111 | 133 | 969 | 126 | 316.4 |
下り | 2.23 | 3.58 | 2.1 | 2.72 | 4.21 | 2.968 | |
上り | 1.23 | 0.89 | 0.91 | 0.44 | 1.18 | 0.93 | |
JR日立駅近くの海岸(3G) | PING | 207 | 340 | 197 | 260 | 417 | 284.2 |
下り | 4.51 | 2.66 | 2.02 | 2.65 | 1.74 | 2.716 | |
上り | 0.41 | 0.44 | 0.41 | 0.41 | 0.44 | 0.422 | |
JR水戸駅近くの飲食店 | PING | 241 | 250 | 138 | 1029 | 252 | 382 |
下り | 1.45 | 5.32 | 5.04 | 3.43 | 2.46 | 3.54 | |
上り | 0.82 | 2.2 | 1.76 | 1.93 | 1.97 | 1.736 | |
総平均 | PING | − | 291.05 | ||||
下り | − | 3.4045 | |||||
上り | − | 0.883 | |||||
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
自宅 | PING | 78 | 78 | 79 | 82 | 78 | 79 |
下り | 18618 | 24229 | 18711 | 16275 | 20700 | 19706.6 | |
上り | 17043 | 7299 | 7911 | 17868 | 8792 | 11782.6 | |
JR上野駅 | PING | 92 | 83 | 92 | 88 | 93 | 89.6 |
下り | 9370 | 8917 | 9511 | 9574 | 19723 | 11419 | |
上り | 15817 | 11721 | 17929 | 17112 | 17922 | 16100.2 | |
JR日立駅近くの海岸 | PING | 95 | 101 | 90 | 95 | 93 | 94.8 |
下り | 28372 | 33297 | 30467 | 31864 | 30614 | 30922.8 | |
上り | 17002 | 18528 | 15047 | 16067 | 16528 | 16634.4 | |
JR水戸駅近くの飲食店 | PING | 110 | 99 | 87 | 102 | 98 | 99.2 |
下り | 16608 | 17119 | 18495 | 20211 | 21772 | 18841 | |
上り | 19000 | 19301 | 14883 | 16819 | 18455 | 17691.6 | |
総平均 | PING | − | 90.65 | ||||
下り | − | 20222.35 | |||||
上り | − | 15552.2 | |||||
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
自宅 | PING | 90 | 125 | 196 | 164 | 118 | 138.6 |
下り | 28.45 | 24.11 | 29.3 | 20.92 | 24.03 | 25.362 | |
上り | 15.17 | 15.7 | 5.4 | 15.97 | 10.32 | 12.512 | |
JR上野駅 | PING | 108 | 96 | 139 | 102 | 123 | 113.6 |
下り | 15.38 | 20.65 | 15.04 | 19.04 | 16.46 | 17.314 | |
上り | 15.03 | 15 | 14.22 | 15.39 | 15.57 | 15.042 | |
JR日立駅近くの海岸 | PING | 184 | 136 | 121 | 115 | 161 | 143.4 |
下り | 28.49 | 25.01 | 34.87 | 26.88 | 25.83 | 28.216 | |
上り | 12.27 | 11.39 | 10.96 | 9.67 | 13.37 | 11.532 | |
JR水戸駅近くの飲食店 | PING | 130 | 136 | 119 | 136 | 122 | 128.6 |
下り | 23.03 | 20.49 | 18.3 | 19.92 | 21.33 | 20.614 | |
上り | 15.95 | 15.93 | 15.81 | 15.96 | 14.22 | 15.574 | |
総平均 | PING | − | 131.05 | ||||
下り | − | 22.8765 | |||||
上り | − | 13.665 | |||||
※「3G」と書いてある箇所は、LTEではなく3G環境での速度計測となっている。通信速度の単位は「SPEEDTEST.NET」はKbps(キロビット/秒)、「RBB TODAY SPEED TEST」はMbps(メガビット/秒) |
4G LTEに対応したLGL21の方が全般的に良好な結果を残している。これは、まだユーザー数が少ないことと、ドコモのXiと比較して屋外エリアで利用できる帯域の幅が大きいことが奏功しているものと思われる。
一方、L-01Eの計測結果で気になるのは、まず、速度である。Xiもスマートフォンが登場した2012年冬の時点では、応答速度も通信速度もFOMA(3G)よりも大変良好だった。それが約1年経った今ではユーザー数の増加や、屋外での帯域幅の狭さもあって快適に通信できるような状態とは言いがたい面があるのかもしれない。
速度以上に気になるのは、地図上はエリア内であるはずの上野駅と水戸駅近くの飲食店で3Gでの通信になってしまったことだ。筆者は検証で利用した2台とは別に、私物の「ARROWS X LTE F-05D」(Android 4.0への更新済み)も通信できる状態で持ち歩いていたのだが、こちらでは、この2箇所でもLTEで通信することができた。検証時に限らず、L-01Eでは本来LTEエリアであるはずの場所で、スリープ解除後、数分〜数十分の間、LTEで通信できない事象がよく見られた。この場合も、F-05Dの方はやはりLTEで通信できていた。
これは筆者が今まで検証してきたXi端末での挙動面での経験則の話になってしまうのだが、L-01Eも含めてQualcomm製のLTE通信チップを搭載しているXiスマートフォンでは、程度の差こそあれ、このような現象がよく見られる。一方、他社製のチップを搭載している端末(F-05Dや「ARROWS X F-10D」)では、そのような現象は「弱電界」と言われる電波の弱い状態でない限り起こらない。ドコモのXi端末の多くがQualcomm製チップであることを鑑みると、この現象は看過できないはずなのだが……。
L-01EとLGL21は、ともに2210mAhの容量を持つバッテリーを搭載している。前者は静止時のLTEエリアでの連続待受時間が約320時間、後者はLTEエリアでの連続待受時間が約420時間。いずれもにキャリアが定めた定義にもとづく理論値なので、実際の利用環境やインストールするアプリによって大きく異なる。
そこで、満充電した両者を、自宅で12時間放置してどのくらいバッテリーを消費するのか試してみた。条件を極力そろえるため、出荷状態に初期化し、必要最低限の設定をした上で検証してみた。なお、Wi-Fi(無線LAN)やGPSのオン/オフは初期設定で異なる(L-01Eではオフ、LGL21ではオン)が、両機能はオフにして計測している。自宅は、ドコモ、auともにLTEエリア圏内だ。
結果としては、L-01Eが2%、LGL21が6%消費した。単純に計算すると、L-01Eは約600時間、LGL21は約200時間持つことになる。連続待受時間はインストールしたアプリ、移動の程度――など、さまざまな要素が絡みあい、実際のところは環境によって大きく変わる。筆者が実際に各種テストのために持ち歩いて利用した際は、両者ともにバッテリーが特別持たない、という印象はなかった。Optimus Gに関しては、おおむねどのような環境でもある程度はバッテリー持ちを心配せずに使えそうだ。
ハードウェア的には“ほぼ同一”であるL-01EとLGL21だが、それぞれに独自のハードウェアも用意されている。
L-01Eは「モバキャス」のチューナーを搭載しており、モバキャスを利用した放送サービス「NOTTV」に対応している。そのために、LGL21のワンセグ用アンテナよりも若干長いアンテナを採用している。映像と音声は、MHL対応の映像デバイスに出力することもできる。変換アダプターを利用すれば、一般的なHDMI端子を持つテレビなどにも出力できる。
LGL21では、おサイフケータイ(モバイルFeliCa)のほか、NFC(Near Field Communication)チップを搭載している。前編でも触れた通り、LG独自の「LG Tag+」アプリと、添付品のタグを利用すれば、端末設定の自動設定やアプリの自動起動が行える。KDDIが提供する「NFCメニュー」や「NFCタグリーダー」(au Marketのダウンロードリンク)も利用可能だ。
2つのOptimus G、L-01EとLGL21を2回にわたって比較してきたが、姿形はそっくりでも、意外と違いがあることが良くお分かりいただけたと思う。最終的には、店頭などで触り比べて、どちらの“G”が良いか判断してもらいたい。
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