「EZwebは?」「沖縄セルラーは?」「Windows 10 Mobileスマホは?」――KDDI株主総会で出た質問と回答をまとめてみた(2/3 ページ)

» 2016年06月22日 21時30分 公開
[井上翔ITmedia]

4人目(男性):CMの「好感度」の基準を問う

―― 現在放映している「三太郎」のCMについて、好感度でナンバー1という説明があったが(参考記事)、私個人としてはうるさくてばかばかしくて音声を消してしまっている。「好感度がある」とは何が根拠になっているのか。私の想像では若い人には好感があっても、年配の人の中には不愉快だと思う人もいるのではないかと思っている。メディアにだまされているのではないか。

回答(田中氏) 「CM好感度調査」は、CM総合研究所が全国にいる多数の評価者の評価結果を集約して発表している。KDDIが1位を取るまでは、ソフトバンク(旧・ソフトバンクモバイル)がずっと1位を取っていたが、「三太郎」のおかげで総合1位が取れた。年齢層別の評価でも、株主様の意見と違うのだが、全ての世代で1位だった。宣伝になってしまうが、スコアも(CM好感度調査では)過去最高でナンバー1になった。

 マスのCMなので、1人1人違った感想や印象を持つとは思うがご理解いただきたい。

5人目(男性):「EZwebの存続」と「沖縄セルラー電話」について質問

―― 3Gケータイ(フィーチャーフォン)用のEZwebは東京オリンピック(2020年)まで使えるのか。

回答(石川氏) ケータイそのものについては根強いニーズがあるので、継続する。3Gケータイ用のEZwebについては基本サービスは継続するが、アプリについては2018年3月31日をもってサービスを終了する(参考記事)。4G LTEケータイについては、今後ユーザーのニーズにより合うように改善をしていきたい。

―― 「au経済圏」の拡大を考えると、沖縄県だけ「沖縄セルラー電話」として分社化していると一体的な動きは難しいと考える。今後、KDDIが沖縄セルラー電話を完全子会社化することはあるのか。

回答(田中氏) ご存じの通り、沖縄セルラー電話は沖縄経済圏の協力を得て作った会社だ。地元企業から多大な協力を得ている上、沖縄には独特のニーズ・文化があるので、引き続き今の体制で(別会社として)継続したいと現在のところは考えている。

7人目(男性):海外展開について質問

―― KDDIにとって、海外展開は非常に重要だ。前身の1社としてKDD(国際電信電話)を持っており、絶好の立場を持っている。ミャンマーに続く、今後の海外展開を聞きたい。

回答(田島氏) 事業戦略の話となるので、詳細な国名などについてはご容赦いただきたい。KDDIの技術・経験・ノウハウを生かし、通信基盤の整備を通して、相手国の発展、相手国民の生活の質の向上に資するように検討を進めている。時期が来れば詳細を発表できる。

―― ミャンマーでの共同事業のストラクチャー(仕組み)について教えてほしい。

回答(田島氏) MPT(ミャンマー国営郵便・電気通信事業体)自体は、ミャンマー国がやっている組織だ。国自体が通信やエネルギー産業を手がけている場合、国と合弁事業をやったり合弁会社を作ったりするのは非常に難しい。国のデューディリジェンス(資産調査)もできない。

 ミャンマーでの共同事業は「仮想企業」のようなものだ。仕組みとしては、MPTは「顧客との契約」「通信ネットワーク」「事業許可」を共同事業のアセットとして拠出し、KSGM(KDDI Summit Global Myanmar:KDDIと住友商事が共同出資した現地法人)を介してKDDIは通信事業のノウハウ、住友商事は販売面でのノウハウをアセットとして持ち寄って事業展開をしている。

8人目(男性):au WALLETやWindows 10 Mobileについて質問

―― au WALLET プリペイドで「PayPal」を使いたかったが、登録できなかった。今後対応予定はあるか。

 また、クレジットカードと比較するとau WALLET プリペイドはショッピングにおけるトラブル発生時の対応が弱い印象がある。この辺を手厚くする意向はあるか。

回答(高橋氏) PayPalについては現在のところ対応していないが、意見を踏まえて対応できるように検討したい。ショッピング時の補償については、サービスの拡張に向けて検討していきたい。

―― 興味本位だが、「Windows 10 Mobile」を搭載したスマートフォンを今後投入する予定はあるか。

回答(石川氏) 2016年の夏に、「HP Elite x3」を発売する予定だ(参考リンク)。非常にハイスペックな機種で、主に法人を対象としている。個人向けにどうするのかは、メーカーのスペックやニーズを踏まえて検討したい。

9人目(男性):タスクフォースでの議論に関連する質問を投げかける

―― (総務省の)タスクフォースにおける一連の流れで、コストをかけずにユーザーの流出を防げるようになり、相対的にシェアの高いドコモが有利となる競争環境になったと個人的には分析している。この点についてどう考えているか。

回答(田中氏) タスクフォースでは「データ通信をあまり使わない人向けのプラン」「『0円端末』の是正」「長期ユーザーにメリットがあるサービス」の大きく3つの要請がなされたと考えている。KDDIとしては「au STAR」の導入や奨励金の是正などを行って現在に至っている。

 奨励金を減らしていくという観点からすると、シェアの大きい方が有利になるかと考えている。一方で、我々も是正しないといけない部分もあるので、KDDIとしても対応策を打っていきたい。

―― 昨今、総務大臣が「携帯料金をまだ下げられるのではないか」という趣旨の発言をした。すると(KDDIの)株価がガクッと下がってしまった。株主の立場としては困るので、KDDIの方から総務省にそういう発言をしないように働きかけてほしい。

回答(田中氏) 回答するには難しい質問だ。KDDIとしては料金は市場を見て対応することを基本に検討している。その中で、より多くのステークホルダーにトータルでは有利になるようにしたい。

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