最近CMで見る「UQ mobile」の出自は?得する使い方は?SIM通

» 2017年03月09日 06時00分 公開
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 UQ mobileのCMを最近テレビでよく見かけますが、「UQ WiMAXは聞いたことあるけど、UQ mobileって何?」と思ってるかもしれません。そんなUQ mobileの正体に迫ります。

最近CMで見る「UQ mobile」の出自は?得する使い方は?

 UQ mobileを運営しているのは、UQコミュニケーションズという会社ですが、もともとは、WiMAX専業の通信事業者です。つまり、れっきとしたキャリアであって、MVNOではないのです。

 UQは、そもそも無線ブロードバンドサービスの提供事業者(BWA事業者)として産声をあげた会社です。その際、KDDIが約33%を出資したのでKDDI系と言われますが、Intel、JR東日本、商社などいろいろな資本が参加している会社です。それらの会社が集まって、WiMAXを日本中に張り巡らせましょう、ということになり、その後、後継規格のWiMAX2+のサービスを行っています。もちろんUQ WiMAX回線を利用したMVNOも数えきれないほど存在します。

 一方、わりと早い時期から、KDDIの携帯電話網を借り受ける形で、WiMAXのエリアの足りない部分をau網で補うという、半MVNO的な業態を取っていました。では、UQ mobileはそうした半MVNOを発展させたサービスなのかというと、これがまたちょっと違うのです。

 MVNOの参入が盛んになったころ、ひそかに頭を抱えていたのがKDDIでした。と言うのも、MVNO回線のほとんどはドコモ回線を利用しているため、格安を求める利用者はみんなドコモ回線に流れて行ってしまうのです。一方、KDDIのLTE回線は、CDMA2000から無理して発展させた経緯もあって、一筋縄では扱えない、技術的に難しい仕様となってしまっています。貸し出すだけなら簡単なのですが、この技術的な難しさのために、使えるMVNOが限られてしまっていました。そこで、KDDIは自社でMVNE(MVNOサービス支援事業者)を立ち上げました。それがKDDIバリューイネーブラー(以下KVE)という会社です。この会社がKDDI回線との接続の難しいところを全部引き受け、MVNO事業者がどんどんつくられることを期待したわけです。

 ところが、実際はそう簡単にはいきませんでした。「あの話題のスマホ」がOSアップデートでつながらなくなったなどのトラブルがあったりと、なかなかMVNOのユーザーは増えません。そこでKVEは一念発起し、自分でMVNOを始めることにしました。そして、どういうわけか、そのMVNOのブランド名称を「UQ mobile」にしてしまったのです。今になって考えれば後々UQコミュニケーションズと合併するところまでシナリオに入っていたものとわかりますが、当時としては100%KDDI資本のKVEが、7割は他資本の入っているUQコミュニケーションズのブランドを使うのは、少々筋違いに思えたものです。

 その後、KVEとUQコミュニケーションズの合併が発表され、UQ mobileは名実ともにUQコミュニケーションズのサービスに。UQコミュニケーションズがMVNOブランドの一つを引き受けることになりました。

 さてそんなUQ mobileのサービスについてですが、UQが展開しているWiMAX 2+の方では容量制限なしのプランで三日間の制限容量も10GBまで緩和され実質本気の使い放題になるなど脚光を浴びているのに対し、スマホ向けのUQ mobileの方はどちらかとおとなしめの仕様。他のMVNOのように派手な料金や機能をあまり訴求していません。

 とはいえ、サービス内容はなかなか渋いところを突いています。MVNOの多くは、データ通信プランをベースにプラス600〜700円程度で音声が使えるプランにアップグレードでき、さらに500〜1000円ほど足すと5分間の通話が何度でもかけ放題になる、という形で大手キャリアの電話し放題サービスに対抗しています。けれども「かけ放題」という派手な宣伝文句に惑わされがちですが、5分を超えると自動的に有料通話が始まってしまうので、かけ放題オプションをつけ際には相当慎重に検討しないと、高額になりかねません。一方、UQ mobileは、最初からデータと音声通話〇分をセットにしたプランにして、バリエーションをほとんど排除しました。これは、実はLTEが始まる前(ガラケー)までの大手キャリアのプランにかなり近いものです。無料通話付きプランが当たり前だったころ、今月はあといくら分あるからもう少しゆっくり電話できるな、なんて考えながらガラケーを使っていた人も多かったのではないでしょうか。5分以内なら無料だから、とあせって電話をするよりも、そういう使い方のほうが慣れているユーザーは案外多いものです。

※UQも2月22日より、データ通信に5分間の通話定額プランがセットになった「おしゃべりプランS/M/L」がサービススタート。無料通話付プランの「たっぷりプランS/M/L」と月額料金は同じです。

 それからもう一つ、データ通信の通信速度規制のしかけにも、絶妙な設定が施されています。よくある「ターボON/OFF」、OFFのときは月の容量を消費しないで通信できるのですが、ほとんどすべてのMVNOがターボOFF時の通信速度が200kbpsなのに対して、UQ mobileは300kbpsに設定してあります。実はこのあたりは、Youtubeの低画質モードが再生できるかどうかの瀬戸際なのです。Youtubeの動画を見ないで、音楽プレイヤーがわりに使っているかたも多いででしょう。そうしたかたにとっては、UQ mobileなら容量を消費せずに再生しっぱなしという使い方が可能。知っていると得する渋い仕様です。

 また、3日間の通信量合計についても「6GB」と明記してあります。MVNOの多くはこれを明記せず直近の利用量によっては制限することがあるとか、あるいははっきり書いてあっても3日で3GBのことが多いようですが、3日で6GBまでなら安心して使える、というものこれまた地味にうれしい仕様です。

 目立たないけれどよくよく調べてみれば地味に優良MVNOなUQ mobile。単に「au回線だと空いてそうだから」ばかりでなく、詳細なサービス内容にも今後注目したいところです。

(文・記者M)

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