キーボードは主要キーで19ミリピッチを確保しており、キーストロークは1.5ミリ程度(実測値)と少し浅いものの、総じて入力しやすい。キータッチは硬すぎず軟らかすぎずで適度に保たれており、キートップはふらつくことなく安定している。強くタイプすると、キーボードユニット全体が若干たわむが、不快なほどではない。
キーレイアウトにも大きな問題はないが、カーソルキーを挟んで右Shiftと右Fnがある点、Enterの左に並ぶキーが少し大きい点、右Shiftの左に並ぶキー数個が狭いキーピッチになっている点など、多少のクセが見られる。とはいえ、S121は画面サイズに合わせてキーボード全体のサイズが大きいので、慣れやすいだろう。
ただし、タッチパッドがキーボードのホームポジション直下ではなく、パームレスト左右の中央に配置されているため、キー入力時に右手がパッドに誤って触れてしまうことがあった。机上で長文を入力するようなシーンでは、タッチパッドではなく、付属のUSBマウスを接続して利用するのが便利だ。付属のマウスはロジクール製で、USBケーブルを本体側面の溝に収納してコンパクトに持ち運ぶことができる。
もっとも、タッチパッド自体の操作性に不満はない。S121のシナプティックス製ドライバは、Eee PCシリーズに採用されているElantechのユーティリティが持つ3本指での操作には対応しないが、2本指を使ったズームイン/アウトなどのマルチタッチ操作が行える。タッチパッドのサイズは80×50ミリと広めなので、2本指での操作もしやすい。左右のボタンが一体化された横長のクリックボタンはS101やS101Hより一回り大きく、押しやすくなっている。
以上、S121のボディデザインや携帯性、基本性能、液晶ディスプレイと入力環境の使い勝手をチェックした。後編では、Windows XPを起動せずに利用できるインスタントモードをはじめ、実際のパフォーマンスやバッテリー駆動時間などにスポットを当てる。
後編はこちら→Atomだってオーバークロック:“Eee PCの上を行く”Atom搭載スリムノート――ASUS「S121」とは何者か?(後編)
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