「タッチは感情を表現する手段」──ワコムが新世代Bambooで実現したかったこと(2/2 ページ)

» 2009年10月30日 16時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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「ユーザー主体」というワコムの開発フロー

ワコムの新製品開発で中心になるのは、技術セクションではなくグローバルプロダクトマネジメントチームだ

 クルーガー氏は、ワコムで行っている製品開発フローも紹介した。クルーガー氏は「テクノロジーを先に作るのではなく、ユーザーが製品を使ってどう思うのかをまず考える」というワコムの開発姿勢を紹介する。実際の製品開発では、技術的なブレークスルーの前に、ターゲットとするユーザーのニーズを調査し、その結果から求められる機能を確定したうえで、新製品に実装する機能の検討と、その機能を導入するために必要となる技術的要素を決定する。

 次いで、製品デザイン(このデザインには、使い勝手を向上させるための工業デザインの側面も含まれる)を考案して、新製品シリーズの中で主力となるモデルの試作を行う。試作品をベースにして、生産コストの抑制、動作チェック、実装する機能の確認といった検証作業を進め、その結果を反映させてシリーズ全モデルの最終デザインも決定していく。

Bamboo Pen & Touch(“Maple”とはBamboo Pen & Touchの開発コード名)の開発スケジュール。第一段階でユーザーのリサーチとプロファイルの策定を行い、それから技術的要因とデザイン的要因を決定していく(写真=左)。Bamboo Pen & Touchのユーザープロファイルで想定された「ビジュアルコミュニケータ」とは、Webやブログ、SNSで画像を中心に情報を発信するコンシューマPCユーザーのことだ(写真=右)

 この製品開発フローには、技術スタッフが集まる開発セクションのほかに、全世界市場の製品企画を統括する「グローバルプロダクトマネジメント」と、国や地域の市場で製品プロモーションを実施する「プロダクトマーケティング」が参加するほか、外部の工業デザインチーム「Ziba」も加わる。この中で、グローバルプロダクトマネジメントチームは、開発に関わるすべてのチームの“ハブ”として機能し、ユーザープロファイルの策定や実装する機能の検討と決定を行い、経営幹部の了解を得たのちに、初めて開発部門との技術的な検討やZibaとの製品デザインの立案段階に入る。

 技術主導ではなく、グローバルプロダクトマネジメントチームが中心となってユーザーニーズから決定した製品企画をベースに技術的課題を解決していくワコムの開発体制も、「ユーザー主体」というワコムの思想を現しているといえるだろう。

開発過程では膨大な項目を検討しなければならない。ワコムでは、そのすべてをリストアップして(写真=左)、グローバルプロダクトマネジメントや世界中から集まったプロダクトマーケティングのメンバーがすべての項目を検討していく(写真=右)

開発の最終段階では主力モデルの試作機を使って詳細デザインを改良していく。この段階でも想定したユーザープロファイルに基づいて、ユーザーテストで得られた意見などを反映して最終仕様を決定していく(写真=左)。改良はペンホルダーの取り付ける位置から形状、材質にまで及ぶ(写真=右)

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