新製品やソリューションのおさらい的な意味合いの強いイベントだったが、そのなかで特に新鮮だったのは会場前に展示された「NVIDIA 3DTV Play」のデモ機だ。3DTV Playでは、NVIDIAの3D対応環境を持つマシンに他社の3D表示対応テレビを接続すると、テレビ付属の3Dメガネで3Dゲームタイトルの立体視が実現する。NVIDIA 3D Visionではモニター側も対応機器でそろえる必要があるが、3DTV Playがあれば、パナソニックなどから登場した3Dテレビと組み合わせて楽しめるというわけだ。
3DTV Playは2010年夏のリリース予定で、3D Vision環境持つユーザーには無料で提供されるという。それ以外では有料となるが、国内での販売価格は今のところ未定。アメリカでは39ドルで販売される計画とのことだ。
エヌビディアジャパンのスタッフは「3Dテレビはすごく楽しいですけど、すぐ楽しめる3Dコンテンツがまだあまり多くありません。そこにウチの3D環境が加われば、いきなり450本以上の3Dゲームが立体視できるようになります。写真も3D変換できますし、3Dテレビのすごさがより堪能できるようになるでしょう」とメリットを強調していた。
なお、3D Visionとともに3DTV PlayもIONプラットフォームで技術的に対応しているが、3DTV Playを実現するにはHDMI 1.4以降を適用した映像出力端子が必要となる。これは3Dテレビの入力端子側がHDMI 1.4以降のみをサポートしているためだ。現状ではHDMI 1.3世代が数多く出回っているので、3Dテレビでの立体視目当てでマシンを組むならマザーボードの仕様チェックは必須といえる。
それらの総合的な立体視のソリューションを踏まえ、前述の斉藤氏は「弊社はかなり昔からチップだけを販売するのはやめようというコンセプトで動いてきました。そうではなく、付加価値を提供する企業でありたいと。そして今は3Dの時代。現状、立体視においてソフトウェアもハードウェアもお届けできるのはウチだけなんですよ。ニーズの高まりも感じていますし、我々は本気で今年が3D元年になると考えています」と意気込みを語った。
実際、立体視に関して大きな期待を寄せているPCパーツショップは多い。T-ZONE.PC DIY SHOPは「立体視で3Dゲームを快適に楽しむには、今まで以上に高いスペックが求められるようです。3D映像が流行すれば、それに適したマシンに買い換える必要が出るわけで、ウチとしても大歓迎なんですよね。現状では、PCで何をやるにもミドルクラスのパーツでそこそここなせますから、より性能の高いハードウェアを求める可能性を秘めているのはすごく大きなことなんですよ」と話していた。


3D表示に対応するサイバーリンクのBD/DVD再生ソフト「PowerDVD 10 Ultra 3D」。発売されたばかりのソフトで、会場でもデモ機が展示されていた(写真=左)。NVIDIAのGPUを介して、あらゆる立体視が楽しめるという展望をアピール(写真=中央)。立体視の関心が高まっており、周辺ショップでも3Dグラスの人気が高まっている(写真=右)
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