「RAIDはバックアップではない」とはよく言われる言葉だ。これはバックアップの意図が「もしもの時のためにデータを別に保存しておく」というものであるのに対し、RAIDはHDDの故障率を下げるためのものだからだ。例えば、地震などでTurboNAS自体がラックから落下し、HDDに損傷を与えてしまうというケースも起こりうる。
TurboNAS自身のバックアップとしては、外部ストレージへのバックアップが考えられる。外付けHDDをUSBやeSATAでTurboNASに接続してバックアップするわけだが、複数ベイを持つTurboNASと外部ストレージを比べると、後者のほうが容量の少ないこともあるかもしれない。こういった場合は、バックアップする/しないをデータの重要度に応じて取捨選択する必要があるが、TurboNASは共有フォルダ単位でこれができる。
そのほか、コストはかかるものの、TurboNASをはじめとするほかのNASにリモートで複製を作成するリモートレプリケーションも利用できる。これは同期にrsyncを用いているが、プロトコルにSSHを用いて暗号化することもでき、インターネット経由での複製も安全に行える。インターネット経由の場合はストレージを物理的に離れた場所に設置できるため、災害に対する対策(ディザスタリカバリ)としても有用だ。
例えば、自宅のTurboNASを両親のいる実家に置いたTurboNASにバックアップするというのもよいアイデアだ。孫の写真や動画が日々転送されてくるとなれば、NASの導入/運用コストを負担してくれるかもしれない。


外付けストレージデバイスへのバックアップ。バックアップ対象のディレクトリとバックアップ方式を指定する。バックアップ方式には即時実行、スケジュールのほか、外付けデバイスが接続されたら開始する自動バックアップがある(画面=左)。リモートレプリケーションは別のNASにrsyncで複製を作成する(画面=中央)。プロトコルにSSHを使って暗号化することでインターネット経由でも安全にレプリケーションできる(画面=右)
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